企画記事

【ちょい事情通の記者】「あなたのChatGPTがスマートでない時には、Wrtnでアプリを探してください」

アイキャッチ
目次

【wrtn】「あなたのChatGPTがスマートでない時には、Wrtnでアプリを探してください」

  • ちょい事情通の記者 2号|イム・ギョンオプ

Wrtn Technologies(リュートンテクノロジー、以下Wrtn)は、サービス「Wrtn」を運営する韓国生成AIスタートアップです。ChatGPTを作ったOpenAIが1日で数十億ウォン(約数億円)ずつ赤字を出しているというのに、どのように創業3年目のスタートアップが生成AIモデルを作っているのでしょうか?直接モデルを作ったのではなく、GPTをはじめ、Googleの PaLM 2(パーム2) 、Google AI、NaverのHyperCLOVA X(ハイパークローバX)など、さまざまな外部有料モデルとオープンソースモデルを組み合わせて、カスタムアプリケーションを提供するサービスです。つまりコア材料はすべてビッグテックから持ってきて、これらの材料により韓国、日本でより使いやすいAIアプリを提供するというわけです。

去る5月にはGAAという名前の、生成AIカンファレンスをWrtnが主催しました。Naver、Kakaoなど、スタートアップが主催したカンファレンスに韓国国内大企業から、多くのスタートアップまでが出席しており、かなり驚いた記憶があります。このようにWrtnは韓国の生成AIスタートアップを論じる際、必ず登場するスタートアップです。2号はその度にWrtnが気になり、シーズン9で自らWrtnを推薦しました。

Wrtn(https://wrtn.ai/?type=main)のサービスにアクセスすると、「ChatGPTと何が違うの?」と考えるかもしれません。今回のレターは、その二つの「違い」を探す過程だと考えてください。そしてChatGPTとGoogleBard、NaverCLOVA Xのように巨大テック企業のAI競争の中でスタートアップが掴めるチャンスの可能性についてもお話してみました。 

AIは依然として議論的なテーマであり、技術的な理解も難しいです。それだけAIスタートアップ代表と起業家たちには大きな挑戦でありチャンスなのです。インタビューはイ・セヨン代表との対話をほぼそのまま持ってきました。すべて読んでもWrtnのサービスが理解できないとなれば、それもWrtnが納得させなければならない市場でしょう。


WrtnTechnologies イ・セヨン代表 /Wrtn提供 

[1]人工知能アプリストアがある?

-WrtnTechnologyのサービス WrtnはChatGPTと何が違うのか、ChatGPTが「何でも聞いてみよう」というようなチャットボットだとするとWrtnはそれに比べて「あなたはどんな答えを探していますか?」のように具体的に尋ねるUI/UXです。 

「Wrtnは、最終的に対話型のインターフェースが基本となる時代に備えて作られている、新しい画面であり、ポータルサービスです。事業初期には生成AI技術を用いて教育用製品を作り、コピーライティング製品も作ってきました。2022年度ChatGPTが現れ、現在この技術はインターフェイスを完全に変える、インターフェイス転換の技術だと感じました。こうした技術として、PCがあって、インターネットがあって、モバイルがありました。機械とコミュニケーションする方式自体が変わり、人々が使うサービスの種類もそのインターフェースに合わせること。生成AIとChatGPTはそれほどのインパクトだと思います。そんな時代が来た時、一番最初に入って他のサービスにつなげられるようなサービスが出てきたのです。たとえば、インターネットポータルのような。PCとインターネットをベースに他のサービスとつながるようにしました。Wrtnもこのように生成AIが他のサービスにつながるようにする、そんなサービスを作っています」

-かなり具体的な機能としては?WrtnにアクセスするとChatGPTやBardのようにダイアログウィンドウが出てくるのは同じですが、AIストアのような他とは違う機能があります。

「まず、Wrtnに入ると、ChatGPTと同様に、AIと会話を直接行ってコマンドを発したり、さまざまなコンテンツを消費したりできます。数多くのLLMが入っているのです。GPT 4、3.5、HyperCLOVAなど、さまざまなオープンソースのAIモデルが背後にあります(実際にWrtnと会話をするとき、どのAIモデルを主に使うかを選ぶことができる)。特定のモデルが機能的に最も先頭にあると言っていますが、各モデルごとに特長が異なり、最適化された経験を生み出すにはさまざまなモデルを使用しなければならないと考えました。このように複数のAIモデルとチャットボットのように会話することができる機能があります。

次に、アプリケーションとアプリケーションビルダーです。Wrtnにアクセスすると「アプリストア」があり、そこに入るとユーザーの目的に合わせた様々なLLMアプリがあります。例えば、「配達店主のためのレビュー返信ジェネレータ」をはじめ、電子メールによるグリーティングジェネレータなどがあります。 (Midjourney(ミッドジャーニー)のような画像生成AIに入力するプロンプトを生成するAIアプリもありました。)  最終的にiOSアプリのエコシステムのようなエコシステムを構成することが目的ですが、現在は、初期のインターネット時代のブログやカフェコンテンツを作るのをサポートするツールのような、そうした領域のものだと考えてもらえばいいです。アプリも利用者がWrtnStudioを利用して直接アプリとチャットボットを作ることができ、他人が製作したものを自由に使うこともできます。Wrtnが自ら作ったアプリもあり、ユーザーが自分で作ったアプリもありますが、ユーザーが作って拡散する速度の方が速いです。現在6000個程度のアプリがあります。3つ目に、プラグイン機能です。アフィリエイトサービスをシームレスに使えるように繋ぐ役割を果たし、Wrtnが直接プラグインを作ることもあります。」

-アプリストアが必要なのはなぜですか?AIは最終的には汎用、より多くの機能をサポートするように発展します。

「Wrtnが最初に作成したコピーライティング(マーケティングフレーズ生成AIツール)で拡張する過程で作っておいたツールをすべて使用可能です。これよりニッチな目的に合わせた機能をユーザーが作ることもあります。

(2号が見た最も「ニッチ」で珍しかったアプリは、「あなた、買ってもいい?」というアプリでした。購入したいものや説得する相手などを入力すると、それに合わせた情報に基づいて説得する文章を生成します。ポルシェ911と入力してみたのですが、おもしろい経験ではあるものの、このフレーズのようにKakaoTalkを送っては妻を絶対説得できないでしょう。)

アプリを作成した方には、プログラミングの知識はないものの、ドメインに関する知識がある方がいます。たとえば、出前のレビューを分析したり、レビューに対する返信を作成するアプリの場合、レストランの社長やマーケティングの専門家の方々が作れば、実際AIが生成した結果物への理解度が高いといえます。そのため、回答のクオリティも高くなりもするでしょう。アプリを作る際に背後にプロンプトのテンプレートがあり、プロンプトを設計するのも製作スタジオで可能です。

今後はDBを連動することができ、アプリを制作するユーザーがLLMモデルを選択できるようになります。今はGPTのみ可能ですが、当社は数多くのLLMがリリースされ、オープンソースモデルを研究してチューニングする作業もしています。今後もLLMモデルは引き続き拡張され、1つのLLMモデルだけがアプリに使用されるのではなく、カスタマイズされたプロンプト、カスタマイズされたLLMとDBをベースにしたより洗練されたアプリがユーザーによって作成される可能性があると思っています。」  

Wrtnにアクセスすると出てくるストアの画面。 Midjourneyのプロンプト生成、高校生のスキル作成サポート、パラフレージングなどの具体的な機能を提供する。 /Wrtn提供 

[2] 誰でもミニアプリを作れるように開放、「AIエコシステム先占」

-プロンプトベースと呼ばれる、GPTに洗練された答えを引き出すことができるプロンプトを取引するプラットフォームもあります。今はほとんどの人がGPTに慣れていないのでアプリが必要かもしれませんが、GPTにもプラグインが付いてプロンプトへの理解度が全体的にアップしたら?アプリが不要になる可能性がないでしょうか?

「Wrtnのサービスは、単にプロンプトのテンプレートを超えてUI / UXまで統合された、一種のミニアプリです。Wrtnは韓国で先にサービスを開始し、ユーザーに直接サービスをしながら発生した多くの問題を解決してきたノウハウがあります。まだ初期ですがAIを基盤とした多くの商用化サービスを運営しており、検証した企業や事例はあまりありません。このようにユーザーに直接的なサービスをして、このサービスでお金を稼ぐことができることを確認できればYouTubeやNaverブログのようにWrtnの中でも多くの商用化事例が出るでしょう。

私が面白いと思い、GAAでも紹介した面白いアプリとして、行動発達記録という、一種の過去の生活記録、先生たちが子供たちの生活記録をつけるのを快適にしてくれるツールがあります。Wrtnは日本にも進出し、日本でもサービスをしています。最近、日本サービスとしては、子供におとぎ話の本を読んだり、話をしながら寝かしつけるために、そうしたお話を作ってくれるアプリがあります。これらのアプリはユーザー数も多く、反応も良いです。」

-アプリストアではWrtnStudioという、簡単にアプリを作成できる機能を提供しています。このようにスタジオ、ビルダーをユーザーに提供するのはなぜですか?

「GPTのようなモデルも初期は、狭い技術でした。OpenAIもクローズドベータテストに選ばれてから、非常に少数の研究者やスタートアップにのみCBTモデルのライセンスを与えていたのです。Wrtnは運よく、韓国でもいち早く受け取りました。使ってすぐに技術のインパクトが大きく、多くの会社がこの分野に駆けつけ、多くの競争が起こると感じました。GPTをクラウドと比較する人もいます。以前は独自のサーバーを絶対に構築しなければなりませんでしたが、今はサーバーを運営することが非効率的だと思う人が多いようです。クラウド、通信ネットワークのように作成AIとLLMはインフラになるでしょう。あまりにも当たり前のサービスになるでしょうし、この技術を活用してどんな付加価値を作ることができるかが、重要な視点となる日がすぐに来ます。Wrtnは単に「AIを活用してアプリケーションを作る」ではなく、「この対話型インターフェースという、会話を通じてコミュニケーションできる方法自体を当然にする、大きなエコシステムを作る」というミッションでアプローチしています。 」

-ChatGPTでは、プラグインという名で外部のデータベースやデータを呼び出して情報を提供しています。Wrtnもプラグインを準備中だと仰っていましたが、そうするとWrtnの中で外部サービスの情報を提供できるのでしょうか。

「約20ヶ所ほど、代表的なプラグインのパートナーと交渉しました。1次提供会社としては、不動産情報はZipbang(チッパン)、医療情報はdr.now(ドクターナウ)とカンナムオンニ、EコマースはGmarket(Gマーケット)と11Street、金融はハナ銀行とKB金融グループ、求人求職はWanted(ウォンテッド)、ファッションはRapport Labs(ラポートラボ)、旅行はMy Real Trip(マイリアルトリップ)、法律はLaw&Good(ロウ&グッド)、モビリティはTADA(タダ)などセクター別の韓国代表企業とスタートアップが提携会社です。8月末、まもなくプラグイン機能をオープンする予定です。そのため、GPTも一度にプラグインを最大3つまでサポートするのと同じように、Wrtnの中でもプラグインを最大3つ選択できます。たとえば、プラグイン機能をオンにして、どこに旅行計画を立ててもらうと、既存のDBから構築するのではなく、My Real Tripのデータに基づいてWrtnが答えるというものです。ショッピングの場合でも、より本人に合った商品をお勧めできるパーソナルショッパーのような機能を作ることもできます。リアルタイム情報と専門的な情報をWrtnAIが扱えるという点で、従来の機能よりもアップグレードされます。」

Wrtnプラグイン提供会社達8月末リリース予定。 /Wrtn提供 

[3] Wrtnの後ろには、GPTではなく複数のAIモデル、そしてモデルを調整するMOM技術

-OpenAIが韓国のデータを強化したサービスを披露すれば危機ではないでしょうか?

「ChatGPTは、アーリーアダプターをターゲットにしたと見ています。結局、生成AI拡散のためには多数のユーザーが使えるようにしなければなりませんが、多数のユーザーに拡散されるというには、まだ少数の人員が使用しています。プラグインの提携会社が多くなり、自分たちのサービスにGPTでもWrtnでも使えるようにしなければならないのですが、今特に作る理由がないのです。OpenAIのプラグインが増え、GPTを使用する企業が多くなると、Wrtnもウィンウィンとなる仕組みです。OpenAIに登録されたプラグインはWrtnにもすぐに搭載可能であり、WrtnのプラグインもGPTへの搭載が容易に可能なため、プラグイン企業の立場としては排他的な関係ではありません。

ChatGPTとアプリケーションをめぐって競争するとなれば、Wrtnの強みも2つあります。まず、ChatGPTは単一のAIモデルでのみサービスしていますが、WrtnはGPTを含む世界最高レベルの多様なモデルをベースにしており、信頼性が高いという点です。第二に、ローカライズです。韓国語と日本語に特化しており、ずっと簡単で、高い使いやすさを提供するという点です。WrtnにはMOMと呼ばれるモデルオーケストレーション技術があります。Wrtnは各モデルの長所、欠点を知っています。速い、または正確で、より詳細な答えを提供する等。それで、質問するユーザーの目的に合わせたモデルをつなげることができ、計画を立ててモデルをマッチングします」 

-モデル・オブ・モデルズ(Model of Models)、モデルのモデル?どのように最適なモデルを探すモデルなのでしょうか?

「プラグイン、スタジオ、インタラクティブなAIインターフェースを効率的にサポートし、モデル、API、コード実行、デバイス機能を管理するシステムです。MOMは実はLM(ランゲージモデル)OPSから始まる技術です。もともとはWrtn内部で使っていたツールでした。初期のランゲージモデルは英語ベースで、ユーザー制約がたくさんありました。韓国語が使えないであるとか、韓国語を使えるモデルがあっても、2つのモデルを適切に混ぜて使わなければならない場合が多かったのです。そこで、複数のLMモデルを最適化してアプリケーションを作ることができる機能を研究しながら、少しずつ技術を積み重ねたのがスタートでした。

ユーザーがWrtnに質問すると意図を把握し、そのための必要スキル(AIモデル、プラグイン、デバイスの通称)を選び出す、MOM内部にはプランナーと呼ばれるモデルがあります。発話者の意図に合わせて、計画と目標を立て、最適な実行計画を立てる過程を経るのです。最後に、アビュージングやモデルの偏りを防ぐためにAI倫理フィルタを作成しました。AIが作った結果物がユーザーにとって適切なものであるかを判定します。パーソナライズできる要素を決定するフィルターもあります。

たとえば、「休暇中に何をしようか」と一般的な質問をChatGPTに尋ねて、きちんとした答えを求めることは困難です。Wrtnではプランナーが稼働します。ユーザー情報があれば、過去に会話していた経験や、参考にするデータに基づいて調べてプラグインを稼動します。たとえば、My Real Trip(マイリアルトリップ)、グルメおすすめのデータを基に、旅行先、飲食店、交通機関などのアウトプットを作り出し、フィルタリングして組み合わせて提供できます。」

-組み合わせをテストするには、多くのユーザーがいる必要があり、フィードバックに意味があると思います。今Wrtnのユーザー数は?

「現在の累積加入者は80万人です。MAUの場合は1日6万程度(7月基準)、毎月ほぼ2倍ずつ成長している傾向です。1日に1000万件を超える質問が入ってきますが、ここにユーザーの意図を把握して答える作業が着実に続いています。Wrtnの回答に不満足な場合もありますが、結果に対するユーザーの反応を見ることで、引き続きプラットフォームはスマートになり続けています」

[4]高校時代、学術大会を作りながら直接感じたペインポイント 

「人間はアイデアを出して、文章はAIが書いてくれたら?」

-Wrtnの主なユーザー目的は?もともとはマーケティングツール、コピーライティングツールとして多く使われたものと把握しています。しかし、このようにAIベースのマーケティングコピーを作成すると、一種のアビュージングが多くなるという欠点もあります。Googleの検索クオリティが落ちたのはAIのせいだという分析もありました。

「現在のユーザーの目的はさまざまですが、最初にターゲットにしたのは一種の知識創造労働者でした。なので現在でも最も多い使用目的はアイデアを出す、というものになっています。二位は、自身の業務にコンテンツを創ったり、生成することです。この「コンテンツ」にはコードも含まれており、エンジニアも使用します。三位は、自身の業務を自動化するために使うというケースです。

アビュージングが多くなったというフィードバックに対しては、今後も私たちはAIが生成した結果物を「アビュージングと見なければならないのか」という時点に来ています。コピーライティングとマーケティングではすでにキーワードコンビネータで複数の文が自動生成されていました。初期にはこのような流れがあるかもしれませんが、結局は本当に超個人化されたコンテンツ消費市場に進化することになるでしょう。オリジナルコンテンツがあれば、このコンテンツがバージョン1から100まで、変形されて出力されることで、コンテンツ制作コスト自体がものすごく安くなり、生産時間とコストが減るという状況になるでしょう。コンテンツの量産化がされると思います。」

 -文章をAIが代わりに書くのが果たして望ましいことでしょうか?AIの普及により量産されたアビュージング文章が増えるやもしれません。

「高校時代に学術大会を作ったことがあります。その時、一部ではなぜ青少年たちが報告書や論文を書くのか、書いたにしても低クオリティの文章があまりに多いという批判もありました。それで文献情報学科を選択することにしました。青少年の論文をたくさん集め、これをアーカイブして良い論文を検索できるDBサイトを作る中で勉強した書誌学や、学術コミュニケーション理論が好きだったので。その後はテキストマイニングに関心が続き、AIまで来ることになりました。

当時青少年が書いた論文は、ライティング技術の技術面さえ解決すれば、良いアイデアもたくさん出ていました。問題は論文という規格に合った文章を書くことであり、この規格に合わせるためには学習がまた必要でした。このような技術的な問題のために完成させらていない原稿もありました。

だから、AIは執筆の技術的な部分よりもより重要なこと、人はアイデアや観点の方にもっと集中し、スキル的にTPOに合う文章を作り出すのです。人間創造性の拡張を可能にするものであり、想像力と創造力は人間だけが具現できるものなのですから。」

-OpenAIのChatGPTの技術性能が未だトップですが、結局AIモデル市場も検索をGoogleがすべて独占しているかのように1社独走体制になるのではないでしょうか?

「OpenAIの独占と独走を防ぐことができるさまざまなモデルが出続けると思います。すでに速い速度で他のモデルがGPTの性能に追いついており、 Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)のような場合はオープンソースであるにもかかわらず、画像生成能力では他の追随を許さないレベルです。OpenAIが技術のトップを維持しても、自身の事業性のため、価格を過度に上げることはないでしょう。複数体系になると思います。一部の学者の間ではGPTの基礎となった原理、トランスフォーマーモデル以降の新しいモデルが出て、AIのパラダイムシフトが来ると見ている方も多いです。また、NaverとKakaoも独自のモデルを出すとしており、AIエコシステムは広がり、多様化し、機会もどんどん増えていくでしょう」 

-プロンプトベースでは、Midjourneyのような画像生成AIに入れるプロンプトとマーケティング用のプロンプトが最も多く取引されています。どうやら業務用、画像生成に最も多く生成AIが使用されているようですが、今後生成AIの使用が爆発的に増える分野はどこだと思われますか?

「対話型チャットボットは、エンターテイメントの要素が強いです。アメリカではAIを利用した2次創作物が多く制作されています。既存キャラクターがいるものを用いて、そこから会話を創ったり、会話型のウェブ小説など。一種の二次創作物です。完結した小説の内容を入れて、AIをベースに結末部分から再開したりするのです。サブカルチャーの領域で面白い試みが行われています。」 

Wrtn全チームメンバー/Wrtn提供 

[5] あなたのChatGPTが賢くない理由は? 「シングルトンを解決するべき」

文献情報学科を選んだ理由とWrtn起業の決心

-私の周りでGPTを不思議がって何回か使ったまま、それきりの人に尋ねると、「パフォーマンスが期待していたものに達していない」という答えが最も多く返ってきます。どうやらGPTから欲しい答えを引き出せなかったようです。

「Wrtnが解決しようとしている問題の1つは、AIユーザーの「シングルトン」です。つまり、AIにたった一度だけ質問をして終わるのです。AIに良い命令を出すためには、会話がピンポンのように行き来しなければなりません。人の間でたった一つの会話で行動を導くことができる理由は、私たちがお互いが望むものと文脈を把握しているからです。AIにもユーザーの意図、状況を理解するのに十分な会話と時間が必要です。

Wrtnは言語的な理論に基づいており、ユーザーとの会話を続けるため、あれこれをさらに尋ねることもあります。ユーザーが望むものを見つけることができるように、よりパーソナライズできるようにプロンプトを見つけるプロセスです。シングルトン方式の使用では、AIの性能を100%引き出すことはできません。 」

-文献情報学科を卒業されています。専攻を文献情報学科に選んだ理由は?

「中学校2年生の時、京畿(キョンギ)科学高校の早期入学を準備し、最終過程で落ちました。その年の冬休みに論文を書くことになり、テーマは多文化家庭に関する論文でした。その後、青少年論文を活性化するために青少年学術大会を創りました。KSCY、韓国青少年学術大会です。今でも活発に活動しています。その後、工学部にも合格しましたが、文献情報学科に行きました。解決したいボトルネックがありました。

学術大会で青少年たちに文章作成を教える過程を行ったのですが、テキストデータのクオリティや形式のようなものもすべてまちまちでした。大学入学後に論文を書くための厚い規定集も受け取り、授業も聞いているのに。学生にはその過程がとても大変でした。

だからこういう文章のための過程をアーカイブし、文章を書きやすく、良質な文章を書くことのできるDBサイトも作ってみたくて文献情報学科に進学することにしました。最近は文献情報学科も技術との繋がりが多くなり、授業を聞いて索引付けや分類実習をしながらテキストマイニングにも接するようになりました」

 -学術大会からWrtnの起業への直接的なきっかけもあると思います。2020年といえばChatGPTのリリースより2年早いですが、AIの発展を実感することになったきっかけは?

「2020年1月、予定されていた学術大会がありました。学術大会は、13カ国で3000人ほどが集まる、かなり規模の大きなものです。私たちが主催だったのですが、開会の1日前にコロナのためキャンセルされました。非営利で進行していたため借金1億ウォン(約1100万円)ができ、2月から5月までの4ヶ月間、ファウンダーたちと一緒に休学してオンラインZoom家庭教師で文章の書き方を午前9時から夜12時まで教えました。結局、借金は全部返済しましたが、子どもたちに教えてみたところ、ここ数年の間に子どもたちの作文能力は格段に落ちていることを感じました。

 その時、青少年の文章作成を助ける教育用ソフトウェアを作ってみようという目標を立て、Zoomとオンライン教育プラットフォームは多くなっていたので作文教育での起業をしてみようと思いました。その時、周りにAIを研究していた友人がおり、GPTという技術について聞いてみました。その友人の回答は「今のパフォーマンスでは事業には使えない。韓国語が使えない」でした。それでも、ずっと目につき、ディープダイブをしてみました。このモデルが少しずつ韓国語を使用できるようになるのか、韓国語を教えることもできないだろうか?そう思い、起業することにしました。」

-AIのためにむしろ人間の作文能力が低下しないでしょうか?

「生成AI技術の流れを拒絶したり、拒否することはできません。計算機ができたからといって、人間の数学能力や創造力、想像力は退化しませんでした。限界がなくなり、むしろ想像力を一箇所に集中できるようになりました。」

-記者という職業はどうなるでしょうか?

「記者という仕事も、企画力も必要ですし、取材力も、文章力も必要です。しかし、文章力は今や、表現の領域としてAIを通じて構成がより楽になるでしょう。企画や取材だけは人間ができる生来の作業であり、ここにもっと集中できるようになると思います。」

  



/media/ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)
記事を書いた人
ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)

朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。

  • ホーム
  • 企画記事
  • 【ちょい事情通の記者】「あなたのChatGPTがスマートでない時には、Wrtnでアプリを探してください」