肌に対する偏見を打ち破る化粧品ブランド「Foretderm」 —「今が一番進化した瞬間」ユン・ソウン代表

今回のインタビューでは、個人的に共感し、内容に入り込み、書き留めておきたいことが多かった。インタビューをするたびに学んでいるが、Foretdermのユン・ソウン代表の話は得るものが多かった。様々な経験をしてきたという点で、そして内容的な側面で意味のあるインタビューでしたが、インタビューから感じ取れることがいくつかあった。なによりも、女性創業家の道のりや女性創業家の環境には多くの課題が残っているが、過程より今が一番良い時期だと話していたことが印象深い。女性創業者の話を聞く Female Founder Formationで、「Foretderm」の代表でありブランドディレクターであるユン・ソウン氏の話を聞いてみた。

‐一度使っただけで十分で、すぐに自分自身が使いたい製品

‐最高のクロスハッキングは「良い製品」

-最も大きなリスクは美容市場に蔓延している「偏見」 

-自分を制限せず、自分の可能性を信じ、多くのお客様が求める製品作りに集中する

-税金、人件費、ビジネスマイルストーンの3つの要素を見逃してはならない

プロフィール

チェジュ島で化粧品を作っているデザイナー出身の創業家ユン・ソウンです。動物と運動が大好きです。責任感がある人が好きで、変わる努力をせずに不満ばかりを言う人たちが嫌いです。社会人生活を初めて6年間、6つのキャリアを経た後に会社を創業したのですが、振り返ってみると、本当に多様な経験をしてきました。大企業でキャリアを積んだ後、スタートアップに移り、「TodayHouse(bucketplace)」と「Plating（シェフの料理配達サービス）」で働きました。その後、建築スタジオである「PH+」で空間デザインの仕事をし、デザインスタジオ「Deepdivedesign」を創業しました。そして昨年から 化粧品ブランド「Foretderm」を創業し運営しています。すぐに答えが見えなかったとき、それを変えようとせずに文句を言うのではなく、満足のいく環境で新しいことに挑戦することにしました。だからこそ、私は他の人よりもずっと圧縮された経験をしたと思います。その結果、日々自分自身が満足できる人生を送ることが大切だと感じています。今のチャレンジがどこで終わるかはわかりませんが、毎日寝る前に今日も忠実に生きてきたことを誇りに思います。

Q.様々な経験を積んできたプロフィールが印象的です。デザイン関連の仕事をされていましたが、なぜ化粧品を扱う会社を創業したのですか？

デザインエージェンシーを運営をしていた頃、度重なる残業やストレスに悩まされ、敏感肌に変わり悩んだことがありました。いいと言われている化粧品はすべて使い、マスクパック、アンプル、セラムなどすべて使用しても短期的にはよくなりましたが、皮膚がどんどん悪化していくということを経験しました。当時、一緒に働いていた同僚のお姉さんが皮膚科医で、カウンセリングを受けて人の皮膚が持つ特性を深く理解するきっかけとなりました。また、一時的に劇的な効果がある高価な化粧品は敏感肌を長期的に悪化させることを知り、やがて皮膚自体が回復する自己活力を養うことが最も重要であることに気付きました。その結果、一本だけ使う一時的な効果ではなく、肌が回復する基礎的な健康を追求する 「化粧品」 を創り出すという新たな事業をスタートさせました。上記のチームの同僚、皮膚科の院長と私の３人が意気投合し、ずっと私が使える化粧品を作ることを目標に2018年「Foretderm」を創業しました。

Q.化粧品業界は既製品メーカーで飽和していませんか？ 

今日の化粧品市場は巨大な日用消費財市場であるため、さまざまな問題も抱えています。もともと肌は再生しますが、外部からの刺激や誤った常識で管理され続ける生活習慣は、肌の再生力を損ないます。さらに、美容業界は危機感を生み出し続けており、過度のマーケティングを通じて、肌に対する誤った偏見を植え付けています。その結果、発症しなかったかもしれない敏感肌の患者が多数存在しています。これらの問題を解決するためには、肌に対する偏見を一つずつ打ち破ることができるブランドが必要だと考えました。そんな全体像を踏まえ、「Cosmetic Simplicity」 をスローガンに最初の商品をつくる際に、ひとつで十分で、すぐに使いたい商品である再生+保湿クリームを作りました。私も敏感肌に苦労していたので、敏感肌の方も長く使っていただけるよう、成分を長い間研究し、色々な組み合わせでサンプルを作っていました。そのため、最初の製品はかなり長い準備期間の後にリリースされました。生産期間中、私は自分自身をよくテストし、時には肌を悪化させました。しかし、今ではとてもよく出てきて使い続けているので気に入っています。おかげで肌がすごく良くなりました。

Q. 「Foretderm」のお客様が一番満足しているのは何だと思いますか？

「Foretderm」はリピート購入率が90％を超えます。私たちの製品を通してお客様の役に立っているという点が最高の成果だと考えています。製品の初期生産時に、そして試行錯誤を経て成分を調整しようとするという大変な作業が、良い結果をもたらしたようです。鎮静と保湿に特化した化粧品を一つだけ使っても肌を改善できるとお客様から感じられ、化粧品総消費コストが削減されたことに満足しているようです。

Q. 「Foretderm」にはどんなリスクがありますか？ 

最も大きなリスクは美容市場に蔓延している「偏見」です。成分や効果にかかわらず、マーケティングロジックに基づいて作成された化粧品市場の価格政策は非常に変形的です。原料の研究や市場調査をしていくうちに、高価な化粧品の方が組成が優れている部位はあまりないことに気付きました。21万ウォン（約2万円）の化粧品は、3万ウォン（約3,000円）の化粧品の7倍の効果があるとは言えません。それどころか、特定の成分に関するマーケティングストーリーが高価格を正当化するケースがはるかに多いです。消費者の目線で成分を調べ、正しいコストパフォーマンス比率を判断することは容易ではありません。値段が高い化粧品が良いだろうと直感的に判断せざるを得ません。インフルエンサーの美容製品に関する最近の品質論争は、現在の市場の荒廃の一例です。消費者として、彼らは誰を信頼すべきかわからないので、有名な製品や高価な製品を信じています。これらのリスクを早期参入ブランドの観点から克服することは容易ではありません。しかし、それを克服する方法は非常に単純に思えます。「評判がよく、費用対効果の高い製品を作ってまっている」です。お客様からの心からの口コミを見て納得しました。マーケティングインフラ不足で時間がかかるかもしれないが、成長の方向性は確かだと思う。‐最高のクロースハックは「良い製品」ではないでしょうか？

Q.では、女性起業家であることのメリットは何だと思いますか？

大切な消費者である女性のお客様と深く関わりを持つことができるのがポイントです。女性起業家にとっては、女性のお客様が本当に欲しい商品は何かを把握し、財布を開けるほうが有利だと思います。もちろん、女性起業家、特に若い女性起業家として働くという点では難しいこともありますが、女性だからという考えで不公平の被害者になることよりも、自分の能力に注目して、良い商品を作ることに集中することが一番大切だと思います。

Q.韓国のスタートアップエコシステムに、女性起業家の視点から何を改善してほしいですか？

スタートアップが急成長して、市場に侵入しようとするならば、なによりも投資誘致に依存しなければならないという部分もあるのですが、 このような投資誘致部分で女性創業家たちが難しさを感じるようです。大きく変わってきましたが、投資業界と創業界はいまだに男性比率が圧倒的で、投資者と創業者間の人脈形成を前提に本格的な投資誘致が起きるのですが、このような部分は若い女性創業家にはまだ難しく、慣れない環境だと考えます。難しい問題かもしれませんが、家庭における男性中心のヒューマンネットワーク形成とは他の形態で女性創業家たちが投資を誘致できるプロセスが作られるのはどうだろうかと思いますね。私が大きく成功したときには、投資主体になって、それを解決するかもしれません。

Q．女性起業家として、あるいは女性として直面している課題にどう対処すべきか、アドバイスをいただけますか？

冷静に見ても、若い女性創業家、社会に進出する女性たちだけが、経験する難しさが明らかに存在しています。これは今に始まったことではありませんよね。長い歴史を持つ困難です。しかし、今が一番社会的に進歩した瞬間ではないでしょうか？今、この瞬間が女性が新しい挑戦に飛び込むのに一番進化された時点だという点も考える必要があります。 -自分を制限せず、自分の可能性を信じ、多くのお客様が求める製品作りに集中するそして、このような挑戦する女性たちが主導して開放的で、発展的な創業ネットワークを多く作れたらいいなと思います。

あ、それ以上に重要なことがあります。必ず筋力トレーニングをしてください。運動は自信を与えます。思っているよりもはるかに効果的です。

Q.実践的なアドバイスをいただきありがとうございます。そのような代表も、立ち上げの過程で見逃していたことがいくつかあったと聞きました。

税金、人件費、ビジネスマイルストーンの3つの要素を見逃してはならないですね。最初の税金については、税務担当者がいても、それを勉強して完全に理解する必要があります。税金のせいで逃した金額がすごく多かったんです。第2に、人件費も明確かつ徹底的に計算する必要があるようです。責任を持って働き、人件費を明確にしないと、ビジネスがうまくいくという奇妙な落とし穴に遭遇する可能性があります。また、10人以下の小規模なチームがある場合は、インセンティブの再分配にも注意する必要があります。個人に異なるインセンティブを設定することは、モチベーションよりも誤解を招くようです。代表者を含むすべてのチームメンバーが共通の目標を持ち、透明性と一貫性のあるインセンティブ構造を持つことは良い考えです。特に女性起業家は、こういった財務に弱いので見逃すことが多いです。難しく、面倒で、違和感があっても、それを知り、神経を使う必要があると思います。最後に、事業拡大には明確なマイルストーンが必要です。販売量が少ない初期のビジネスでは、企業規模が頻繁に変化することがあります。すべての起業家が事業の成長を目指していますが、大きなミスもあります。 拡張の機会に過剰な代価を払うということです。しかし、長期的な観点からは、あらゆる機会の中から良い機会を選び、慎重になることが必要です。本当に良い機会と単純な拡大の機会は明らかに異なっていました。事業を育む欲にビジョンが歪む機会を無理に選択する必要はないと思います。私たちが提供する商品やサービスに注目すれば、自然に成長が生まれます。

Q. 「Foretderm」のこれからの目標は何か気になります。

ブランドの第一の目標は、本当に必要とされる最小限の化粧品を良質で手頃な価格で提供することです。製品ラインナップを増やすことなく、本当に必要な製品を丁寧に発売する予定です。さらに、自分に合ったビューティートレンドを作るブランドになりたいですね。このビジョンを達成するための短期的な目標のひとつは、自信のある製品をより多くの人に広めることです。

Q.私たちのメディア名はbeSUCCESSです。代表が考える「成功」とは何ですか？

成功とは、時間と経済的自由を要し、エネルギーを真の価値あるものに注ぎ込む人になることだと思います。

Q.これが最後の質問です。  10年前の自分自身にどんな話をしたいですか？

投資を始めて、事業をもう少し早く始めなさい、そして税金の勉強をしなさい、この3つを10年前の私に話してあげたいです。その時、カナダとニューヨークに1年近く留学していました。語学研修などにお金を使うくらいなら、世界旅行をしたり、むしろ株式投資をしろと10年前の私に言ってあげたいです。

Image Credits:Forredum、https://www.foretderm.com

原文：피부에 대한 편견을 깨주는 화장품 브랜드 '포레덤' 윤소운 대표 - "지금 이 순간이 가장 진화된 시점이다" - beSUCCESS