【そのとき投資】 なぜ彼らはそのスタートアップに投資することを決めたのか
【そのとき投資】 なぜ彼らはそのスタートアップに投資することを決めたのか
彼らは本当になぜ、そのスタートアップに投資したのか...考えてみる
日本市場への進出を支援するフォーラム「東京スタートアップフォーラム (仮称)」に参加するスタートアップを探しています。
世界のすべてのスタートアップを応援する、ちょい事情通の記者は、今年「東京スタートアップフォーラム (仮称)」をスタートします。ひとりでではなく、在日韓国大使館、Xenon Partners(ゼノン・パートナーズ)のイム・サンウクパートナー、D.CAMPのキム・ヨンドク代表、日本のベンチャーキャピタルPKSHA Capital(ピクシャキャピタル)のパートナー海老原秀幸氏、STARTUP ALLIANCE(スタートアップ・アライアンス)と共にです。
フォーラムは、日本への進出を真剣に考えている韓国のスタートアップ創業者をどのように支援するかという悩みから始まりました。問題を一気に解決できるよう手助けすることはできませんが、非常にささいな情報から、「ああ、そうだ」という考え方の転換、そして何よりも「果ててしなく広い東京で何から始めればいいか」という韓国スタートアップ創業者の悩みを共に考えていこうという趣旨です。東京進出したばかりの人は「日本は思っているよりずっと複雑で難しく、時間がかかる」とよく言います。その複雑さ、難しさ、そして長い時間を1匙減らす場所、それが東京スタートアップフォーラム(仮称)が進もうとしている道です。
最初の一歩は「韓国スタートアップの日本進出を支援・応援」することですが、次のステップは、アジアに進出する韓国と日本のスタートアップを応援することです。もちろん、日本のスタートアップの韓国やアジアに進出も手伝いたいとも思っています。スタートアップを手助けするということには、国籍がないからです。しかし、それはどこまでも遠い未来の話です。
現在は、韓国のスタートアップにもっと焦点を当てています。「日本に真剣に取り組む韓国のスタートアップ創業家」をフォーラムに招待します。初期は、あまり大きなものではなく、小さくてもしっかりとしたフォーラムを目指しています。日本進出したスタートアップの難しさを聞いて、一緒に解決策を考えていこうと考えています。フォーラムの初期であり、一緒にノウハウを蓄積する時期でしょう。たくさん蓄積してから、後にもっと多くの人々が日本やアジアの市場にもっと効率的に進出できるよう手助けしたいと思っています。
初期フォーラム運営チーム(予定)は、先ほどお話ししたちょい事情通の記者、駐日韓国大使館、PKSHA Capitalの海老原パートナー、Xenon Partnersのイム・サンウクパートナー、D.CAMPとSTARTUP ALLIANCEが務める予定です。変動の可能性はあります。運営方法は、2ヶ月に1回程度オフラインで会って、参加メンバーの「悩み」を考え、一緒に解決策を考えるというものです。オンラインとオフラインでの小さな集まりは不定期に行う予定です。スタートは2月または3月に予定されています。
参加資格は「日本に真剣に取り組んでいるスタートアップ」です。現在日本でサービスを提供している、支社を設立している、または日本への進出計画を確定しており、進出までのカウントダウンに入ったスタートアップです。応募およびお問い合わせは、ちょい事情通の記者のメール(startup@chosun.com)にお送りください。会社概要紹介も共にお願いします。応募されたスタートアップは、応募順に他の企業と話し合った後、「フォーラム ファーストスタートメンバー」に招待します。応募されたすべてのスタートアップをメンバーとして招待することはできませんのでご了承ください。しかし、できるだけ早く、つまりフォーラムがきちんとしてきた時には、もっと多くの方々とご一緒する予定です。
ちょい事情通の記者は毎週水曜日、ベンチャーキャピタリストやアクセラレーターから「私は、その時投資しようと決めた」という話を寄稿してもらい、お届しています。現役の審査役がスタートアップ創業家と出会い、投資をためらい、一晩中悩み、投資レポートを書いた理由についてお話しする内容です。実際、投資理由はそれぞれであり、時には何か共通点があるように見えることもあります。新年初の [そのとき投資]では、そのそれぞれでありつつも、共通している何かを探すために、以前の8社のケースを再び振り返ります。一緒に探してみましょう。もちろん、正解はありません。
[Netspa] に投資したTBT キム・ドンオ理事
廃漁網を収集するNetspaチーム/Netspa提供
「それまで、廃漁網からナイロンを抽出する技術開発の試みはあったが成功事例はなかったため、廃漁網は焼却処理される他なかった。ところが、廃漁網は他の廃棄物より焼却費用がかなり高かったため、自治体が廃漁網を焼却するための予算はすぐに使い果たされ、漁民たちは処理の難しい廃漁網を海に捨てることになっていたわけだ。無分別に捨てられた廃漁網は大きな問題を引き起こす。世界的に年間64万トンの廃魚網が捨てられ、海洋ごみの40%を占め、65万匹の海洋生物が廃漁網で命を落とし、漁獲量が10%減少し、海洋生態系は深刻に破壊される。ナイロン成分が波で粉砕されて微小プラスチックを発生させたり、焼却するときに大量の炭素を排出することは言うまでもない。」
「この頃、私はイム・ジョンウク前共同代表と慶尚南道河東(キョンサンナムド ハドン)に位置する工場を訪問してパイロットプラントを見学した。両共同創業者が大企業を飛び出し、深い山の中にある廃棄物メーカーで6ヶ月間寝食を行いながら、パイロット工程を開発した過程を聞きながら、事業に対する強い確信、実行力、学習能力を十分に感じることができた。市場の大きさ、製品の成果、顧客企業のレファレンスチェックも重要だが、何よりも創業者たちが今後の困難な問題をうまく解決するという信念を持つことができた。チョン・テクス代表は実のところ、多くのエンジニアリング経験者がそうであるように、IRピッチングで華やかな話術で相手を説得するスタイルではなかった。しかし、Q&Aでの多様な細部への質問について事前に考え、準備された答えを持っていた。実態から遠い愚かな展望は語らず、今振り返ってみると行動ですべてを見せ、言葉を惜しむ代表だった。TBTがPre(プレ)Aラウンド投資決定を下すのは、難しくなかった」
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[H20ホスピタリティ] に投資したSparkLabs キム・ホミン代表
H20ホスピタリティCEOイ・ウンヒ/H20ホスピタリティ提供
「人を見て投資する」、投資家が本当に多く言う、この曖昧な言葉の真の意味は何だろうか?私たちに 「Take my money!」を叫ばせた創業者たちには、以下の共通点がある。
解決したい問題が明確
その分野について、豊富な経験を持っている
その問題を解決しようとする理由が明確である(よって当然情熱がある)
アクティブに自らで足を踏み入れ、顧客と直接コミュニケーションを取る
ここにもう一つ加えるとするなら、 この人と働きたいという気持ちにさせる人、だ。そしてその感情を引き出すのは創業者が持つ使命感と、これに推進力を与える 「闘志」だ。数千万円台の年俸、 全世界の誰もが知るようなしっかりした職場、 韓国での快適な暮らし - イ・ウンヒ代表が創業をして諦めたものだ。ピボットを通じてH2Oを創業し、日本へと渡る際には既に韓国で作っていた堅実なビジネスネットワークさえも捨て置き、新しい出発を敢行した。
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[LIVSMED] に投資したStonebridge Ventures チェ・ドンヨル パートナー
LIVSMED イ・ジョンジュ代表/LIVSMED提供
イ・ジョンジュ代表の天才性を、毎回新しく知って行っている。一つ目は完璧な特許マップにある。現在、社内にはChief IP Officerがおり、特許戦略、出願、登録などのすべてのIP業務を総括している。出願件数と登録特許数は200件を超えているが、最初に出会った時点では、特許出願数はわずか5件だった。ただし、出願1件当り請求項が200を超えるほど完璧にすべての機構をデザインし、請求項で構造を固めていた。壁一面が特許書類で埋まっている様子を見て、少なくとも特許満了までは技術流出やDead Copy(デッドコピー)製品が出てくるのは難しいだろうと確信できた。
2つ目の天才性は、Artisential(アーティセンシャル,LIVSMED(リブズメド)の腹腔鏡手術器具)1本には合計200個近い部品が組み込まれているのだが、その中で最も印象的な部品、マイクロベアリングについてである。多関節を実現するために数多くのワイヤが使用されており、これらのワイヤを望ましく駆動するためにはベアリングがカギとなる。しかし当時Artisentialに使用可能な商用化されたマイクロベアリングがない状態であり、イ代表はこのベアリングを自ら製造することになった。外輪径が3mm、内輪径が1mm、マイクロボールが0.5mm水準の部品をすべて外注会社を通して製作し、自動化設備を作ることによりこれを一つずつマイクロベアリングに組み立て、現在も使用している。KAISTで電気電子工学を専攻した彼がこのような機械設計的な専門性まで備えているのを見て、その天才性に今一度感心することとなった。
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[Kiwi Studio] に投資したsopoong Ventures チェ・ギョンヒ パートナー
Kiwi Studioのメンバー達。一番左がパク・チョンミョン創業家/Kiwi Studio提供
Kiwi Studioチームに出会ったのは、とても寒い冬に行われた慶熙大(キョンヒ大)キャンパスタウンのデモデー発表でだった。創業者のパク・チョンミョン代表は、多数のスタートアップで開発者として働いた経歴があり、自分の子供の絵が何百枚も溜まっていくことを管理するのに困難を感じて創業したと発表した。1人の子供が1年間で描く絵は平均500枚。ほとんどの親は、最初に子供が描いた絵はとても不思議で大切なものだと感じるが、2年で1,000枚も絵が溜まれば保管するのが難しくなるということから創業アイデアを得た。パク代表はこのポイントをつかんで「子どもの絵保管サービス」をアイテムとして定めた。
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[s.lab asia] に投資したTBTハン・ソユン チーム長
イ・スアs.lab代表/TBT
それまで書類と資料を通じて会っていたs.lab(エスラボ)との初対面はそれほど印象深いものではなかった。システムを再び作り直さなければならない部分が多く見られ、売上は投資以降、むしろ減少し、資金は不足していた。この時までは、私の役割の本質は実査であり、実査自体だけで見れば、私の厳格な基準上、経営管理部分の不足から事業と管理のバランスが不足していると判断したため、後続投資を躊躇し、イ・ラム代表に、この現状を報告した。
シリーズAを終えて、幾らも経たないうちに、コロナが世界に広がり始めた。東南アジアベンダーを確保し、東南アジアへのコールドチェーン物流に事業を集中させる段階としては、大きな悪材料だった。空路が塞がれ、輸出も難しくなり、物流大乱が起きて落ち着く兆しが見られなかった。到底海外には行けない状況になるとイ・スア代表は相談をしたいと言ってきた。コロナ禍が落ち着くまで韓国国内に目を向けることができる事業を構想すると言い、GreenieBox(グリニボックス)を多様化して食材だけでなくワクチンのような医薬品まで運ぶことができるGreenieブランドを作ると語った。最初の投資を決定する際、s.labの主事業は流通業であり、戦略的にピボットしたのがコールドチェーン特化物流会社だったが、ここでもう一度世の中のすべての物を入れて運ぶことができるコールドチェーンボックスを作り出す会社に進化した。
s.labが運が良かったのだという人もいる。もちろん運も良かった。しかし、最悪の悪条件の中で、市場を見て、持っている資源を最大化し、新しい未来を描き、生き残ることができるのは運ではない。投資家として創業者の絶え間ない事業の変化に疑問がないといえば嘘になるだろうが、イ・スア代表の市場を見る目と速い決断力は厳しいスタートアップシーンでs.labが生き残れる理由であり、本人の意思決定をなんとしても実現させる実行力には投資家として、今では漠然とした期待感まで感じる。
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[Nautilus] に投資したFuturePlay リュ・ジュンヒ代表
Nautilusイ・ソンヨプ代表/FuturePlay提供
私の目には「海底2万里」そして「神秘の島」で活躍したその男の姿が見えた。ネモ船長。ソンオプさんはネモ船長になろうとしていた。こんな人が漫画は特に好きではないと嘘をついたんだ。知らず知らずのうちに高笑いが出た。後に一杯やりながら聞いた話だが、漫画はすごく好きだったが、自分レベルの漫画好きが「好きだ」と言えば、本当のオタクに申し訳ない気がして、そう言っていたらしい。ほら、君みたいな人が本当のオタクだよ!
通常、ある事業で一事を成し、exitをすれば他の事業をするようになる。ほとんどの連鎖創業者(何度も創業を行う創業者)がそうだった。私を含め。しかし、イ・ソンオプ代表は再びウェブトゥーンに戻り、教育をウェブトゥーンで行う「オンライン教育漫画」市場を新たに開こうとしている。私にはこの勇気があまりにもカッコよく感じられる。
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[Spacewavy] に投資したBluepoint Partners(ブルーポイントパートナーズ) キム・ジュンヒョク首席審査役
Spacewavyホン・ユンテク代表
韓国で不動産は資産増加の手段として利用されてきており、空間自体が持つ価値よりも不動産的換金性価値だけが注目されたまま評価されていたが、 ホン代表は空間が持つ価値そのものに注目しており、空間に新たな価値を付与し、私たちの生活にもう少しゆとりが生まれ、豊かになることを願っている。線路沿いの土地にもレタスや玉ねぎがすくすくと育ち、 その中で土を付けながら駆けまわる子どもたちがいて、 さわやかな秋、赤い夕焼けの下で小説を読むことができる、 クラインガルテンの余裕がそこにあった。私はSpacewavy(スペースウェイビー)担当審査役となり、SpacewavyとBluepointが一緒につくる未来について話し合い、2021年が終わる前に、BluepointはSpacewavyに10億ウォン(約1億円)のシードマネーを投資した。
先月基準でSpacewavyは50個近いWavyroomを製造、販売し、 現在契約されている待機モジュール件数も100軒を超える。創業2年目で売り上げ100億ウォン(約10億4000万円)を軽々と超えている。急速に増える注文件数に応じて、生産施設を1000平方メートル規模で2倍に拡張し、現在、40以上のモジュールを同時に製作できる能力を備えている。しかしこれでも世の中を変えるにはまだ足りない、というのがホン代表の心情だ。生産性と品質を高めるために自動設計およびロボット製造システムの導入を準備中であり、 今後は3日に1軒ずつWavyroomを製作できる環境を作りあげることが目標である。建築家とクライアント間のコミュニケーションと設計確定までの手続きの中で、これまで一週間以上の時間がかかっていた、クライアントが求める空間の設計を10分以内でできる自動設計システムを作る予定であり、これを通し、基本的なWavyroomのユニット、いくつかを組み合わせた大きな面積の住宅もどれだけでも建てることができる。
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[Donggubat(ドングバット)] に投資したsopoong Venturesハン・サンヨプ代表
Donggubatカックム石鹸/donggubat自社モールキャプチャ
投資当時、Donggubatは、障害のある人と障害のない人が共に行う、教育プログラムを運営する小さな会社だった。大学時代にサークルで始めたプロジェクトだった。少人数の大学生が集まった情熱的なチームだった。実のところ第一印象は「社会的価値はとても大きいが、会社として成長するのは難しいだろう」というものだった。それでも投資した。ノ・スンホ代表の意志を見たからである。もちろん、初投資である私としては、彼の意志のみを見て投資の判断を下すのは簡単ではなかった。彼は私を説得したのだ。韓国で唯一、増加している障害である発達障害と発達障害者の労働問題を必ずビジネスで解決するピボットもするつもりだ、と。結局、ピボットを前提に投資を決定した。
ピボットの方向すら定まっていないまま、投資した。投資後、約1か月間調査して市場を把握した。発達障害のある人が繰り返し行うことのできる業務であると同時に、市場性も明るくなければならなかった。そんなものが世の中に存在するのだろうか。ピボット決定の時間、候補はアクアポニックス(水耕栽培)と高級手作り石鹸事業の2つだった。
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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