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【そのとき投資】 Spacewavy、 モジュラー住宅が変える空間の未来

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【そのとき投資】 Spacewavy、 モジュラー住宅が変える空間の未来

 キム・ジュンヒョクBluepoint Partners(ブルーポイントパートナー)首席審査役

@そのとき投資(私はその時、投資することを決めました)では、現役の投資家がなぜこのスタートアップに投資したのかを共有します。

ドイツの西端にある小さな静かな村アーヘン(Aachen)に住んでいた私は、週末にはよく電車に乗り、隣のケルン(Köln)やデュッセルドルフ(Düsseldorf)の街を観光した。その時にはいつも線路沿いに並ぶ、小さな家のついた庭園が目に入って来たのだが、それはドイツ人が都心の中の小さな庭、と呼ぶクラインガルテン(Kleingarten)だった。

都心の中のアパートを抜け出して、 空を見ながら日差しを浴び、畑で青々とした野菜を作り、気持ちのいい昼寝も誘う小さな庭、クラインガルテンは仕事と学業を並行する忙しい日々を過ごしていた私が、心から望んだ日々の余裕と自然に優しい生活が溶けだす場所だった。 「いつか必ずクラインガルテンを作らねば」と誓っていた私は、 韓国に渡り、スタートアップを発掘し、投資、 支援するBlueprintのアクセラレータとなった。

Spacewavy(スペースウェイビー)というモジュラーハウス製造スタートアップを知り、最初に思ったのが、韓国でもクラインガルテンを作ることができそうだ、だった。モジュラーハウスとは、工場でスチールや木材などの材料で骨組を立て、 断熱および内外部の仕上げ、 衛生設備等まで80%以上の製作を完了した後、 現場に運搬して組み立て・設置・完成する住宅をいう。

モジュラー建築方式は生産環境が制御された工場で行われるため、気象や気候など外部環境の影響を受けず、 同一の副資材の使用、 品質管理など標準化された製造が可能である点が大きな長所である。テスラの創業者イーロンマスクが昨年、自身が住む5400万ウォン(約560万円)相当のモジュラーハウス 「BOXSALE(ボクサブル)」を公開して話題となり、 アメリカをはじめとする全世界の市場においてモジュラーハウスへの大衆の需要が大幅に増えた。

ヨーロッパやアメリカ、 日本などでは、建設の人材不足と人件費の上昇により数十年前からモジュラー建築が建設市場の大きな軸を担っている。北欧でのモジュラーハウスの建築比率は50%に迫り、 日本とドイツでもやはり20%に達するほど、モジュラー建築は新しい建設方式として注目されている。韓国でも同様の問題が現れているため、今後モジュラー建築方式の住宅市場が大きく成長すると予想されている。 

 



 韓国国内でモジュラーハウスを製造する企業は多くあるが、 内外部デザインと空間設計という点において、建築を専攻していた私の目にもSpacewavyは断然際立っていた。ホン・ユンテク代表はニューヨーク・プラット・インスティチュートで建築を専攻後、 韓国内のシェアオフィスで空間構築業務を担当していた建築家であり、 チームメンバーもまた、代表と同門であったり、同じ職場で膝を交えていた、若くてエネルギーあふれる人々である。彼らのエネルギーが丸ごと反映されたモジュラーハウス 「Wavyroom(ウェイビールーム)」は、クラインガルテンを作らねばという私の意志を燃えあがらせるほどに、欲しくなる製品だった。

Spacewavyは昨年開催された第10回チョン・ジュヨン創業競技大会で優秀賞を受賞した。大会期間中Bluepointのイ・ヨングァン代表がSpacewavyのメンタリングを引き受けた縁で私もメンタリングチームに合流し、ホン・ユンテク代表と会うことになった。

ホン代表は一言で言って、野心満々だった。私が庭を作る小さな土地と小さな小屋のためにSpacewavyを見つめたとするなら、ホン・ユンテク代表はその向こうを見つめて走っていた。Spacewavyが初披露したモジュラーハウス 「Wavyroom」をはじめ、折りたたみ可能な家 「Wavyhome」、 自動車と接続して道路を走行できる移動型の家 「Wabvride(ウェイビーライド)」、 モジュラーハウスで作ったホテル 「Wavyyard(ウェイビーヤード)」 などについて話を交わした。モジュラー方式で建てられる空間が、全体市場で3%にも及ばない韓国国内の状況においても、積極的に市場を開拓しようとするホン代表の意志は確固としていた。

 

ホン・ユンテクSpacewavy代表


 韓国で不動産は資産増加の手段として利用されてきており、空間自体が持つ価値よりも不動産的換金性価値だけが注目されたまま評価されていたが、 ホン代表は空間が持つ価値そのものに注目しており、空間に新たな価値を付与し、私たちの生活にもう少しゆとりが生まれ、豊かになることを願っている。

線路沿いの土地にもレタスや玉ねぎがすくすくと育ち、 その中で土を付けながら駆けまわる子どもたちがいて、 さわやかな秋、赤い夕焼けの下で小説を読むことができる、 クラインガルテンの余裕がそこにあった。私はSpacewavy担当審査役となり、SpacewavyとBluepointが一緒につくる未来について話し合い、2021年が終わる前に、BluepointはSpacewavyに10億ウォン(約1億円)のシードマネーを投資した。

先月基準でSpacewavyは50個近いWavyroomを製造、販売し、 現在契約されている待機モジュール件数も100軒を超える。創業2年目で売り上げ100億ウォン(約10億4000万円)を軽々と超えている。急速に増える注文件数に応じて、生産施設を1000平方メートル規模で2倍に拡張し、現在、40以上のモジュールを同時に製作できる能力を備えている。しかしこれでも世の中を変えるにはまだ足りない、というのがホン代表の心情だ。

生産性と品質を高めるために自動設計およびロボット製造システムの導入を準備中であり、 今後は3日に1軒ずつWavyroomを製作できる環境を作りあげることが目標である。建築家とクライアント間のコミュニケーションと設計確定までの手続きの中で、これまで一週間以上の時間がかかっていた、クライアントが求める空間の設計を10分以内でできる自動設計システムを作る予定であり、これを通し、基本的なWavyroomのユニットいくつかを組み合わせた大きな面積の住宅もどれだけでも建てることができる。 

韓国内における研究の結果、 モジュラー建築方式は既存の鉄筋コンクリート建築方式より炭素排出量が20%近く少なく、 資源消費部分もやはり25%以上削減が可能であることが示され、環境にやさしい建築方式という認識が広がっている。Spacewavyは、このようなモジュラー建築市場の先頭で空間が持つ本質的価値、 土地が持つ本来の価値を広め、顧客に新しい価値を提供する企業になることが期待される。私とBluepointは、Spacewavyのように世界を変えるイノベーターたちの純粋な理念が尊重される社会になるよう、 また彼らの努力がイノベーションのスタート地点になるよう、 彼らが歩む長い旅路に、隣から喜んで力を貸すだろう。 



/media/ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)
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