【TimeTree】4000万人のユーザーを誇り、日本の国民的アプリだが「これからが始まりだ」というパク・チャジン共同創業者
【TimeTree】4000万人のユーザーを誇り、日本の国民的アプリだが「これからが始まりだ」というパク・チャジン共同創業者
ちょい事情通の記者 第1号ソン・ホチョル
正解は、TimeTreeのパク・チャジン<下写真>共同創業家です。似ていますか? TimeTreeは「第2のLINE」候補です。ユーザー数(ユニークユーザーベース)は約4,000万人です。約半数が日本人と推定されています。日本の30代、40代の夫婦のほとんどが利用していると言っても過言ではありません。大ヒットでしょうか?いいえ。4000万人でも、まだ悪戦苦闘中です。「万年第2のLINE候補」と呼ぶ人もいます。パク・チャジンとのインタビューで、TimeTreeというビジネスモデルを徹底的に掘り下げました。第2のLINE、その夢が掴めるのか、その判断は読者の役割です。パク代表はKakaoの初期のメンバーです。
パク・チャジン代表が日本に来たのは1999年、今年で23年目になります。「フロド」の話をします。
「2011年3月、東日本大震災を経験して考えが変わり、私は『いつ死んでもおかしくない国に住んでいるんだ』と思うようになりました。その頃、キム・ボムス会長と話す中で、ディレクションをとって(Kakaoの)日本法人を作ろうという話を始めました。当時Kakaoにもお金がありませんでした。Kakaoも初期の頃はかなり大変で、(日本の)法人化が1ヶ月か2ヶ月延期されている間にLINEがパッとでてきたんです。
LINEが出た瞬間に「あ、だめだ。早く法人を作らなくては。」と思いました。法人を作らないと、採用ができないのです。だから私は自分のお金で作りました。5万円で、1株発行し、KakaoJapanを作り、その後にKakaoで買収しました。法人住所ができ、従業員ができ、月給を出すときになると、費用として出して2、3ヶ月後に法人に転換しました。
「frodo(フロド)は当時の私の名前です。あのロード・オブ・ザ・リングのフロドです。Kakaoに入社してすぐキム・ボムス会長に英語の名前を使わなければいけない、と言われたので『じゃあ私はロード・オブ・ザ・リングが好きだからフロドにしよう』、こんな感じでした。Kakaoのキャラクターを作る際、チョ·ハンスという、後にKakaoフレンズの代表を務め、今はもう辞めているのですが、その人がキャラクターを主導しながら『兄さんの名前を使います』と言ったんです。」
2時間のインタビューで、個人的なテーマはこれがすべてでした。東京・新宿のオフィスの真ん中に座るなり、彼が最初に言った言葉は『見せながら話すのが良いですよね』でした。30ページあるパワーポイントを表示し、TimeTreeの夢と戦略で埋めつくします。『どこに住んでいるの?』とか『ああ、あなたは○○出身なんですね』などの、プライベートな会話は全くありませんでした。直進、そして、直進。無邪気に見えるが、心の中にはあらゆる単語が詰まって爆発する、魅力的なフロドです」
「Jカーブを描きたいのですが、まだ右上がり傾向のグラフです」
TimeTreeはスマートフォンカレンダーです。「日程を記入するGoogleカレンダーのようなアプリです。たとえば、2 ~4 人のユーザーが同じカレンダーを登録すると、自分のスケジュールが他の人にリアルタイムで表示されます。日本では、国民的アプリです。日本の夫婦は、ほとんどが、TimeTreeを使っています。夫婦でそれぞれのスケジュールと子供の面倒を同じカレンダーに書いておくのです。創業も、日本で韓国と日本の人材が共に行いました。
-私もTimeTreeを使っています。ジャーナリストは取材チームの取材陣と、昼食や夕食の約束をすることが多いんですが、スケジュールを合わせるのが大変なんです。TimeTreeでは後輩が、私のスケジュールを全て見ているので、他の取材陣と話したり、その場で私を含むランチの予約などもしやすいのです。私の休みの日を避けて予約してくれます。反対に、私も同じことをしますし。
「TimeTreeは基本的にスケジュールをシェアするサービスです。職場では、カレンダーの共有は基本的に行われています。家族や恋人たちにもかなりスケジュールをシェアする必要があります。ですが、無防備な状態でした。やっているのはGoogleだけですが、実のところ少しリテラシー(literacy,読解力)がなければ、使うのが難しいんです。私たちが作ろう、となって作ったのがTimeTreeです。約7年半が経ち4,000万人程に達しました。下の図を見てください。図の下の濃い緑は日本です。傾きが少し違いますよね。現在、海外からの流入が多いです。全体でいうと、ユーザーは日本と海外が半々ですね。アクティブユーザーでは、6(日本)対4です」
「コロナの時は、本当に死にそうでした。コロナ前夜といってもいいのですが、2020年3月に一度ピークを迎え、その後アクティブユーザー(MAU、DAU)が停滞しました。減少しましたね。約束をしないので、使うことが少なくなりました。TimeTreeにはもともと家族やカップルが多いのですが、子どもたちも学校や塾に行かないんです。シェアすべきスケジュールがないため、開くこともなくなり、そうなるうちにアクティブユーザーがぐんと減少しました。それ以来2年間どうにかやってきましたが、減少をうまく止めることはできませんでした。2021年の5月~6月まで苦戦したのですが、そのころ以前のピーク値を突破しました。今では以前と同じ成長曲線になっています」
-TimeTreeは第2のLINEになると期待されています。成長率はどのくらいでしょうか?
「この成長グラフには少し不満があります。右肩上がり傾向ではあるのですが、かっこいいJカーブにできないかと考えています。半分は海外のユーザーだといいましたが、その中ではアメリカが一番多いです。その後にドイツ、台湾が続いています。そして韓国、次にイギリス。海外ユーザーは国ごとに1度跳ね上がる時期があります。昨年はアメリカとイギリスで1度跳ね、今年は北欧のノルウェーとスウェーデンでした。何もしていないのに(App Storeのダウンロード)1位になり続けました。調べてみると、TikTok Viralがありました。あるユーザーがTikTokをする中で、自分のスケジュールをTimeTreeで公開したんです。それが流行しました。北欧のTikTokで初めて投稿した人を探してインターンとして採用しました」
-ノルウェーとスウェーデンでタイムツリーが使用されているんですか?
「最近、海外では10代の女の子が急増しています。夏休みには10代も大忙しです。自分の予定も多いため、友人の予定とお互いに入力しておきます。友人数人で一緒に遊ぶ時間を作るために、スケジュールシェアを行っています。こんな風に、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどの10代に広まりました。ノルウェーとスウェーデンもです。まだ(組織内に)人員もおらず、お金もなく、大きな反応もできずに、ただ見ているだけです。一度調べてみました。(TimeTreeユーザー数が多い地域を表示したアメリカの地図を見せながら) 濃い色のエリアが最も利用がアクティブなエリアです。
特徴を挙げてみると、学生が多くいました。友人同士での利用シェアが高く、コミュニケーションも多い、このようなことが共通点です。もともと、TimeTreeは家族やカップルの使用がメインで多かったんです。友達間での使用はこれまでなかった、TimeTreeの新たな使い方でもあります。家族間でのシェアを便利にしたのがTimeTreeですが、友人同士がお互いに共有しながら、自身のスケジュールが多いということを何気に自慢したり、また別の特徴として内外の会話ニーズが生まれたのです」
TimeTreeでは韓国よりも、海外でのほうがはるかに有名なスタートアップです。日本では、国民的なアプリであり、海外でもユーザー数が飛躍的に増加しています。写真はティム・クックApple CEOがTimeTreeを訪れた時の様子/TimeTree提供
夫婦や親密な恋人の間でスケジュールをシェア…チャット機能を追加し、メッセンジャー領域に進出
- 現状をレビューしてください。
「TimeTree全体を見ると、家族やカップルの使用が80%を占めています。しかし、使用方法は徐々に広がっています。保護者も社会生活をしていることから、お子さんが子どもサッカークラブをやるとなれば、コーチたちと保護者の間でのスケジュールシェアも起きますし、その次は学生間のグループでも使います。趣味を行う際にも共有用に使います。
強みとして、TimeTreeは基本的に他者と使うものなので、ある人が使い始めたら誰かを招待するということがあります。新規ユーザー数が増えると、0.5名がついて来るんです。アクティブも同様です。誰かがスケジュールを組むと、自分も見なければならないため、アクティビティも増えます。リテンションもかなり高いです。KakaoTalkの、電話番号を登録するとパッと入ってくる方法ではないですが、着実に成長する構造です。
(KakaoTalkのように)爆発的ではありません。カレンダーを変えたり乗り換えたりすることは、実のところ簡単な決定ではありません。今でも、TimeTreeはややセカンドカレンダーのように感じています。TimeTreeは家族のスケジュールをシェアすることがメインで、仕事の業務用カレンダーにはGoogleが使われています。会社員は特に」
「ユーザーは共働きや未就学児がいる家庭、新婚夫婦がメイン層です。朝食とランチとディナーのスケジュールを確認し、毎日開くサービスという雰囲気も大きいです。ユーザー分析では、アクティブユーザーの80%が少なくとも、1日2回以上は開いています。ユーザー比は男女半々です。ユーザーは家族と多くの時間を使い、共働き、子どもがいる世代、収入が少し高めの層が多いです。平均的な家計の収入より、共働きが多いため、そうなっているようです。
アンケートを見ると、TimeTreeのユーザーは比較的豊かな生活を送っている家庭であり、スケジュールを細かく管理するレベルなため、生活が充実していて、勤勉です。家具やインテリアにお金をたくさん使い、子供の教育にとても熱心で、自己投資に積極的だというデータ分析が出ています。TimeTree黎明期には、20代、30代の既婚の人が主に使っていましたが、最近は拡大しているように感じます。将来的には20代~40代すべてで1位になりたいです」
- カレンダーアプリのTimeTreeは、9月にチャット機能を開始しました。
「スケジュールのシェアや管理の際に、十分に活用されていると思います。アップグレードしたいのです。大きなチャンスがあると思っています。TimeTreeを使う前に使われていたアプリとしてLINEがあります。LINEからTimeTreeに行き、またLINEに戻ります。そしてまたTimeTreeに来るのです。このパターンについてユーザーインタビューを行うと、LINEで話して、約束を決める際にはTimeTreeを開き、空いている日を確認し、LINEに戻って、それについて話してから、もう一度TimeTreeに戻ってスケジュールを書き留める、というものでした。
TimeTree内ですべてを行うのではない、というのがアップグレードポイントです。わざわざLINEと行き来しなければならないのです。誰もが「メッセンジャーはLINEがあればよく、わざわざ他のメッセンジャーが必要か?」という感じだったため、逃がしていたんです。実際、ユーザーはそのように使用しており、さらに、海外の若い人達の間ではそういったニーズが大きいです。韓国ではKakaoTalkとTimeTreeで似たようなパターンがあり、アメリカではWhatsAppがそういう方式です。ユーザーのインタビュー時にユーザーの画面を見ると、1つの画面にLINEで、隣にTimeTreeがあるというケースが多いです。
「ナンバーワンメッセンジャー(KakaoTalk、LINEなど)の全盛期は終わったと思います。」「日本の10代はLINEを使わない」
ー韓国のKakaoTalkや日本のLINEなど圧倒的な強豪がいますが、TimeTreeが入る隙はありますか?
「13年前にKakaoTalkを始める時、ありとあらゆる種類の話をされました。それでどうやって金を稼ぐのか、などです。しかし、長い年月をかけて、生活の多くの場所に入り込んできました。しかし、KakaoTalkやLINEだけでは、メッセンジャーのすべてのニーズを満たすことには限界があります。今ではメッセンジャーというツールで、会社のホームページにアクセスしたり、病院にアクセスして予約をしたり、官公庁にアクセスしたりすることができますが、チャットが最初に出てきます。
あらゆる場所にチャットと呼ばれるツールが地位を取っています。会社に行けばSlack、世界中でKakaoTalkがこんなに使われている状況でも、いろいろな場所にチャットがあります。商取引でもチャットしています。私たちが歴史から学んだのは、コミュニケーションの手段は人や目的に応じて変化したということです。多様な方式のコミュニケーション手段が登場しているのが現実でもあります。もちろん、ナンバーワンメッセンジャーは依然として影響力を持っていますが、勝者としての全盛期は終わり、拡大は終わったのです。ユーザー数の頂点(Max)まで拡張しきった。ユーザー数の拡張は終わったと思いますし、機能の追加、しきりに何かが付け足されています。メッセンジャーベースに何かビジネスを結びつけようとする傾向にあり、とにかくコミュニケーションに新しいゲームチェンジャーが必要な状況なのですが、まだ出てきていません。」
「日本だけを見ても、すでに10代から20代前半のメインメッセンジャーはLINEではないんです。メインメッセンジャーがInstagramに変わっています。ビジネスマンの間ではFacebookメッセンジャーが多く使われています。SNSはTwitterが最も多く利用されています。Twitterのダイレクトメッセージ(DM)が多用されている状況のため、私はLINEの全盛期はすでに3年前に終わったと思っています。
私が知っているイ・へジンとシン・ジュンホは解決する方法があるとなれば、一人で行います。絶対に誰かと一緒にはやりません。Naver(ネイバー)は全て単独で、子会社もすべて独自投資しながら引っ張ってきましたよね。それなのに(日本で)Yahooと提携すると発表したのを聞いたとき、拡張を諦めたんだな、サービス的な拡張は終えて、もうビジネス的な部分についてだけ残っているんだなと思いました。
(お金を)より稼げる道は連携を通じて十分に開いていけると考えているのでしょう。しかし、(イ・へジンとシン・ジュンホは)メッセンジャーとしての単独の進化を通じて新しいものを開いていくことは容易ではないと見ているのではないでしょうか」
「2011~2012年、日本のKakaoTalk VS LINEの対決において、KakaoTalkはすぐにあきらめました」切実なイ・へジン、全力投球して莫大な金額を投入…キム・ボムスの鬼のような勘「大勢は傾いた」
-LINEの全盛期は終わったんですか?
「TimeTreeには、メッセンジャーに攻略ポイントが多くあります。基本的に、LINEと競争するつもりはありません。LINEに勝てない部分があります。2013年にKakaoを去り、TimeTreeを共同創業したのですが、当時は『メッセンジャーは始まったばかりだし、メッセンジャーの次に何が来るのか、要所を守りたくても、かなり長い間潜らなければならないだろう。5年くらい』と考えていました。少なくとも5年は何かを作っていなければならない、そうしていれば次のチャンスが来るだろう、と思いました。次世代に備えるために。そう考えると、Kakaoを辞めるのは少し早いし、Kakao内で次の世代の話をしなければならないのに、ここで辞めるべきなのか悩みました」
@TimeTree創業者チームは、もともとKakaoJapanとYahooのコラボレーションから生まれた。日本のメッセンジャー市場を狙った連携だった。パク・チャジンはKakaoJapanでKakaoTalkを武器に、LINEと一戦を繰り広げる最前線にいた。しかし、Kakaoは日本市場を諦め、Yahooから来た人たちとKakaoJapanの社員が団結して新たな挑戦に乗り出したのがTimeTreeだ。
-TimeTree創業チームは、実のところKakaoTalk日本の進出チームですよね?LINEと正面対決をした?
「TimeTreeの創業チームについても話したいと思います。KakaoJapanは、世界に知られるよりもはるかに早く、(日本で)KakaoTalk事業を畳みました。KakaoTalkでLINEには勝てないと判断しました。思ったより早くやりました。日本へのメッセンジャー進出は、LINEと似たものと見なければなりません。KakaoTalkは日本語に対応していたので、LINEが出る前にも(日本で)KakaoTalkを使う人はいました。しかし、LINEは2011年以来ずっと上がっています。当時、Naverは、韓国はKakaoTalk、と見ていました。日本では、LINEで絶対に勝たなくてはならない、韓国の「Naver」サービス1つではダメだという思いが強かったです。
2011年の夏頃に本格的にLINEをリリースし、Amazonクーポンを10万枚配りました。そしてテレビCMをしました。当時、LINEの代表は日本の方で、反対したといいます。なぜこんな風にお金を使うのかと言って。しかし、当時のシン・ジュンホ本部長は推し進めました。当時、KakaoTalkはKakaoJapanをどうやって作っていくのが話し合っているところでした。お金がなく、確信がなかったんです。日本でメッセンジャーがうまくいくだろうか?しかしNaverは「これでなければ方法がない」、「メッセンジャー、韓国では負けたから」
余談ですが、当時、イ·ヘジン会長が、Naverはダメになりそうだと言って酒さえ飲めば泣いていました。突破口を開くことはできませんが、最も可能性の高いのは日本であり、LINEメッセンジャーが日本で反応し始めると、全力投球しました」
-シン・ジュンホ本部長、イ・へジンNaver創業者と一緒に当時日本でLINEを陣頭指揮していました。
「LINEが打って出るのを見て、Kakaoは内部で日本ではKakaoTalkをやらないことを決めました。3〜4ヶ月でです。(@2011年秋からLINEはす凄まじいマーケティングと加入者増加傾向を見せた)当時、KakaoはYahooと提携を結び、すでにKakaoJapanにはYahooから人が入ってきていました。その当時、キム・ボムス会長とかなり激しく討論していました。成人の日(2012年1月10日)で、かなり雪が降った日だったのですが、方向転換、LINEがこんなにもお金を使って上がっていっているのに、Kakaoも同じようにお金を使えるのか、と話しました。
Kakaoの判断は(日本では)すでに大勢が傾いている。キム・ボムス会長は、そうした部分で本当に鬼のような勘を持っています。こうした話です。韓国ではKakaoTalkが強く、後からNaverがKakaoTalkと全く同じサービスを推し進めたところで、うまくいかないだろう。けれど、すでに舞台が傾いているのなら、ひっくり返すことはできないだろう。そしてもう一つは日本でメッセンジャー市場でのナンバー2というのに意味があるのか、こういう討論までしましたが、結論はメッセンジャーは1位が支配するためナンバー2はない、というものでした。問題はKakaoJapanです。
KakaoTalkを作り、Yahooからもう人まで来ているのに。日本でKakaoTalkを諦めるという結論を下しながら、完全にカオスとなりました。結局、KakaoとYahooは『離婚』する選択をしました」
「月に20億件のトラフィックを活用して広告収入を稼ぐ」
@YahooからKakaoJapanに来ていた日本の人材たちが創業を決意し、パク・チャジン創業家もその船に共に乗りました。実は、韓国でのKakaoの勢いを考えると、もう少しいるほうが個人としては得だったのかもしれません。
-KakaoJapanを辞め、KakaoとYahoo出身の創業チームを作ったのですよね?スケジュールのシェアというアイテムはどのように掴んだのでしょうか?
「Kakaoを辞め、『スケジュール』に決めました。約束には相手がいるのに、なんで一人で管理するのだろう?という疑問からです。会社では当たり前ですが、家族や恋人はどうでしょうか?スケジュール管理はすごく面倒なのに?約束というのは一人では決められないのに?あれこれから離れて、日程共有というのはスマートフォンのトップ画面に来そうなサービスだ、そして毎日開いてみる価値のあるサービスだ。この道を掘ってみよう」
-7年半で4000万人、成功と言えるでしょうか?KakaoTalkやLINEほどの成功ではないとしても?
「モバイルには、10年ごとに1つずつ大きな変化の時が来ると言います。メッセンジャーの次はカレンダーというと少し不自然に感じます。小さく見えますよね。しかし、少なくともスケジューラーはこれまでも、他の役割を務めていました。もちろん、人と人とのコミュニケーションには、ただのメッセンジャーが一番でしょう。でも、人とモノがコミュニケーションをとる時には、スケジューラーがメインになるだろうと、よく考えるようになりました。
たとえば、私はメッセンジャーにチャットボットを入れたのですが、チャットボットがうまく機能しませんでした。最終的には、ARS用途でのみ使われています。なぜ機械と人との会話はメッセンジャーで機能せず、音声ARSレベルになってしまうのだろう?人と場所、人とモノがコミュニケーションする時、ツールは変わるのだと思います」
-チャットを開始したことでどのくらい変化するのでしょう?
「9月にTimeTreeでチャット機能を展開する予定です。TimeTreeがかなり変化します。無理せず、TimeTreeを現在を使用しているユーザーが、スケジュールを決めるときに、スケジュールをシェアしている相手とチャットできるようにする計画です。開く回数は現在平均2回程度ですアクティブユーザーの約80%が、1日2回だと先ほど話しましたが、チャットをするとなれば1日5回は開くのではないかと思います。
チャットが入った瞬間、滞留時間は長くなります。恋人たちはわざわざLINEで話すのではなく、TimeTreeで話します。結局のところ、スケジュールをシェアしている親密な関係であれば、LINEを開く必要なく、TimeTreeには接続される人が1人しかいないので、そのまま開いてチャットするだけです。
現在のTimeTreeの最初の画面を右にスライドさせると、チャット画面がすぐに表示されるようにする予定です。スケジュールをシェアしている人が3人なら、ただ3人のチャットルームとして固定されているという方式です。1人のユーザーが予定を作成して投稿すると、自動的にチャットに文章がアップされます。そうすると、誰かがスケジュールの変更などについて話すでしょう。家族、恋人、高校生のグループでチャットできるようにすることだけで、十分に拡張していけます」
「予測バトルでは、2ヶ月分の未来情報を確保したTimeTreeが検索やSNSより有利」
-TimeTreeは、検索やメッセンジャーに続いて、次世代となることできるでしょうか?
「TimeTreeは、ユーザーが登録するライフログです。個人が予定を登録すると、その予定はグループとシェアされます。個人のスケジュールがグループのスケジュールとグループの記録になるのがTimeTreeです。家族で見ると、結婚しているのか、子供がいるのか、息子なのか娘なのか、何歳なのか、学校に通っているのか、学校は試験期間なのか、休みなのか、すべてユーザーが登録する情報です。検索サービスは検索キーワードでユーザーの興味を予測でき、SNSはいいねを見て関心度を図り、結局は全て予測バトルです。
TimeTreeはスケジュールデータを収集するため、場所、時間、誰が何をしているのかに関する情報を持っています。検索サービスやSNSとはデータの品質に違いがあります。TimeTreeは、過去の情報を基本的なインプットとして見て、それで大体この時期に、またはこの年齢で、昨年は何をしたのかを含め、今年は、今は、何をするかを大体予測します。
また、スケジュールには約60日間の先の情報が登録されています。ユーザーは来週、来月に何をするかが登録されているのです。課題はこのようなユーザーにどのように関与するかです。強く関わってしまうと、ユーザーが怒るでしょうし、少しだけにしなければなりませんが、『少しだけ関わる』というトーンやマナーがまだ把握できていません。自分のスケジュール帳に何か広告を入れると怒るかもしれません。例えば、『今日の運勢』は大丈夫だろうと思って入れましたが、あまり見られませんでした。トーンやマナーを一生懸命学んでいます。
- すぐにお金を稼がなければなりませんよね。投資も受けなければなりませんし。
「現在、収益モデルは広告です。TimeTreeの画面に広告がついています。TimeTreeそのものの広告とネットワーク広告がついています。ネットワーク広告は、Googleが行っているため、(TimeTree情報を使用して)ターゲティングは行われません。TimeTreeによって生成されるトラフィックは約17億です。このうち、広告のトラフィックは5月までで約3億500万であり、6月には(広告エリアの追加により)9億件に増加し、7月には約10億に増加しました。9月にチャット機能が登場すれば、約2.5倍増加すると予想してます。20億を超えるのではないでしょうか」
「TimeTreeだからこそ可能な、TimeTreeらしい、ターゲティングされた広告を準備しています。アメリカのモルコラというスタートアップと共にソリューションを作りました。例えば沖縄です。沖縄は再訪率が非常に高い観光地です。5年以内に、沖縄という予定の情報や、沖縄という場所での予定を入力したユーザーに、沖縄旅行商品を表示することができます。これは、沖縄のホテルを予約した、沖縄へのフライトを予約した、または沖縄で位置情報が確認された、沖縄にある店を予約したなど、すべての沖縄に行ったことがあるという情報につきです。
これまで広告もTimeTreeらしくやりたいと悩んできました。試行錯誤も多かったです。お金を稼ぐことができず、ここまできました。スケジュール情報にコマース製品を直接つける試みも行いました。ヨガのスケジュールにヨガ製品を出すという方式です。キャンプの予定があれば、キャンプ商品をつけられます。もちろん、20代の女性だけをターゲットにしたい場合には、それも可能です」
「まだ実装されていないアイデアがたくさんあります。学生たちが授業の途中で2時間空いているのだけど、その時間でできるアルバイトがないだろうか、または今週末だけできるものがないだろうか、と思った際に、そんなアルバイトを空いた時間を繋ぐのです。レコメンドサービスも悩みました。週末の〇時ごろに、家族が一緒に行くことができるイベントであればおすすめする、あるいは空き時間を先に把握しおすすめすることもできるのです」
-スケジュールシェア市場を席巻したTimeTree、次の拡大はどうでしょう?
「TimeTreeが持っているポイントは、「つながり」という概念です。TimeTreeは、人と場所、人とサービス、そして時間をつなぐ役割を務めます。例えば、東京に住んでいる人は、東京ドームのスケジュールを知りたいと思いますよね。東京ドームのスケジュールを、必要とする人が使えるようにすれば有用でしょう。
また、Timetreeは現実世界でスケジュールをシェアしているため、これまではオフラインのスケジュールがメインでした。新型コロナウイルスを経験する中で、TimeTreeにオンラインスケジュールも登録され始めました。今の姿です。現在のTimeTreeはアプリでは十分に使用でき、PCでも使え、ブラウザでの使用も可能です。
結局のところ、若い世代は仮想空間でも時間を過ごしているのです。それならば、仮想空間でスケジュールをシェアするべきではないかということをTimeTreeでも考えています。仮想と現実は完全に別の世界であるため、その2つの間でどのようにスケジュールをシェアすればいいだろうか?そうした方面にもチャンスがあると思います」
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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