韓国スタートアップ資金調達動向まとめ:2022年5月|月間スタートアップレシピ
この記事は、韓国のスタートアップメディア「startuprecipe(스타트업 레시피)」が発行する「月間スタートアップレシピ(월간 스타트업 레시피)」の情報をもとに、資金調達状況や動向を掲載し、企業情報を紹介しています。
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2022年5月:韓国スタートアップ企業投資概要
投資金が初の前年同月比減 3月以降、1兆ウォン下回る
5月は資金調達金が9,134億5,000万ウォン(約961億7,600万円)、投資件数が134件だった。注目すべきは、前年同月比で初めて投資金が減少したという点だ。今年に入って資金調達の実績は足踏み状態だったものの、昨年同月との比較では常に投資金は増加してきた。しかし、5月は2021年同月比48%の下落となった。昨年5月から月1兆ウォン(約1,052億8,800万円)の投資が続いたが、今年3月以降は、資金調達金が1兆ウォンを超えていない。
資金確保トップはBUCKET PLACE、プロップテックに勢い
5月に最も多くの資金を確保したのは、「今日の家」を運営するプロップテックのBUCKET PLACE(バケットプレイス)だ。昨年ユニコーンに上り詰めることに成功し、2,300億ウォン(約242億円)の資金調達のニュースを伝えた。企業価値は2兆ウォン(約2,105億2,200万円)と評価された。続いてゲーム開発会社のHAEGIN(ヘギン)と新薬開発会社のAMYLOID SOLUTION(アミロイドソリューション)がそれぞれ500億ウォン(約52億6,400万円)、450億ウォン(約47億3,700万円)調達した。分野別では大規模資金を調達したBUCKET PLACEの影響で、プロップテックに最も多い資金が集まった。また、バイオ・ヘルスケア分野でも投資金が増加した。
1,000億ウォン以上の資金を調達したスタートアップは1社にとどまる
プレシードからシリーズA段階が全体投資の58%を占めるほど初期投資は活発な状況だが、500~1,000億ウォン(約52億6,400万~105億2,900万円)以上の資金を調達する企業数は減っており、1,000億ウォン以上の資金調達に成功したスタートアップは1社しかなかった。最も活発に動いた投資会社はスタートアップの育成に積極的なKDB産業銀行で、6社に投資した。グローバル投資会社ではBRVキャピタルマネジメントとジェットベンチャーキャピタルがそれぞれ2社のスタートアップに投資した。
買収合併は10件
買収合併は10件だった。同種のスタートアップを買収した事例が大多数を占めた。また、ミールキット(材料とレシピがセットになった料理キット)製造メーカーのMYCHEF(マイシェフ)が大韓航空C&Dに買収され、ファッションプラットフォームBRANDI(ブランディ)は、設立以来初めて500億ウォン(約52億6,400万円)規模の買収を進め、同種のファッションプラットフォームであるD-UNIT(ディー・ユニット)を吸収した。
分野別投資分析
- 業種分野別の投資額トップは不動産・プロップテック
- コンシューマーテックも活況
- バイオ・ヘルスケア分野ではIPO準備中の新薬開発企業が資金調達に成功
プロップテックのBUCKET PLACE(バケットプレイス)が2,300億ウォン(約242億3,300万円)の大規模資金を調達したほか、インテリアのリモデルサービスを手がけるApartmentary(アパートメンタリー)が300億ウォン(約31億6,000万円)の投資に成功。不動産・プロップテックが業種分野別の投資額でトップとなった。
コンシューマーテックはフードテック、Eコマース、ペットなど、主要ライフスタイル分野のスタートアップが投資に成功し、業種分野別の投資額で2位となった。今年に入って大きな投資が見られなかったバイオ・ヘルスケア分野では、IPO(新規上場)を準備している新薬開発分野の企業が資金調達に成功した。
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