Opensurvey  代表ファン・ヒヨン

浦項工科大学大学院 化学工学科卒業後、McKinsey&Company、Monitor Group、韓国ピザハットなどでデータ専門家として活躍。消費者インサイト導出から戦略樹立および実行まで多様な企業のデータ基盤で意思決定をけん引した。

Opensurveyでは、データが企業の成長エンジンとなるよう、専門家の技術とノウハウをプロダクトに組み込み、データを活用する文化を広めながら、新しいデータの未来を創造している。


貴社はどんな会社ですか?
貴社の主なサービスについて説明してください。

Opensurvey(オープンサーベイ)は、消費者データプラットフォームを運営する企業です。企業がデータに基づいて迅速かつ正確な意思決定を行うことを支援し、データ収集やAIによる分析を通じ、利用者の傾向や課題の把握まで可能な統合プラットフォームを提供します。

弊社が2023年12月に発売した「Dataspace(データスペース)」は、リサーチと顧客体験分析に特化したB2B向けSaaSです。
2012年からリサーチプラットフォームを提供してきた弊社の経験を活かし、市場全体のパネルリサーチから顧客データの収集・分析まで、企業のデータ活用を支援しています。

実際に、Dataspaceをご利用いただいた、韓国の大手生活家電レンタル企業では、データ導入により分析・決定プロセスを2ヶ月から5日に短縮し、競争優位性の確保や、市場対応力の強化に繋がりました。

さらに、情報セキュリティに関するISMS-P認証をリサーチ業界で初めて取得するなど、データの安全管理も徹底しています。それにより、企業のデータ資産化を促進するとともに、部署内外でのスムーズなデータ共有を支援し、社内コミュニケーションの効率化にも貢献しています。

日本市場における貴社の強みは何ですか?

現在、日本ではデジタル庁だけでなく企業もDX(デジタルトランスフォーメーション)関連投資を拡大しており、日本を訪問するたびにDX化の進行と、その注目度の高まりを感じます。このような日本市場でリサーチと経験分析プラットフォームのDataspaceが持つ強みは様々です。

1つ目はAIベースの顧客体験管理です。

Dataspaceは、Voice of Customer(VoC)を効率的に収集・分析でき、消費者リサーチや顧客体験分析に必要な時間とリソースを削減します。また、外部機関への依存を減らすことでコスト削減にもつながります。

2つ目は意思決定の加速です。

企業の技術導入が進む中で、競争優位性の確保には顧客体験の細かな分析と改善が重要です。Dataspaceは、リアルタイムでデータを収集・分析し、迅速な意思決定をサポートします。

3つ目はユーザーフレンドリーな設計です。

Dataspaceは、直感的なダッシュボードとユーザーフレンドリーな分析機能を提供し、データの専門家でなくても簡単にデータを活用できます。

Dataspace画面イメージ

4つ目はデータ活用の最大化とデータの資産化です。

Dataspaceは信頼性を重視する日本企業に応えるため、アンケート設計およびデータ収集の過程でデータの正確性を高める機能を提供しています。さらに、AIを活用してこれらの機能を発展させ、データの資産化を支援することで、企業内でのデータの価値向上を促進します。

弊社は2012年に韓国で初めてモバイルリサーチを導入し、リサーチ業界のデジタル化を牽引してきました。さらに、さまざまな産業で企業の消費者理解を支援し、ユニコーンスタートアップなどと協力しながら、製造・流通業界のDXも進め、企業がより深く顧客を理解できる環境を整えてきました。

この経験を基に、技術を駆使して開発してきたDataspaceは、職人精神が根付く日本市場でも大いに活用していただけると考えています。

日本市場をどうお考えですか?
また、韓国市場との違いはありますか?

日本市場は、もともと顧客満足の基準が高く、企業もそれを重要視しています。また、DXの進展や競争の激化に伴い、単なる満足度向上だけでなく、データを活用した細やかな顧客理解やリアルタイム分析の必要性がさらに高まっています。

他にも、日本市場は内需が大きく、消費者トレンドの変化が企業に与える影響も非常に大きいと感じています。競争が激しい中で、既存の顧客を維持するには、継続的に意見を収集し、分析することが欠かせません。

さらに、世代や地域ごとに消費パターンが異なるため、データを積み重ねることが重要になります。実際に、多くのグローバルブランドも、日本独自の消費トレンドを理解するためにデータ活用を強化しています。こうした背景から、日本市場におけるリサーチや顧客体験分析の可能性は大きいと期待しています。

韓国と比較すると日本には中堅企業が多いですが、最近はそうした企業からのニーズも高まっていると感じています。実際に、中堅企業にとっては、オンプレミスの構築やデータアナリストの採用よりも、適切なSaaSを導入する方がコストや効率の面で合理的な選択肢になります。こうしたニーズに応えられると考え、日本市場への進出を決めました。

日本市場で提供するサービスについて、韓国でのサービスとの違いやローカライゼーション戦略はありますか?

Dataspaceは今年から本格的に日本市場向けのローカライズを進めています。韓国で構築したセキュリティシステムと同様に、日本のデータセキュリティ基準にも対応し、現地の技術サポートも充実させる予定です。

また、日本企業がより効率的にデータを活用できるよう、AIベースのリサーチプラットフォームとして最適化を進めています。すでに日本語版でも直感的なUX/UIを導入し、データ分析の経験がない方でも簡単に活用できるようになりました。

Dataspace日本語版 データ収集・分析画面イメージ

特に、分析機能はエクセルの代替となるほど高度でありながら、マウス操作だけで直感的に扱える点が強みです。リアルタイムのデータダッシュボードにより、データ収集開始直後から分析が可能で、AIが収集データを整理し、カスタマイズされたレポートを短時間で作成できます。さらに、テキストの感情分析やトピック抽出も自動で行えるため、手作業を減らし、業務効率を大幅に向上させることができます。

ローカライズも行いつつ、韓国でのサービス同様、使いやすさとスピード感を重視したサービスを提供していく計画です。

今後、日本市場で達成したい目標と貴社の今後のビジョンを教えてください。

弊社では今年から本格的にDataspaceの日本進出を進める計画です。昨年から定期的に日本を訪問し、年内の法人設立も視野に入れています。


日本のDX化の流れに沿い、現地企業が顧客やユーザーをデータとして理解し、リサーチプロセスを内製化できるよう支援し、最も信頼されるデータプラットフォームとして確立したいと考えています。

先ほどお話ししたように製品のローカライズは既に済んでいて、今は実際に日本の顧客と対話を始めた段階です。今後、企業の具体的なニーズを把握しながら、さらなる製品の改善を進めていきたいと考えています。

また、日本市場の深い理解と、より多くの企業とのマッチングの機会を生み出すための努力も続けていく計画です。

そして、企業が柔軟かつ安定的にデータを活用できるよう、日本市場のセキュリティ要件に対応し、API連携などのカスタマイズ対応を行いながら、成果を最大化していく予定です。

Opensurveyは、企業がデータを活用して新たな可能性を発見し、それを実現するお手伝いをしたいと考えています。迅速で正確なデータ収集・分析で企業がデータに基づく意思決定をすることを支援し、特にAIベースの分析機能を通じてデータ活用のアクセシビリティと効率を高めていくように継続的に製品を改善する計画です。日本市場でも、単にリサーチやプラットフォームサービスを提供することを超えて、企業がデータ基盤の意思決定文化を定着させるのを助けるパートナーになるよう努めていきます。


Opensurveyに関するニュースはこちら👀