株式会社TEUIDA チャン・ジウンCEO
カリフォルニア大学バークレー校で政治学を専攻。ネパール、カンボジアで、幼い学生たちの教育権を提供するためのNGOでのインターン経験を基に、全ての人たちが自分の環境にこだわらず、勉強ができるシステムを構築することをしようと思った。自身が米国留学の経験をもとにシリコンバレーのスタートアップ企業で働いてた際に、多様な機会を得られたことのように、より多くの人が学びたい外国語を環境や条件に関係なく、アプリサービスを通じて自由に勉強し、基本的なコミュニケーション能力を身につけることを最終的な目標としている。
-TEUIDAについて教えてください。
株式会社TEUIDAは2019年2月に設立し、誰もがいつでもどこでも外国語の会話能力を向上させることができる言語学習アプリ「TEUIDA」を提供しています。言語学習における場所や時間の制限をなくし、言語教育の不平等を解消することで、ユーザーに人生の新しい機会を提供することを目指し、特に会話に特化した外国語学習サービスを提供しています。これまで、主に英語圏向けに、韓国語と日本語の学習サービスを提供してきました。
近年、外国語学習に対するニーズは非常に高まっていますが、外国語能力を向上させるためには時間と費用が必要ですよね。そのため一部の人だけが外国語能力を身につけ、学校や職場などで新しいチャンスを得ているという現状があると思います。そこで、人生の可能性を広げることができる外国語学習の機会をより多くの人に提供したいと考えていました。
そして、2018年にK-POPブームが起こり、韓国語学習の需要が高まりました。しかし、当時、韓国語の先生が不足しており、多くの韓国語学習者が困っているという記事を目にしました。そこで「モバイルアプリやウェブサイトを通じて韓国語の会話練習ができるサービスを作ってみよう」と考え、会話学習アプリ「TEUIDA」を作りました。
-TEUIDAの強みや特徴を教えてください。
TEUIDAの特徴は、会話に特化したコンテンツを提供していることです。従来の語学サービスとは異なり、画面の中にいるネイティブの先生とのリアルな会話形式で学習を進める方法を採用しています。ネイティブの先生と実際に会話をし、その中で発音の評価も行います。そのため、TEUIDAでは単なる言語学習を超えて、実際に話せるようになるサービスを提供していることが強みです。
また、これまで言語学習の中でも会話練習の場合は、チューターとマッチングしたり、授業を予約するなど時間や場所の制限が多くありました。しかし、TEUIDAでは録画した映像の中に現れる先生と学習を進めていきます。ユーザーは、自分が望む時間、場所で実践的な発音や会話の練習ができるのです。
さらに、TEUIDAには独自の音声認識技術とインタラクティブなコンテンツを保有しています。映像の先生と会話をしながら発音の矯正を行ったり、実践的な会話能力を向上させることができます。
そして、米国市場では過去3年間で、約230万人の韓国語学習者がTEUIDAを利用しています。
アプリダウンロード:https://www.teuida.net
-TEUIDAユーザーの韓国語レベルを教えてください。
英語圏における新規登録時アンケートによると、ユーザーの約78%が初めて韓国語を学ぶと回答しています。少し学んだ経験があるビギナーまで含めると、約87%のユーザーが初級段階にいます。
–他の韓国語教育サービスとの違いは何ですか?
他の韓国語教育サービスとTEUIDAが異なる点は大きく3つあります。1つ目は勉強方法です。既存のサービスではゲームベースで単語の暗記や、文章の並べ替えを行うものが多いと思います。一方でTEUIDAは、会話に特化しており、明確に差別化ができています。私たちは様々な動画コンテンツと独自の発音認識技術をベースに、単語や文章を実際に使用する状況を生み出し、発音の評価をするので1人でも会話学習ができるようにサポートしています。
2つ目は、誰でも、いつでも、どこでも、好きなだけ会話練習ができることです。予約やマッチング、そしてその都度コストがかかる従来の言語学習サービスとは異なり、スマートフォンさえあればいつでもネイティブスピーカーと会話練習をすることが可能です。
3つ目は、仮想会話によって韓国の文化や生活を体験できることです。他の語学教育サービスは、テキストベースであることが多く、実際に韓国の文化や生活を知り、体験することは容易ではありませんでした。しかし、TEUIDAが提供する250以上の実践的な仮想会話は、韓国旅行や、留学、面接、韓国企業への入社など、実際の韓国生活を体験できるコンテンツで構成されています。そのため、ユーザーはTEUIDAを使い、言語を学ぶことに留まらず、韓国の文化までを理解することができます。また、現地の文化を理解することは、言語を学ぶ上でも知識の幅を広げることができ、この点でも差別性があります。
–高度なコンテンツ映像はどのように作成していますか?
TEUIDAコンテンツチームが定期的に撮影をしています。「レッスン」コンテンツは、韓国語、日本語それぞれの言語の専門家が韓国語能力試験(TOPIK)や、JLPTのカリキュラムに合わせて、ユーザーが有意義な学習ができるようにコンテンツを作成しています。
また、ユーザーに週に一度インタビューを行っています。そこで実際にユーザーが学びたいことや気になる韓国生活などについてヒアリングをし、仮想会話コンテンツのテーマ決めに反映させています。ユーザーの関心事をまとめて一つのドラマにする形で撮影を進めています。
–今回8月に日本でローンチするサービスについて詳しく教えてください。
英語圏で既に提供している韓国語学習機能と同様のサービスを日本語で提供します。また、2つのコンテンツを準備し、日本人ユーザーの韓国語学習をサポートします。1つ目は「レッスン」というコンテンツです。日本語と韓国語が堪能な先生が、韓国語能力試験(TOPIK)のカリキュラムに基づいた授業を映像で行います。3〜5分程度のレッスン動画では、日本語で韓国語を教えるだけでなく、動画に出てくる文章や単語をユーザーが実際に声に出しながら練習することができます。そして発音は、TEUIDA独自の技術である発音評価システムによって評価が行われます。正しく発音ができた場合はレッスンが継続され、そうでない場合は、また違った映像に変わります。そこで間違った部分を先生が修正してくれるのです。バーチャルですが実際に先生と会話しながら会話学習や発音矯正ができるコンテンツを提供しています。
2つ目は、今回新たに追加した「実生活における仮想会話」コンテンツです。カフェで注文をする、タクシーに乗る、アイドルと話すなど、250以上の仮想会話を用意しています。リアルな状況下で韓国人と会話をする経験を通して、3〜5つの表現を一つの映像で学習することができます。発音や回答した文脈の正確さを評価し、ストーリーが変化していきます。
実際に韓国現地にあるシチュエーションで、韓国にいるかのように韓国人と会話ができるので、言語学習に留まらず、韓国の文化も間接的に体験できるように日本サービスをリリースしました。
–韓国語以外の言語学習サービスを提供する予定はありますか?
TEUIDAは今年3月に英語圏のユーザーを対象に、日本語教育サービスを開始しました。過去3ヶ月間、約1万5千人以上の英語圏ユーザーがTEUIDAの日本語教育サービスをダウンロードして学習しています。7月から本格的にマーケティングを行い、世界の日本語教育市場でTEUIDAがどれほど経済性があるかをもう一度確認をしたいと思います。経済性が検証されれば、私たちはすぐにスペイン語やフランス語など、英語圏のユーザーが最も多く学習する9つの言語教育サービスを作り、TEUIDAを様々な言語を勉強できるサービスに拡張する予定です。
–今後の予定について教えてください。
今後は様々な言語にサービスを拡張する予定です。短期的には、TEUIDAの日本サービスを立ち上げたので、日本市場にいる日本のパートナーの方々と一緒に、日本ユーザーがより手軽で楽しく韓国語を学習できるようサポートすることを目標にしています。現在日本では、第4次韓流ブームも起きているので、需要も高いのではないかと予想しています。
–日本の読者の皆さんにメッセージをお願いします。
TEUIDAの日本サービスを正式に8月21日にリリースしました。私たちのサービスを通じて、韓国旅行を計画している人をはじめとした韓国語学習者が韓国の文化も理解しながら韓国語の勉強をする機会になればいいなと思っています。また、私たちは日本語教育も行っていますので、これから日本、そして日本語をより多くの世界に知ってもらうために、関心を持っていただき応援していただけると嬉しいです。
株式会社TEUIDA ―チャン・ジウンCEO
会社HP : https://teuida.net/
Youtube : https://www.youtube.com/@teuida
Tiktok : https://www.tiktok.com/@teuidaapp?lang=en
- JAPAN BOOT CAMP 2023 参加企業
TEUIDAは、2023年6月、東京で行われた韓国最大のスタートアップ支援NPOであるStartup Alliance主催の「JAPAN BOOT CAMP 2023」に参加した企業です。
Startup Allianceとは?
韓国のスタートアップ・エコシステムの活性化を目的として2014年に設立されたNPO。起業家のためのネットワーキング・プログラムの実施や、グローバルなコミュニケーション・プラットフォームの提供、スタートアップに必要なリサーチ活動など、スタートアップ全体の円滑なエコシステム形成のために様々な事業を行っています。
JAPANBOOTCAMPとは?
韓国の有望なスタートアップを日本市場に紹介するグローバルアウトバウンドプログラム。JAPAN BOOT CAMPを通じて韓国スタートアップは日本市場を理解し、日本市場へ進出する機会を模索することができます。 また、日本のベンチャーキャピタル、アクセラレーター、大企業など、現地のビジネスネットワーク構築のためのサポートも進行。これまでJAPAN BOOT CAMPに参加した韓国のスタートアップの中には、Hyperconnect、Watcha、ZIGZAG(現Kakao Style)、カンナムオンニなどがあります。