TeamSparta Inc. ―イ・ボムギュCEO

KAISTで産業工学科専攻。 在学中、兵役特例で3年間ゲーム会社と韓国のデリバリーサービス「配達の民族」で開発者として代替服務した。 2016年卒業後、ベンチャーキャピタルのBonAngelsで投資審査役として韓国と東南アジア市場を引き受け、20社余りに投資。2019年3月、会社を出て非開発者の社会人を対象にコーディング教育を行うスタートアップTeamSparta(チームスパルタ)を設立した。サービスを始めて1年足らずで累積受講生400人、月売上1億ウォンを達成した。現在、累積受講生は約70万人。初心者向けのコーディング教育サービスから始め、開発者教育から採用、または外注、創業まで開発者生態系全般を網羅できるビジネスへと拡張していく計画。


貴社はどのような会社ですか?

TeamSpartaは2020年4月に設立し、Sparta Coding Club(スパルタコーディングクラブ)というサービスを提供しています。社会人の自己開発や転職を支援する教育サービスとして韓国で1位です。

趣味でコーディングを学ぶ方は1年に約20万人ほどおり、当社の教育サービスを通じて新人開発者として転職した方は約4千人ほどいます。1年に4千人程度というと、韓国・ソウルで毎年誕生する電算学科の学生の数よりも少し多いです。このように、韓国では受講生の皆様に提供するシステムインテグレーションの開発などに力を入れており、さらにゲームを作ったり、新事業を行うなど様々な作業を進めています。

今後は新たに日本市場に進出し、これまで韓国で培ってきたノウハウをもとに、お客様のニーズに合わせてより良い教育サービスを提供できるように考えています。

創業されたきっかけは何ですか?

ビジネスとは、他人は知らないが自分だけが知っている自分の強みを活かすことだと思います。しかし、私は学生時代、コーディングがすごく嫌いでした。大学生の頃は避けていたコーディングの授業を、ゲーム会社に入社し社会に出てからその必要性を感じ、初めて本格的にコーディングの勉強を始めました。コードにちょっとした変更を加えることで、ゲームの中の変化が直接目で見ることができ、コーディングはとても楽しいと思いました。このことをきっかけに開発者の道に入り、ゲーム会社に続いて韓国で最も有名なデリバリー会社である「配達の民族」で働くことになりました。その時に感じたことは、思ったよりコーディングが簡単だということです。

日本語の勉強を始めて3ヶ月ほど経ちますが、だからといって日本語の専門性を持って日本語通訳として働くことはできませんよね?しかし、スパルタコーディングクラブで学ぶ方は、約3~4ヶ月程度集中的に勉強すると、開発者として就職することができています。しかも就職率は90%以上です。この結果から、実はコーディングというのは様々な学問の中でもかなり簡単なほうに属していると考えることができます。そこで、私たちはコーディングの初心者を対象に、学校のように理論に基づいた教育ではなく、実際に活用できるような実務中心の教育で簡単に教えようという考えを持つようになりました。このような簡単なコーディング教育を提供できることが私たちだけの強みであり、それを必要としている多くの人に広めたいという思いで起業しました。


 
 ―貴社が提供するサービスの強みや特徴は何ですか?

まず、理論に偏ることなく、現場ですぐに使えるように、非常に実践的なカリキュラムで構成されたコーディング教育を行うことが1つ目の差別化されているポイントです。2つ目は、受講生の学習進捗を管理することです。例えば、講義の進捗率を随時チェックして直接連絡をしたり、他の受講生との競争心を誘発させるなど、楽しめる要素を盛り込んだ仕掛けを活用し、受講生の受講完了率を圧倒的に高めることに努めています。オンラインで行うため、どうしても挫折しがちですが、私たちは受講者一人ひとりの学習を管理し、全受講者の講義受講完了率が90%以上を占めています。最後に、これまで韓国では自己開発教育サービスで1位を獲得したこともあり、他社と比較して低めの学習費を設定することができ、より多くの受講生が少しでも安くコストパフォーマンスの良い価格で教育を受けられるようにしている点です。

受講生のメンタリング/TeamSparta提供

 ―日本市場をどのように見ていますか? (韓国と日本の市場やユーザーの違いを含めて)

韓国では就職状況が厳しいことから、個人の自己啓発市場が活発化しています。しかし、日本の場合は、求職者がもう少し優位な市場だと判断しています。個人がより良い会社に行くために自己啓発をするというよりは、会社が人を雇った後に教育をさせるというニーズが非常に大きいことを実感しました。韓国は10~20人程度の従業員がいる中小企業で新入社員を雇用する場合、彼らを教育しなければならないという考えがあまりないのですが、これに対して日本はどんなに小さな会社で新入社員を一人雇用しても、10万~20万円をかけて教育をするという概念があります。このように韓国と日本では市場の雰囲気が異なりますが、私たちが韓国で培ってきた多くのノウハウをもとに、日本でも私たちのコーディングクラブを広めていきたいと思っています。
 


 一番印象に残っている口コミがあれば教えてください。

私たちは今年初めに日本で約10名の第1期生を募集しました。その時に参加してくれたY.TさんというIT企業で営業をしている30代の男性からのコメントが一番印象に残っています。営業職ではあるものの、IT企業に勤務しており、デジタルについてあまりにも無知なので、少しでも知りたいというニーズからご参加していただきました。最後まで熱心に受講してくださり、実際の業務にもとても役立ち、今後はもっと深いコースでまた学びたいとおっしゃっていたのがとても印象に残っています。

受講生の作品/TeamSparta提供

日本以外に進出した国や進出計画がある国はありますか?

教育熱の高い国を中心に見ており、日本以外ではインドへの進出を考えています。日本の場合は、先に述べたように企業の社員教育に対する教育熱が高く、インドの場合は個人の教育熱が非常に高いです。インドはカースト制が存在する社会だったため、それを超える唯一の方法として、自分で勉強して自己啓発をする市場が活発化している傾向にあります。そのため、この市場に我々も参入しようと考えています。

今後の計画やビジョンを教えてください。

「TeanSparta」と言えば、韓国では知らない人はいないと思いますが、日本市場には進出したばかりなので、まだ私たちのことを知っている人はいません。そのため、日本市場で私たちと一緒に協業や提携ができる日本の企業を探し、韓国でこれまで培ってきた私たちのDXノウハウを伝播し、一緒に自己開発市場をリードしていきたいです。


・会社HP: https://japan.spartacodingclub.com/

・Twitter : https://twitter.com/SpartaCoding

・ブログ : https://note.com/spartacodingclub