WEAVERSBRAIN – CEO ジョ・セウォン

ソウル大学コンピューター工学科卒業。2000年にEtoos Onlineにて事業本部長としてキャリアをスタート。その後Waterbear Soft、ST Unitas、The Princeton Review、Riiidなど様々な企業で教育に関わる事業を行う。2023年6月よりWEAVERSBRAIN代表に就任し、韓国国内だけでなく、日本でのサービス拡大をけん引している。


貴社はどのような会社ですか? 貴社が提供するサービスの説明について教えてください。

弊社、WEAVERSBRAINは創業から16年目の、AIチューターを制作・提供する会社です。
現在、日本ではMAX(マックス)英会話、韓国ではSpeaking Max(スピーキングマックス)というサービスを提供しています。

どちらもAIチューターによる英語学習ができるサービスです。

英語学習の際に、本を読んだり、文法を勉強したり、英語を聞いたり、様々な方法がありますが、やはり言語は自分で話さないと中々上達しないものです。

そのため、「話す(Speaking)」に注力し、着実に上達するための学習サービスを作りました。

MAX英会話に登場する映像は、私たちが世界中を回って撮影した英語ネイティブの方々の映像をもとに作成されています。
なので、実際に語学留学や海外に行かなくても、LAやニューヨークといった現地に行って話しているようなコンセプトで勉強することができます。

またChatGPT(チャットジーピーティー)など生成AIが登場してからは、AIの技術を生かしたAIチューターの開発にも取り組んでいます。


AIチューターについて詳しく教えてください。

AIチューターでは、アバター先生の顔を写し、その先生と会話を交わしながら、一緒に勉強していくカリキュラムを用意しています。

そんなAIチューターを開発する上で私たちは「教える技術」を重要視しています。
例えばLAに住んでいるアメリカ人であれば、当然英語を話せますよね。ただ、英語を話せる人全員が、英語をうまく教えられる人とは限らないんです。

だから、私たちは「教える技術」に特化したベテラン先生を開発しています。そこでは3つのことを大切にしています。

1つ目は、「生徒のレベルの把握」です。

英語ができない初心者には一から丁寧に教える必要があります。逆に英語が得意な人に簡単なことを教えても効果的な学習にはなりません。つまり、効果的な学習のためには生徒のレベルを正確に把握して、各レベルに合った学習を提供する必要があるんです。

2つ目は、「学習効率」です。

学習の成果を挙げるためには、何かを学んだときに生徒自身が「学んだ」と感じる必要があります。そのためにそれぞれの学生の弱点を集中的に改善し、身に着けられるような学習方法・内容をAIが分析し、より効果的で効率的な学習を提供しています。

3つ目は「親密さ」です。

学生時代、仲の良い先生がいるとその科目だけ成績がよくなった経験はありませんか?
AIチューターにおいても、生徒と先生が親しくなることで、学習への意欲が高まると考えています。

そのため、生徒の趣味・嗜好、普段の生活や仕事・人間関係といった何気ない会話の内容も把握し、生徒一人ひとりのスタイルに合わせた学習コンテンツを作成します。

例えばゲームが好きな生徒には、ゲームに関連した話をすることで、「勉強している」という感覚よりも「楽しく話している」という感覚を持ってもらえて、より話しやすくなり、楽しみながら学習を続けられます。

このように「レベル把握」「学習効率」そして「親密さ」。この3つの要素を兼ね備えたベテラン先生を、AIを活用して一生懸命開発していて、3月には日本でもリリースを予定しています。

AIチューターとの会話で効率の良い英語学習が進められる


他のサービスにない貴社の魅力はどんなものがありますか?

弊社には他社のようにAIエンジニアが多いわけではありません。それでもかなり早い段階からAIエンジンに注目して、開発を進めてきました。
そのため、外国語教育分野のAIエンジン開発に関する技術力に自信があります。

また、B2B分野に関しては、AIによるカスタマイズを通じて、クライアントの産業分野に合わせた、「必要な英語学習」を提供できることが強みです。

実際の導入例でいうと、原子力発電所に関連する会社の事例があります。

その会社がアラブ首長国連邦で原子力発電所を建設することになったとき、社員たちはエンジニアリングの技術には全く問題がありませんでした。しかし、英語に苦手意識を持っていたため、本来の仕事以外の部分でとても苦労していました。

特に原子力関連の用語は、単語自体が難しく、専門的で馴染みもないような言葉ばかりだったんです。
そして、そういった専門的な知識を十分に持っていて、かつうまく教えることができる人を見つけるのは不可能に近いです。

ですが、弊社のAIチューターはクライアントが必要とする専門的な知識を十分に持っており、かつその人に合った学習方法を提供できます。また、AIチューターは利用人数に制限がない点も大きな利点です。

今お話しした例のような専門的・技術的な分野はもちろん、クライアントごとにカスタマイズした学習手段を提供出来るようになった結果、現在では大韓航空・LG電子・サムスン電子といった幅広い分野、大企業で導入いただけるようなサービスに成長しました。


日本進出の一番大きな理由や、日本市場で感じた韓国市場との違いなどはありますか?
また、今後の日本市場での計画も教えてください。

日本は経済規模が非常に大きい国で、外国語教育に対するニーズも大きいので、すごく重要だと思っています。
そんな日本市場に進出する中で、日本と韓国の英語を勉強する理由に違いを感じています。

韓国では、就職の際にTOEICなどのスコアが重要視されるため、20代になったら英語の勉強をする傾向があります。

しかし、日本では英語以外にも韓国語や他の言語を勉強する方が多いです。

だから日本では言語学習ツールを提供する上でも、英語だけに限定する必要はないと考えています。

また、最近日本を訪れた際に、外国から仕事で来日している方々が多く、日本語教育へのニーズが非常に高いことを実感しました。
特にIT開発者の方は、様々な国から来られていて、そのような方には英語ではなく、日本語学習ができるコンテンツが必要なんですよね。なので、日本人に向けた外国語のコンテンツだけでなく日本語教育に関するコンテンツの提供も計画中です。

また、現在はMAX英会話というB2Cの領域でサービス展開をしていますが、今後、B2Bの領域でもサービス範囲を拡大していく予定です。

先ほどお話ししたように、韓国ではすでにB2Bのサービスを多くの企業に導入いただいています。
そして、それぞれの会社に合ったカスタマイズ機能に対して高い評価をいただき、事業規模も順調に拡大しています。

このB2Bのサービスを韓国だけでなく日本でも提供していきたいと考えています。

もちろんTOEICの点数は一つの大切な指標になりますが、社員に学んでもらうのであれば、実際に仕事で使う英語がいいじゃないですか。そういったニーズにぴったり合ったサービスを提供していくことが今後の目標です。

日本での会員数2万人を超えるB2Cサービス『MAX英会話』

最後に、貴社の今後のビジョンを教えてください。

どんな外国語でも、勉強する一番良い方法は、ネイティブから学ぶことですよね。

留学をしたり、ネイティブの先生に学ぶことができる機会があればとても良いのですが、現実には金銭・時間など様々な理由から難しく、その機会は一部の人に限られています。

だから、費用を抑え、場所や時間に左右されずに、自分に合った方法で様々な外国語を学習できるような、そんな機会を多くの人にお届けするのが弊社のビジョンです。

実は、私自身、教育に大きな思いがあって起業したわけではなく、偶然に始めたものだったんです。
ですが、長く携わっていくうちに「もっといいサービスを届けていきたい」という考えが強くなりました。

教育はその人の人生を変えることができるくらいにすごく大事なものです。そして、私たちのコンテンツを使って言語を習得したことで、その方が他の国でのビジネスをするようになれば、一人だけでなく、会社にとっても、大きな変化を生み出す可能性を秘めています。

そういった意味でも今後、B2B・B2Cを問わず、より多くの人に効果的な言語学習の機会をお届けしていきたいと思っています。

弊社のサービスにご興味を持っていただけた方は、ぜひお気軽にご連絡いただければと思います。



WEAVERSBRAIN

HP: https://weaversbrain.com/
MAX英会話: maxeikaiwa.com