株式会社 Mediquitous  – CBOパク・ハミン

ファッションECプラットフォーム「nugu」の総括ディレクターとして、2017年に日本市場での事業を開始。韓国ブランドが日本で成功できるよう、オンラインとオフラインを融合したバリューチェーンを構築し、日本国内のファッション流通に新たな機会を創出している。

現在は、nuguを日本と韓国のファッションブランドをつなぐプラットフォームへと発展させることを目指し、日本国内のオンライン・オフライン事業を拡大中。韓国および日本市場におけるKファッションブランドの定着を支援する取り組みを進めている。


今回のインタビューでは、韓国発ファッションプラットフォーム「nugu」を運営するパク・ハミンさんにお話を伺いました。

第一弾として本記事ではnuguについて、来週公開の第二弾ではnuguの運営会社である株式会社 Mediquitous(メディクォータス)が2月に買収したSHOPLISTについて、今後の日本市場での戦略を中心にお話いただきます。

nuguはどのようなサービスでしょうか。

nuguは、日本のZ世代をターゲットにしたファッション・ビューティー・ライフスタイルコマースプラットフォームです。
nuguのアプリには月間160万人のユーザーが訪問しており、Z世代に最先端の流行情報と商品を繋げるプラットフォームとなっています。

また、nuguという名前は、日本語の「脱ぐ」を意味しています。
「昔のものを脱いで新しいトレンドを着る」という意味を込めました。そのため、英語でのスローガンも「Take off fashion & Wear nugu」です。

nuguを創業することになったきっかけを教えてください。

韓国で事業をスタートさせましたが、2018年に、東京の原宿で韓国ブランドのポップアップストアを開催する機会がありました。
その時に店舗スタッフとして働いていた日本人の方と知り合い、SNSをフォローしてみるとなんと、8万人ものフォロワーを有するインフルエンサーだったんです。

韓国では、SNSのフォロワーが1万人程度でもブランドを立ち上げたり、セレクトショップを運営するということが当たり前に行われていたので、大変驚きました。

グローバルトレンドとして、ユーザーは自分が好きなインフルエンサーが紹介するアイテムを購入したがる傾向があります。
また、日本のインフルエンサーマーケットを研究しながら、日本にはファッションの卸売市場がなく、インフルエンサーが自らセレクトショップやブランドを立ち上げることが難しい構造であることに気づき、nuguがこれを解決してみようという考えで日本での事業を始めました。
日本のZ世代ユーザーが、好きなインフルエンサーの多様な商品を手頃な価格で購入できるようにするのが目標でした。

また、日本事業開始前に日本の市場の大きさと、今後ファッションEコマースがどれほど成長するのか、競合となる会社はどこなのか、どれほど発展しているのか研究しました。

その中で日本は不思議なことにファッション特化型プラットフォームがZOZOTOWN以外に存在していないことが分かりました。そこから、この市場に食い込めば、我々にも勝算があると判断しました。 

現在、nugu公式インスタグラムフォロワーは、65万人を超える

nuguは、インフルエンサーと一緒に育てていくプラットフォームだと思いますが、nuguのディレクターになる基準はありますか?

まずは、自分自身のファッションコンテンツに対する確信がなければならないのがディレクターだと思います。
単にフォロワーが多いからといって、適任というわけではありません。その方が自分自身のファッションに対する自信や、ファッション感覚があるのかなどをみています。

それから当然SNSのフォロワー数やいいね数なども大切です。
インスタグラムの場合、最近はリールに注目しています。

リールを見ると、フォロワーが多くてもリールをうまく活用できていない方や、フォロワー数に対して視聴数が伸びていないインフルエンサーもいます。こういった場合は、実際に購入まで進んでくれるファンは多くないのではないかと考えます。

また、インスタグラムのリールを通して、ショート(短い動画)コンテンツの作り方もチェックしています。

以前は写真を見て服を買うことが多かったと思いますが、最近ではユーザーはYouTubeのショートやインスタグラムのリールなど短い動画を通して購入を検討するケースが増えているんです。
ファッションそのものだけでなく、それを紹介しているコンテンツのトレンドも大きく進化して、nuguでもその流れをしっかりと掴んでいきたいと思っています。

ユーザーは自分のスタイルに合ったお気に入りのディレクターを簡単に探すことができる

韓国のインフルエンサーと日本のインフルエンサーの違いはありますか?

あくまでも主観的な考えですが、韓国のインフルエンサーの方々はインフルエンサーコマースの学習の理解度が非常に高いです。
インフルエンサーマーケティングだけでなく、インフルエンサーのためのビジネスも発展し市場全体が飽和しているとも言えるほどです。

また、自身で会社を立ち上げたり事業を拡大している方も多いですね。

一方で、日本のインフルエンサーは、本業としてインフルエンサーになるよりも、副業として発信を始める方が多いように思います。
こういった部分で韓国に比べるとまだ消極的な部分がありますが、日本のインフルエンサーコマース市場も少しずつ発展している状況で、今後さらに市場の規模が大きくなっていくと見ています。

現在、nuguは、MCNのようにインフルエンサーマネジメントとしての側面も持っていますよね。

はい。インフルエンサーが成長することでnuguの成長にもつながるので、nuguとパートナーシップを結んでいるインフルエンサーの方々にはどんどんと成長をしていってほしいと思っています。

インフルエンサーと一緒に海外へ行き、撮影を行うこともしています。昨年は、パリやニューヨークでコンテンツ制作を行いました。こういった試みは、インフルエンサー1人では中々難しいことだと思います。

nuguが企画し、彼らがグローバルに進出してコンテンツ制作を行うことで、より質の高いコンテンツを生み出し、お互いの成長につなげています。

nugu公式インスタグラムにも、様々なコンテンツが掲載されている

日本で事業をする上で特に注目しているポイントはありますか?

インフルエンサーの方々を理解すること、そして日本文化を理解しようと努力することが挙げられます。
韓国で事業を始めましたが、日本は韓国と似ていながらも非常に異なる部分を持っており、韓国における成功方程式では、日本では絶対に成功できないと考えています。 

日本市場に進出し、現地向けにローカライズすることが、日本での事業成功には非常に重要だと考えています。
今後、日本に物流センターを構築し返品・交換を始め、日本国内からの配送などのサービスを進める予定です。これは日本のビジネスをする上で当然のことだと思っています。 

単に外国企業として日本に来て事業をするのではなく、日本のスタートアップとして位置づけ、日本現地に投資をしインフラを整備することに取り組んでいきます。

nuguは日本のZ世代がファッション、ビューティー、ライフスタイルアイテムを最も豊富に、最も安く、最も簡単に購入できるNo.1プラットフォームに成長することを長期的な目標でありビジョンとして掲げています。


nugu
HP:https://www.nugu.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/nugu__official/

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