GREENGRIM – CEOイ・シア

2018年GREENGRIMを創業。生分解性プラスチックと環境にやさしい技術を基盤に、持続可能なプラスチック廃棄物を解決するためのソリューションを開発。特に、微生物の力を活用した生分解性プラスチックの分解技術により、従来のリサイクルシステムの限界を補い、真の資源循環の実現に取り組んでいる。

また、自社ブランド「PLAYPLA」を通じて環境保護が義務ではなく、遊び(Play)のように楽しい文化として認識される社会を目指し、2021年プロギングキットを開発。

製品開発の領域を超え、国内外の環境教育にも積極的に貢献している。


自然と共に育ち、環境保護に強い関心を持つ

私は、韓国・済州島(チェジュ島)で生まれました。母が花屋を営んでいた影響で、幼い頃から毎日、花や木に触れて、自然の美しさと生命の尊さを身近に感じながら育ちました。

社会人になってしばらくは、母国を離れ、中国などの大都市で仕事をしていたこともあったのですが、結局、私のエネルギーの源である故郷・済州に戻ってきました。そして、母が経営していた花屋に、カフェを併設し、新しい可能性を探し始めました。

しかし、済州が観光地として人気になり始めると、それと比例するように、カフェで使用する使い捨て用品のゴミ問題が浮き彫りになりました。

便利さを追求する私たちの生活が、環境を破壊する行為に繋がっているという事実に気づいた私は、「美しい自然を守ること」と「人々の生活の利便性を追求すること」の両方を実現するためには、どうしたらいいのかと真剣に悩むようになりました。

そして、その悩みを解消するべく、2018年にGREENGRIM(グリーングリム)を創業。2022年には、法人設立も実現しました。

地球が直面している深刻な環境問題の解決に貢献するという企業理念を元に、主に、環境にやさしいPLA(ポリ乳酸)製品の開発・製造・販売をしています。

資源循環を実現させる「生分解性プラスチック分解処理器」の開発

弊社の主な製品には、環境にやさしいカップやストロー、エコバックなどがあります。これらは、サステナブルな製品としてみなさんにも馴染みのあるものだと思います。

それに加えて、弊社では、真の資源循環を実現するために、生分解性プラスチックを完全に分解できるソリューションを提供しています。
GREENGRIMが独自に開発した「生分解性プラスチック分解処理器」です。

この技術は、微生物の生物学的分解能力を最大化し、生分解性プラスチックを短期間で自然に戻すというものです。
従来の方法では数ヶ月から数年かかる分解過程も、GREENGRIMの技術を使えば、たった10日で栄養価の高い有機堆肥に変換することができます。

まず、収集された生分解プラスチック製品を、専用のシュレッダーで細かく粉砕します。このプロセスにより、プラスチックの表面積が広くなり、微生物の接触面積が最大化されます。このような前処理過程は、プラスチックを、より早く分解するために行います。
粉砕後は、水分と酵素を加え、適切な温度環境で微生物の活動を最適化します。

次に、特別に培養された微生物コンソーシアムが生分解性プラスチックを分解するために必要な、さまざまな酵素を生成します。

これらの酵素は、プラスチックの高分子鎖を低分子化合物に分解します。最終的に微生物が消化した低分子化合物は、有機堆肥に変換されます。完成した有機堆肥は安全な上に悪臭もなく、土壌改良剤や園芸用土として活用でき、資源循環化が実現するというわけです。

日本市場で数々の展示会に参加、高い需要を確信

GREENGRIMは近年、日本市場でも積極的な活動を展開しています。

2024年は、高機能素材Week、ResorTech EXPO in Okinawa(リゾテックエキスポ)、サーキュラーシティカンファレンス、そしてILSなど様々なイベントに参加し、ブース出展やピッチ登壇をしました。

イベントに参加した日本企業の担当者の方々は、弊社の生分解性プラスチック分解技術と持続可能な資源循環モデルに、とても高い関心を示してくれました。ただブースを見て通り過ぎるだけでなく、実際に立ち止まって「詳しく知りたい」とおっしゃってくださったり、深く鋭い質問をしてくださる方が非常に多く、GREENGRIMが日本市場でも十分に競争力があり、必要な技術を持っていること再確認できる、いい機会になったと思っています。

日本は、プラスチックゴミの量が非常に多く、2024年の記録では、アメリカに次いで世界で2番目に多くのプラスチックゴミを排出しています。
しかし同時に、日本は国を挙げて持続可能な資源循環政策に取り組んでいます。

弊社の製品は、包装材を作っている企業や、廃棄物を扱う企業など、様々な企業とコラボレーションできるポテンシャルを秘めています。

これからも機会があればGREENGRIMの技術と製品をたくさんの方に知っていただくために、そして生分解性プラスチックの循環を日本社会で自然なシステムとして浸透させることができるように、貢献していきたいと考えています。

サーキュラーシティカンファレンスでの様子

環境保護の価値を後世に伝えることこそ、持続可能な未来を作る第一歩

私は、環境保護の核心は、「教育」であると考えています。
私たちの会社では、環境にやさしい製品の開発・製造・販売をしていますが、単なるエコ製品開発企業ではありません。

私たちは、環境保護の大切さを社会に伝えるという活動にも力を入れています。
その代表的な活動のひとつが、「プロギング」です。

プロギング(plogging) とは、スウェーデン語で「拾う」という意味の「plocka upp」と「ジョギング(jogging)」を組み合わせた造語で、ジョギングをしながら、ゴミを拾うことをいいます。

家族、恋人、同僚など周りの人と一緒に運動(ジョギング)をしながら、ごみを拾うことにより、人々の心身の健康の推進はもちろん、環境保護活動へ参加することが大切であるという意識を育てることができます。

韓国でのプロギングの様子

タンブラーを持ち運んで紙コップやプラスチックカップの削減に協力したり、自家用車ではなく公共交通機関を利用して排気ガス削減に貢献したり、そういった個人の環境保護活動も、もちろん大事です。

しかし、環境保護は個人の取り組みにとどまらず、社会全体で共有される文化として根付く必要があります。だからこそ、私たちのような企業が、このような取り組みを率先して行い、社会に環境保護の大切さを伝えていくのです。 

花屋を営む母の存在が、私の人生に大きな影響を与えたように、私も私の子供たちが美しい自然と調和して生きていける未来を自ら悩み、実践する人に成長してほしいとを願っています。

そんな願いと、次世代の全ての子どもたちへ環境保護を約束する気持ちを込めて、会社の名前は、私の子どもたちの名前から取り「GREENGRIM」と名付けました。

 これからも刹那的に利益を追求するのではなく、次の世代、そしてその先の世代にまで、「環境保護と生活の質向上は両立できる」という概念を伝えていける事業を展開していきたいと思っています。

このビジネスの価値と可能性を後世に伝えていくことこそ、私たち世代に託された「持続可能な未来」を作る、第一歩なのではないかと思います。

石油系プラスチックゼロの世界を目指して、できることを粘り強く

環境保護に関係する仕事をしている人なら、きっと誰もが考えることですが、私たちの最終目標は、石油系プラスチックをなくすことです。

昨今、石油系プラスチック汚染を終息させようという国際社会の声は、確かに大きくなっていますが、環境問題というものは、世界各国の経済状況や、政治的利害関係なども関係する問題なので、なかなか一筋縄ではいかないんですね。

もどかしい気持ちもありますが、私たちは私たちにできることを、諦めずに粘り強く続けていって、持続可能なプラスチックを使う世界を当たり前にしていきたいです。そして、生分解性プラスチックを効果的に循環できるグローバル標準を作れるような企業に成長したいと考えています。

持続可能な解決策を提示するために、世界各国の環境問題と政策を研究し続けています。最近は日本だけでなく、スイスなど、様々な国の事例も勉強しています。

世界中で、もっと多くの人が循環資源について議論し、知恵を出し合えるような、そんな理想的な環境を作っていくのも、私たちのような企業の使命です。

私たちは、この美しい地球を守るため、国内外限らず、パートナーを探しています。日本語・英語でのコミュニケーションも可能ですので、GREENGRIMのビジョンに共感してくださる日本企業の方々はいつでもお気軽にご連絡ください。

PLAYPLAの様々な製品