株式会社eMotiv ーミン・ジョンサンCEO

高麗大学で産業工学を専攻し、大学院で認知人間工学を専攻。卒業後、現代自動車で認知関連の開発作業などを10年ほど行ってきた。退社後、2020年11月にeMotiv(イモティブ)を設立。


-株式会社eMotivはどんな会社ですか?

eMotiv(イモティブ)は認知モデリングの独自技術と人工知能、モバイルゲームを融合したモバイルアプリ形式のソフトウェアデジタル治療機器(Digital Therapeutics; DTx)を開発する企業です。現在ADHD(注意欠陥多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)の治療を支援することに注力しており、デジタルヘルスケアサービスにも事業範囲を広げています。

2023年CES革新賞、レッドドットデザイン賞受賞、汎省庁(IRIS)課題選定などを通じてすでに優れた技術力と革新性を証明しており、現在、ソウル大病院、漢陽大学病院と協業して、食品医薬品安全処のDTx確証臨床試験を進行中です。

今後、成人ADHDやうつ病、認知症など様々な中枢神経系精神疾患にサービスを拡大し、ゲームを通した症状や治療だけでなく、ユーザーのメンタルヘルスデータを継続的に分析し、ケアすることを目指しています。

-eMotiv創業の経緯を教えてください。

大学で認知人間工学を勉強し、現代自動車でドライバーの認知負荷を定量化し、それを最小化するなどの認知関連の開発作業などを10年以上行ってきました。その後、起業に興味を持ち、認知工学を応用して社会を助けることができる仕事を探していたところ、ちょうどDTxが目に留まりました。

精神科専門家と一緒に児童ADHDの保護者たちに詳細なインタビューを行った結果、回答者のほとんどは、ADHD治療のために精神科診療を受け、薬を服用しなければならない治療過程の心理的負担が高いことが分かりました。そこで、デジタル融合技術により、精神保健診断と治療の心理的・経済的負担を軽減し、精神科薬の副作用がないデジタル治療薬(DTx)を研究・開発することになりました。

-eMotivが提供するサービスの強みや特徴を教えてください。

eMotivは認知モデリング技術とビッグデータ/AI分析に基づいて、ユーザーのメンタルヘルスデータを分離して管理するサービスを提供しています。サービスを開発するために、ゲーム企画/開発、デザインはもちろん、認知工学、心理学、脳工学、薬学など、多学才的な研究人材を保有しています。

現在、eMotivで開発された児童ADHDのためのデジタル治療機器(DTx)「スターラッカス(STAR RUCKUS)」とヘルスケアソリューションである「ジョイコグ(Joycog)」は、児童の自発的な参加と没入のためにモバイルアプリ形式でゲーミフィケーションを適用し、認知モデリングとマシンラーニングに基づいて児童の認知力及びADHDの可能性を測定します。測定結果はデジタルレポート形式で提供され、子どもの認知レベルをモニタリングできる点が特徴です。また、子どもの認知力強化のためにゲーミフィケーションを適用した3つのプログラムを提供しており、週5回、毎日25分、6ヶ月以上利用すると、子どもの認知力向上に役立ちます。

当社のサービスは、ADHD治療薬の副作用や経済的負担を軽減できる補完材としての役割を果たすことができると期待しています。

-日本に進出した理由は何ですか?

日本は人工知能(AI)医療保険給付に続き、デジタル治療薬(DTx)分野でもいち早く支援に取り組んでいると聞いています。日本はすでにデジタルヘルスケア市場の基盤が整っているため、eMotivのサービスが受け入れられると判断しました。

-今後のビジョンを教えてください。

世界的に精神疾患人口が増加している中で、eMotivの技術がより多くの患者さんの生活の質を向上させることを願っています。治療にかかる長い時間と多くのコストを革新することは、患者さんや医療関係者にとって技術やビジネス以上の意味があると確信しています。eMotivの技術が認知測定及び強化ヘルスケア市場の新たなイノベーションを創出できるよう、絶えず挑戦していく予定です。


株式会社eMotiv

HP:https://emotivdtx.com/