株式会社VIDEOMONSTAR -キム・ギョンウン チーム長
早稲田大学国際教養学部を卒業後、(株)東レ(韓国)に入社。後、スタートアップ系での日本事業とB2B事業、営業戦略を行う。2022年からVideoMonsterでB2B事業チームリーダーとして勤務。
―VIDEOMONSTARについて教えてください。
VIDEOMONSTARは2019年に設立され、B2B向けのマーケティング用ショートフォーム動画制作のためのテンプレートサービスを提供するアプリ開発とウェブサービスの会社です。
主に2つのサービスを提供しており、どちらのサービスも日本で利用することができます。
まず、社名と同じ「VIDEOMONSTAR」というサービスは、B2B向けに展開しており、広告・マーケティング用ショートフォーム映像を自動制作できるプラットフォームです。韓国内ではショートフォームマーケティング用の映像制作ソリューションとして1位を達成しました。
韓国・日本・東南アジアで100万人程のダウンロード数があり、そのうち10万人程が有料会員として登録しています。
B2Bのニーズだけでなく、B2C向けの動画制作ニーズまでもターゲットにしたいと思い、日常生活の中で簡単にVlogを制作できる技術を考え、開発を進めました。これが「ViiV(ヴィーヴ)」というアプリです。現在ViiVでの日本進出を積極的に進めているところです。
ViiVでは旅行中に撮影した動画を簡単に編集することができます。そして編集するだけでなく、動画を共有することができるプラットフォームも運営しようと思い、アプリケーションプラットフォームを開発しました。さらに映像を単に共有するだけでなく、ユーザーがアップロードしたVlogから、旅行関連商品を購入することができるコマースプラットフォーム機能もあります。
ViiVアプリ一つで、映像編集から共有、そして旅行商品の購入までができるのです。なので私たちはViiVを「旅行映像ベースのバーティカルコマースプラットフォーム」と表現しています。
―日本市場をどのように見ていますか?日本での反応を教えてください。
VIDEOMONSTARでも日本ビジネスにトライしたことはあります。現地マーケティングを通じて日本のユーザーと会ったことがあり、その時に日本のユーザーは、アプリの価値を理解すると購入に進むというムードを感じました。
当時、私たちは東南アジアや欧米圏の国へVIDEOMONSTARを進出させることを考えていましたが、ViiV事業を展開することになり、まず第一に日本と韓国は相互に旅行需要が最も多いのではないかと思いました。
韓国人が日本へ旅行し、ViiVアプリを使って日本現地の映像をアップロードすることは、韓国人にとって面白いと思いますし、韓国人が撮影した韓国内の旅行先や街の様子は、日本ユーザーに需要があると思います。反対に、日本のユーザーが日本国内で撮影した映像を共有することも韓国ユーザーにとって価値があると思います。
なので、日本は多くの映像を確保すべき国として捉えています。
―韓国と日本でユーザーは違いはあるのでしょうか。
日本ではアプリケーションをローンチしたばかりなので、まだ両国間のユーザーの違いまでを説明するのは難しいですが、日本では激しいクレームはあまりないのかなと私は思っています。韓国のユーザーは機能に少し不満があったりすると、アグレッシブに聞いてくることが多いんです。現在はそういった違いを少し感じている程度ですね。
―ViiVにはどんな強みや特徴がありますか?
今までの映像編集は、グラフィックソリューションでデザインをするようなツールに近いものでした。ViiVでは、既に保存している映像や写真を1つの動画に自動で編集することが可能です。さらにユーザーの好みに合わせてカスタマイズした字幕やステッカー、フォントのサイズや色を調節することができます。このように作成者のニーズを自由に反映できるアプリは現在のところViiVしかありません。なので、映像を自動/カスタマイズ編集して作ることができるというのが1つ目の強みですね。
2つ目は、編集技術の面です。ViiVより先に提供していたB2B向けの動画制作サービスであるVIDEOMONSTARでの経験から、アプリ内に映像編集技術をうまく組み込んで開発することができました。
これは私たちがかなり長い時間と人員、そして資金を投入した結果物なので、自動編集技術力に強みがあるスタートアップとして見ていただければと思います。
今まではVlogを作成してもYouTubeにアップロードして終ってしまう場合や、Instagramでもショート動画をアップロードすることに留まっていたと思います。作成したVlogを活用し、どのようにコマースに移すことができるかということを考えてきました。
アプリキャプチャー
―アプリの機能について教えてください。アプリ内にある「ViiVポイント」はどのように使用できますか?
ViiVポイントは、動画をアップしたり、いいねをしたりなどアプリ内でのアクションによって貯めることができます。そのポイントはViiV内で旅行商品を購入時に使用することができます。
現在、日本のアプリ内で旅行商品を販売したり、旅行時に必要となるWi-Fiや交通、物販ショップはまだありませんが、6月下旬に構築する予定です。機能がローンチされるとアプリ内で支払いをする際にViiVポイントを現金と同じように使うことができます。
-ViiV内で旅行商品の購入について詳しく教えてください。
ViiV内にアップロードされている動画を見て、「ここに行きたい」と思ったときに、他のアプリを介さずにそのままViiV内で旅行を予約したり、動画内で紹介されていたアクティビティを予約したりすることができるのです。
技術的に、第三者やOTAが保有しているAPIを私たちのアプリケーション内部にも彼らが保有している決済プラットフォームを全て入れられるようにします。現在、提携しているOTA(オンライン・トラベル・エージェント)は、韓国ではHOTELENJOY(ホテルエンジョイ)、グローバルではトリップアドバイザーとの提携で両社のAPIを取り込む作業の最終段階にあります。
ViiV内の映像から実際の旅行商品予約が成立すれば、その映像の制作者に手数料が入る利益シェア構造を構築する予定です。コンテンツのクリエイターは旅行をしながら収益も上がり、ユーザーは旅行先に対する正確な情報を簡単にキャッチすることができ、お互いにとってWin-Winな構造のサービスです。
韓国では実際に、7月にViiVから予約ができる旅行パッケージを販売します。日本でも今後同様の機能を追加する予定ですので、楽しみに待ってていただければと思います。
飛行機・宿泊・食事・カメラマン付
2泊3日コースツアーの京都パッケージプラン
―今後の日本ビジネスで重視していることを教えてください。
ViiVの日本チームには、私を含め戦略ディレクターや事業チームのメンバー、日本現地のメンバーを合わせると、5名以上が日本語を話すことができ、日本での経験があるチームが揃っている会社です。現在、かなり積極的に日本のビジネスをしており、日本国内でも映像を素敵に撮ってくれる旅行クリエイターの方々を多く発掘しています。
ViiVアプリを使用して活動するクリエイターのことをViiVa(ヴィーヴァ)と呼んでいます。ViiVaは2つに分けられるのですが、1つ目は、位置情報が入る旅行Vlog映像を提供する「コンテンツクリエイター」で、2つ目はホテル、旅行商品の販売または、広報をする「トリップインフルエンサー」です。現在、日本国内でViivaとして活動してくれるクリエイターを募集しています。
また、企業への投資に興味をお持ちの投資家の皆様はもちろん、旅行に関心のあるクリエイターやViiVを利用して映像をアップロードしてくださる方々に対して、私たちは適切な対価を提供することができます。
―最後に今後のビジョンについて教えてください。
国内外を問わずお話します。 VIDEOMONSTARは既存のビジネスモデルと、新しいViiVというアプリを通じた旅行ビジネスモデルがあり、合わせて売上高25億ウォンから30億ウォンを達成するのが現在の会社の目標です。 2つ目は、ViiVのダウンロード数、累積アプリケーションダウンロード数100万人をまず目標にしています。
そしてさらに、私たちが今企画する旅行商品、実際に大阪や京都などに行く旅行企画商品を1年に1,000個ほどを売り、旅行アプリとしてのローンチを成功させることがあります。最後に私たちは今資金調達中なので、目標としている資金調達をうまく終わらせることも一つの目標だと思います。
今後も多くの日本国内の企業やクリエイター、個人のインスタグラムインフルエンサーの方々とコラボレーションをしたいと思っています。
株式会社VIDEOMONSTAR ―キム・ギョンウン チーム長
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