CEO(共同代表)パク・ジェヨン
高麗大学保健科学大学学長。(前)国立慶尚大学医科大学教授。ソウル大学生命科学部博士。EMM/ Frontiers in Neuroscience 編集委員。技術移転1件。イオンチャネルに関する研究論文130編、特許10編Cell(2012)、Nature Comm(2014)、PNAS(2020)、EMBO reports(2021)、Oncogene(2021)など。イオンチャネル関連課題10以上および事業団に選定。
CEO(共同代表)チョン・インドク
(前)HLBサイエンス研究所長。(前)建国大学医学科助教授。ジョンズ・ホプキンス医科大学博士研究員。建陽大学免疫薬理学博士。フランス臨床1相IND承認経験。腫瘍および免疫学関連SCI論文100以上。国内外特許17編。未解決感染治療剤グローバル臨床試験承認課題実施 (2020年、福祉部)、および2022年保健医療R&D優秀成果事例に選定。
目次
難治性疾患治療薬特化!韓国新薬開発バイオベンチャーASTRION
弊社ASTRION(エストリオン)は、「脳科学の地平を切り開き、難治性疾患治療薬に特化したグローバルビッグファーマとして人類の福祉に貢献する」を経営理念に掲げ、2つの薬物スクリーニングプラットフォームを利用し、難治性がん治療薬及び退行性脳疾患治療薬を開発している新薬研究開発専門企業です。
脳神経科学専門家で高麗大学保健科学大学学長のパク・ジェヨン先生と、新薬開発経験のあるHLBサイエンス研究所長である私、チョン・インドクによって2021年に設立されました。
2025年1月現在、生物学関連分野の博士号・修士号取得者の研究員5名を含む、9名のメンバーで構成されています。
CEOパク・ジェヨン先生は、過去20年以上、脳の中にあるAstrocyte(アストロサイト)という細胞の中のイオンチャネルの機能研究に携わり、その中で、ANO1というイオンチャネルが、がんの特性を調節できる主要因子であることを発見しました。そして、それをきっかけに、ANO1チャンネルを基盤として難治性脳腫瘍の抗がん剤の開発を行うことになりました。
また、高麗大学教授と弊社のCTOを兼務されるユン・デソン副社長が、退行性脳疾患の原因タンパク質を分解する薬物スクリーニングプラットフォーム技術特許を保有しており、これを基盤としてパーキンソン病の治療薬も開発しております。
事業分野:技術移転、薬物スクリーニングサービス、診断キットの事業化
現在、弊社では、大きく分けて3つの事業を展開しています。
まず一つ目は、新薬を通じた技術移転です。
技術移転とは、技術の譲渡、実施許諾、合弁投資または買収、合併などの方法を通じて、技術が技術保有者からそれ以外の者に移転されることをいいます。
これにより、開発される新薬の品質維持、コスト管理、知的財産権保護ができるようになり、医薬品を安全かつ効率よく生産できます。
近年では、COVID-19ワクチンの技術移転についてのニュースが世界中で話題になりましたよね。
弊社では、現在、膠芽細胞腫(こうがさいぼうしゅ)、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、非小細胞肺がん、そしてパーキンソン病の治療薬の技術移転を行っています。
二つ目は、薬物スクリーニングサービスです。
弊社では、抗がん剤スクリーニングプラットフォームと退行性脳疾患治療薬スクリーニングプラットフォームを運営しています。
新薬を開発するプロセスでは、ターゲットに合う化合物の選別、いわゆるスクリーニングが必要なのですが、これを研究者の経験や勘にだけ依存してしまうと、非常に効率が悪くなってしまいます。そのため、弊社では成功率の高いスクリーニングを実現させようとAIを導入しました。成功率が上がれば、それだけ実験回数を抑えられますから、時間とコストの削減に繋がります。
私たちが主に研究している膠芽細胞腫は、世界保健機構(WHO)分類で最も悪性の腫瘍であるグレード4の原発性腫瘍であり、平均生存期間は約19ヶ月、5年平均生存率はわずか3%ほどです。また、パーキンソン病も、指定難病に分類されるほど治療が難しく、毎日苦しい闘病生活を送っている患者さんがたくさんいます。そういった患者さんのため、薬の開発期間を1日でも短縮したいという思いを常に心に抱きながら研究を続けています。
そして三つ目は、診断キットの事業化です。
私たちは、HLB Panagene(パナジン)と協力し、疾病診断キットの開発を行い、病気を治すという概念だけでなく、病気をできるだけ簡単に見つける技術も研究しています。
成功確率3万分の1の世界で、信頼し合えるパートナーを探す
新薬の開発には、膨大な時間と莫大な資金がかかります。
どこの国でも、医薬品が実際に社会で使われるまでには、素になる化学物質の発見から基礎研究、細胞試験、動物実験、臨床試験を経て、最終的に承認申請と審査が行われます。このように実に多くの段階をクリアする必要があるんです。
そのため、新薬開発の平均的な所要期間は約10~20年、成功確率は3万分の1とも言われています。
開発費用は数百億円以上になる場合もあります。
私たちのようなベンチャー企業には、大手企業のような大規模な予算はありませんから、必要な資金は全て自分たちで調達しなければなりませんし、私たちの研究の価値と可能性に共感して共同研究・開発をしてくださる企業や研究機関も探さなくてはなりません。
現在、膠芽細胞腫及びトリプルネガティブ乳がんの共同研究をしている株式会社Kolon Pharma(コーロン製薬)とは、『インタービズバイオパートナーシップ&投資フォーラム』というイベントでご縁を持ちました。
毎年開催されるこのイベントには、満たされていない医療需要の課題に取り組むバイオベンチャー企業やスタートアップ企業、学術機関、研究機関などに所属する、約2,000人が集まります。
イベントで初めてお会いし、双方の研究について、お互い納得がいくまで協議を重ね、8ヶ月の歳月をかけて、2024年3月パートナー契約に至りました。
心から信頼し合えるパートナーに出会えることは、本当に幸運なことです。
また、ハワイ州立大学とも、人脈を伝って、パートナーになり、トリプルネガティブ乳がんの共同研究を行っています。
このように、新薬開発に関する全てのことを自分たちで開拓するので、本当に大変ですが、何もないゼロの状態から、ひとつひとつクリアして目標に繋げていく。
この達成感は、大企業では味わえないと思います。
世界最大級の医薬品開発国家である日本で居場所を確立させたい
日本進出を考える理由は、その大きな市場規模に魅力を感じるからです。
日本では、政府が新薬開発競争力向上と製薬産業育成のための強力な支援策を進めています。創薬スタートアップへの支援強化から、希少医薬品確保のための規制緩和や国際共同臨床実験の推進、新薬開発のための国内外の主要企業との協力構築まで、さすが世界最大級の医薬品開発国家だと痛感させられる施策が非常に多いです。昨年12月にILS2024に参加したのも、日本市場の大きさを自分たちの目で直接確かめるためです。
高い技術を持ったスタートアップ企業があっても、初期バイオベンチャーに投資をするという概念自体が、あまり浸透していない現在の韓国で投資を受けることは、現実的に難しいですしね。
我々の直近の目標は、新薬開発環境が充実している経験豊富な日本の製薬会社と技術移転を含む共同研究・開発のパートナーになることです。
また、共同開発と分野は異なっても、医薬品生産インフラの構築や臨床開発の面でパートナーになれることもあります。どんなビジネスチャンスも無駄にすることなく、日本市場で確かな居場所を見つけられるように戦略的に活動していきたいと思っています。
私たちが行う研究・開発の目的は、全て難治性疾患に苦しむ患者さんのため
ASTRIONは、2021年に会社を設立してから現在まで、トライアンドエラーを繰り返しながら、同じ志を持つ頼もしい仲間たち、そして理念に共感してくださるパートナーと共に少しずつ目標に向かって歩んでまいりました。
新薬開発には、莫大な資金と膨大な時間の他に、途方もない努力と諦めない心が必要です。
私たちが行う全ての研究・開発の目的は、難治性疾患に苦しむ患者さんの未来を変えるために他なりません。
気の遠くなるような作業を毎日繰り返す地味な仕事ですが、専門的な領域を深く研究した者にしかできない仕事です。
私たちは、私たちが培ってきた知識と知見を最大限に活かし、難治性疾患の分野に挑戦し続けたい。この先も情熱を持って、優れたプラットフォームと技術力を武器に、従来の治療体系を大幅に変える、有用性の高いファーストインクラスを開発することにコミットしていきます。
私たちの事業に少しでも興味を持ってくださる日本企業の方がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちの研究内容について詳しくお話させていただきたいです。英語・日本語でも対応可能です。
直接お話しして初めて分かり合えることもきっとたくさんあると思います。
いつでもご連絡ください。

ASTRION
HP:http://www.astrion.co.kr/