株式会社Matched(マッチド) ‐イ・ヒョンホCOO

広告セールスを皮切りに数百件に及ぶオン·オフラインの多様なマーケティングキャンペーンを行った経験を持っており、マーケティングエージェンシー事業初期の立ち上げだけでなく、モバイルアプリ/ゲームマーケティングセールスリード、ブロックチェーン新事業マーケティングリード、モバイルEクーポンブランド提携総括などセールスマーケティング面での多様な経験を蓄積してきた。このような15年間の経歴をベースに、B2Bセールスに対する困難を誰よりもよく理解しており、これを基にB2Bマッチングプラットフォーム「Matched」事業を初期から総括し、COOを務める。


-貴社はどのような会社ですか?

私たちは意思決定権者のB2Bマッチングサービス「Matched(マッチド)」を運営しています。Matchedは2022年7月にオープンし、現在11ヶ月目で、会員登録企業数は1,000社を超えます。

多くの企業が、自社のソリューションや商品などを広めるために広報やマーケティングのニーズを持っていると考えています。B2B営業では、担当者同士のやり取りは比較的容易ですが、意思決定権者との接触は難しいものです。私たちは、企業が直接決済者とつながることを望むニーズがあることを認識しており、そのニーズを解決するために「Matched」というソリューションを提供しています。

Matchedの会員情報一覧ページ。役職を始め、企業の業種や社員数が掲載されている。/Matched提供

-貴社が提供するサービスの強みや特徴は何ですか?

まず1つ目の強みは、企業の意思決定権者を多く保有していることです。会員の中には、Cレベル以上の役職を持つ方が会員全体の65%以上です。なので、意思決定権者へ直接コンタクトしコミュニケーションをとり、ビジネス提案を迅速に行うことができます。

2つ目の強みは、B2B営業において、成功を検証するまでの時間を短縮できることです。一般的に、B2B営業は成果が出るまで、また検証できるまでに長い時間がかかります。しかし、長い時間をかけたとしても必ず成功するという保証があるわけではなく、さらに失敗と認識するまでにも非常に長い時間がかかります。つまり、B2B営業は「時間=コスト」になります。企業や担当者が、様々な機会に時間を使えるように効率的に営業をし、1つのビジネスにかかる時間を短縮できることが私たちのサービスの強みと言えます。これまでのMatchedはこのような強みを背景に成長してきました。そして、過去10ヶ月間のマッチング件数は約650件におよび多くのニーズを実感したため、6月からは有料モデルを追加しています。

– Cレベルの会員が多くいるとのことですが、これまでの集客の方法を教えてください。

Matchedを始める際、集客の方法について試行錯誤しました。しかし今振り返って考えてみると、実行した方法は珍しいものではありません。私たちの課題は、企業単位で流入させるのではなく、その企業の中にいるキーマンを会員にするということでした。

まず最初に費用をかけずに行ったことは、会社独自のネットワークを活用して紹介を受ける方法です。この方法ができた理由は、法人向けにデジタルギフトサービスを提供する「Smartcon Co., Ltd.」、「株式会社マフィン」という私たちのグループ会社があり、そこで培ってきたネットワークを活用することができたからです。この2社と関連するクライアントなどから紹介を受け会員を増やすことができました。

ペイドマーケティングなども検討しましたが、特定の役職をターゲティングできる媒体はほとんどありませんでした。

その他の方法として、私自身もオンラインマーケティング方面で多くの経験があったので、Linkedinなどのページをうまく活用してきました。現在ではフォロワーは700人です。また、韓国最大の名刺管理ツールであるRememberへのターゲティング広告掲載や、自社で作成したウェビナーからの加入もありました。そして弊社のサイトにあるブログにも自社コンテンツを発信し続け、ネイバーブログの運営も行い、ブログのフォロワー数は2000人になりました。

現在はオーガニックユーザーの割合も増えてきており、コストを削減した集客ができるようになってきました。

– 有料版と無料版にはどのような違いがありますか?

無料会員にはメッセージ発信回数やミーティングを希望するなどアクションに制限があります。有料版はプランに応じて使用可能な機能に違いがあります。

10ヵ月間の無料期間は会社にとって金銭的な報酬はありませんでしたが、多くの顧客を得ることができたので、かなり有意義な投資だったと自信を持って言えます。

また、弊社サイトに掲載しているインタビューは有料会員向けに提供しているサービスで弊社のSNSやブログにも掲載されます。まだ始めたばかりのサービスですが、インタビュー記事の掲載を希望する企業はかなり多いです。できるだけ有料会員の方々に密着しながら、企業の成功をサポートしていきたいと思っています。

自社で作成しているインタビュー記事/Matched提供



 -今後の日本進出計画はありますか?

日本進出について計画するにはまだ少し早いと思いますが、もし海外進出まで検討することになればまず地理的に近いアジア諸国から進出しようと考えています。事業を始めてからまだ1年も経っていないので、まずは韓国内でさらに成長することが必要だと考えています。

また、このビジネスは時間との戦いだと思います。というのも、時間が経つにつれてMatchedに多くの意思決定権者が集まり、ユーザーのビジネス成功率が高くなるからです。その結果、私たちが提供できるサービスの幅が広がり、海外進出も可能になると思います。私たちの親会社である株式会社マフィンは日本に拠点があるので、日本進出は比較的容易な方であると思っています。 実際にMatched内で日本進出を希望していたり、日本での事業を計画中であったりと、日本市場に参入したいニーズがありますが、現在では親会社を通じて進行中です。Matchedは韓国内を対象にサービスを提供中ですが、今後は韓国企業が日本進出、海外進出を希望する場合に進出先の現地企業とつながることができる橋渡しの役割をしたいと思います。

-実際のユーザーの活用事例を教えてください。

当社サービスの性質上、ユーザー間の契約成立可否までを正確に把握することはできず、私たちの役割は、お互いのニーズを把握して意思決定権者をマッチングさせることです。その後の進捗を把握するためには直接フィードバックを受ける方法しかありません。

これまでに受けたフィードバックは、「無料であるにもかかわらずクライアントと繋がることができた」や、「見込みのある企業と提携したり、今後クライアントになる可能性のある企業とマッチングした」などがありました。また、3カ月間のベータサービス期間内に成果が出たケースもありました。

サービス提供初期はこの事業について、期待と恐怖が半々でした。しかし、このような実質的なフィードバックをかなり早い段階で得ることができ「本当に意味があるビジネスなんだ」と思うようになりました。

-今後の計画や目標について教えてください。

目標は、残りの半年間で会員企業数累積2,000社、そして来年までに5,000社を集めることです。

この目標数字の根拠は日本と関係があります。実は、日本でベンチマークしたサービスがあります。調査を進める中で、日本では少なくとも約5,000〜6,000社ほど集まれば、かなりパワフルなB2B営業ソリューションが可能だそうです。そのため、来年弊社が5,000社の企業を集めることができれば、韓国では独歩的な意思決定権者B2Bマッチングサービスとして位置づけられるだろうと思っています。

-最後に読者に伝えたいことはありますか?

韓国にもこのようなサービスがあるということをまず知っていただきたいです。また日本では、韓国のスタートアップやITビジネスに対する関心が高いので、韓国企業の日本進出、あるいは当社の会員企業と日本企業とのマッチングを可能にしていきたいです。私たちはクロスボーダープラットフォームではありませんが、様々な側面から成長していきたいと思っています。また、日本でも韓国企業とのマッチングを必要とするニーズが発生した場合は、私たちがサポートしたいと思っています。このように国際的なネットワークを作り始めれば、現在韓国の会員の方々に提供できるもう一つの新しいドアができると思っています。


株式会社Matched

会社HP : https://matched.biz

Naver blog : https://blog.naver.com/matched_official

Linked in page : https://www.linkedin.com/company/matched-team

Facebook page : https://www.facebook.com/b2bmatched