第五回:国ごとの〝違い〟を反映したビジネスモデルに価値がある
―韓国のスタートアップに対しては、どのような印象をお持ちですか。
孫さん 正直、国単位でスタートアップのことを捉えていないので、あまり想像がつきません。日本のスタートアップについても同じように聞かれることがありますが、やはり国単位で物事を捉えていないので、答えに窮してしまうことが多いです。
―とはいえ、国によって何らかの傾向はありそうな気がします。
孫さん そうですね。国ごとに法体系や規制、さらには環境が大きく異なるので、スタートアップもそういった差異の影響を大きく受けることになります。たとえば日本では超高齢化社会が進み、介護先進国となりつつありますので、その〝差異〟を反映したビジネスモデルを生み出すことができれば、日本や韓国にかぎらず世界にむけて先進的なものとして打ち出すことができるのではないでしょうか。
―「KORIT」では韓国の情報を精力的に日本に発信していきたいと考えていますが、そういった情報発信に関して何かアドバイスはありますか。
孫さん 今やあらゆる情報がインターネット上に掲載されているので、たんに韓国の記事を日本語に翻訳して伝えるだけではあまり意味はありません。韓国の情報やトレンドのなかで、日本にとって新鮮なものをピックアップしたり、なぜそれが韓国で誕生し、ウケているのかといった視点が付加されていれば、日本人にとってより興味深いものになるでしょうし、ときにはそれがあらたなビジネスを生み出すヒントになると思います。ぜひともそういった刺激的なメディアに育て上げてほしいと思います。