インタビュー

AI分析で「フードロス削減」と「食習慣デジタルヘルスケア」を進める|Nuvilab キム・デフン代表

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株式会社Nuvilab(ヌビラボ)

フードロスという全世界での社会問題を解決しようと2018年に設立。「フードテック」、「持続可能性」、「ヘルスケア」の分野でAIやビックデータなどの技術を活用し、フードロス削減に加え、食習慣に関するデジタルヘルスケア市場に参入し、個人の健康や環境問題を解決することを目指している。


ー「第1回KNOCKKNOCKJAPAN」参加企業であるフードテック分野のスタートアップ「Nuvilab」のキム・デフン代表(写真)にKORITが独占インタビューをしました。


-Nuvilabはどんな会社ですか?

「Earth Care,Health Care」をモットーに、2018年11月にスタートしたNuvilab(ヌビラボ)は、個人別に給食の消費量や残飯データを分析し、食生活分析ベースのカスタマイズソリューションを提供する企業です。NuvilabはAIのフードスキャナーを利用してユーザーの食品トレイやお皿を簡単にスキャンした後、食品の種類と重量データを1秒以内に測定・収集できる技術を保有しています。

このようなフードスキャンを利用して消費される食品をデータ化し、投入される食材の量を最適化することで、フードロスを減らして環境保護や資源の節約に貢献するフードロス削減ソリューションと、摂取栄養成分、カロリー、食事時間などを分析してくれるヘルスケアソリューションを提供しています。 

Nuvilabは可能性と技術を認められ、2021年7月にトップティア投資会社であるNAVER、We Ventures(ウィベンチャーズ)、Capstone Partners(キャプストンパートナーズ)、ソウル投資パートナーズからプレシリーズAの資金調達(18億ウォン、約1.9億円)をしました。このほか、CESイノベーション賞2冠王、環境創業大戦で大賞、ソーシャルベンチャー大戦で最優秀賞、2回連続でAIチャレンジ(韓国最大AI競進大会)研究機関や、韓国の中小ベンチャー企業部が運営するスタートアップ支援プログラム「TIPS」の選定などを通じて急速に成長しています。 

 

-Nuvilabが提供するサービスはどのような強みと特徴がありますか?

食品の種類と量を認識できるセンサーを導入した3Dフードスキャナーは、ユーザーごとに摂取量と残量を迅速かつ正確に測定します。これらの摂取量情報と自社開発したAI分析アルゴリズムにより、ユーザーに食事時間、摂取栄養素などの食習慣の特性とともにヘルスケアソリューションを提供します。

また、分析データをもとに企業や団体は食材費、残飯処理コストを削減し、食品の質向上が可能となります。環境と人類の健康の両方を考慮した製品開発を通じて、持続可能な成長を追求しています。

Nuvilabが持つ技術は、ディープラーニング(CNN)画像認識技術と3Dビジョン技術です。これらの技術により、Nuvilabは収集された食品画像の種類、量、栄養成分を把握し、ビッグデータ記録を通じて飲料水予測をと栄養摂取バランス度、食事速度、好みの食品など個人別の食習慣データを分析します。また、データマイニングと分析データの可視化により、フードロスの削減に最適化されたeco-cafeteria(エコカフェテリア)サービスの提供が可能です。

私たちが持っている技術は、非接触スキャンで食べ物の種類と量を把握し、ユーザーの個別の行動の変化を必要としないので便利に利用することが可能です。また、競合他社に対する運用コストが50%以上低いというメリットを持っています。

Nuvilabは現在、食品自動認識および測定関連技術に関する特許を22件(PCT技術特許1件、韓国内技術特許21件)を保有しています。


-主要なクライアント先はどこでしょうか、またNuvilabのソリューションがもたらす効果は何でしょうか?

 Nuvilabは現在、韓国内の70以上の事業所でサービスを提供しています。学校、官公庁、軍隊など政府機関の約40カ所にサービスを提供しており、企業はサムスン、SKT、新世界デパートなど10カ所、そして幼稚園、保育園など乳幼児関連施設の20カ所にもソリューションを提供しています。現在、NuvilabはNestlé(ネスレ)、Microsoft、Compass、Sodexoなど海外企業ともコラボレーションを進めています。

2022年5月末時点で、これまでAIフードスキャナー技術で削減した食品の廃棄量は約5145トンで、約875万㎏の二酸化炭素を削減し、これは96万1093本の木を植えた効果と同じ値です。


-日本市場をどのように見ていますか?

全世界のフルサービスレストランサービス市場規模は$1.2T(約166兆円)、日本全国レストラン市場規模は5.2兆円、日本フルサービスレストラン市場規模は3.1兆円です。

上記のレストラン市場規模のほか、65歳以上の高齢人口増加による(2021年、全人口比29.1%)、日本市場内の高齢人口対象、ヘルスケア市場規模は2025年までに約6,400億円以上増加すると見込まれています。 


-創業をすることになったきっかけは何ですか?

国連環境計画(UNEP)が発行した「2021年廃棄物指数報告書」によると、年間を通じて世界中から捨てられた食品は9億3100万トンに達しています。そして、グローバル温室効果ガスの総排出量の8〜10%を占めています。

食べ物は簡単に腐敗し、臭いや浸出水が発生する特徴があり、処理にも頭を悩まされます。社会的にかかる費用も多く、韓国では食品廃棄物を処理するのに年間1兆ウォン(約1,053億円)以上かかっています。流通や調理過程から出るごみが最も多いですが、食べ残しも30%に達します。このように、ごみは個人問題を超えた全世界の課題ですが、この問題を個人の実践にのみに任せるには限界があります。

現代自動車で働いている際に、このような社会的問題を解決しようと創業をすることになりました。共同創業者であるリュ・ジェユンCTOと現代自動車グループで自動車の新技術関連研究を行い、物体と車の間の距離情報を通じて、車の前にどんな障害物があるのかを把握し、把握した情報に基づいて車がどれだけ早く旋回すべきかについてのソリューションを研究しました。私とリュCTOは会社を退職し、Nuvilabを立ち上げ、この技術をフードテックに活かしました。

 

-今後の計画や目標を教えてください。

資金調達については、2023年までにNuvilabはAIモデルを改善し、分析精度と新メニューの自動学習を改善するために約80億ウォン(約8.4億円)のシリーズAを模索しています。

一方、Nuvilabの事業目標は、保育園から療養施設まで生涯のサイクルにわたって「フードデジタル化」を実現することです。 市場調査機関GIA(Global Industry Analysts)は、グローバルデジタルヘルスケア市場規模を2020年に1,525億ドル規模から2027年に5,088億ドル規模に、年平均18.8%の成長率を見せると予想しています。このように急成長しているデジタルヘルスケア市場には、遺伝子、睡眠、身体信号を活用したさまざまな機器やサービスがあります。

しかし、食習慣に関連するデジタルヘルスケア市場は現在不十分です。Nuvilabはフードスキャナーを超えて、モバイルでもサービスを拡大し、世界中の人の食事をデータ化し、個人の健康や環境問題を解決するサービスを構築したいと考えています。

そのために、Nuvilabは、グローバルヘルスケア市場への参入のため、CES、MWCなどの世界最大のIT展示会に参加し、海外のヘルスケア関連企業とのコラボレーションを求め、海外消費者向けのPoCを推進しようとしています。



株式会社Nuvilab(ヌビラボ)-キム・デフン代表

会社HP:www.nuvi-labs.com

Linkedin:https://kr.linkedin.com/company/nuvi-lab

 

写真提供:Nuvilab



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/media/KORIT編集部
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