電子黒板市場の未来とAHAの日本進出戦略|株式会社AHA-高橋 貞行代表
本記事では11月20日、21日に東京ビッグサイトで開催される「Startup JAPAN 2024 – 秋 -」に参加する中小ベンチャー企業のうち株式会社AHA 高橋貞行代表へのインタビューをお届けします!
■「Startup JAPAN 2024 – 秋 -」について
「Startup JAPAN 2024 – 秋 -」(以降本イベント)は、スタートアップ業界における日本最大級の展示会です。4回目となる今回は、前回比1.2倍となる300社のスタートアップやスタートアップ支援企業が出展し、1万2000人のスタートアップ関係者が参加します。国内のみならず海外のスタートアップも出展し、最新のサービスや技術を体験することができます。中でも韓国からは27社のスタートアップが出展予定となっています。
カンファレンスでは、合同会社DMM.com 会長兼CEOである亀山 敬司氏が登壇するほか、スタートアップ支援の拠点として注目されている名古屋市と福岡市の取り組み事例を紹介するセッションなど、多数のプログラムを用意しています。他にもピッチステージや交流会などのプログラムを通じてスタートアップとのネットワークづくりをしていただくことが可能です。
(出典:「Startup JAPAN 2024 – 秋 -」イベントHP)
株式会社AHA - 高橋 貞行代表
高橋貞行代表は、大学卒業後、大手半導体関連企業に就職。その後、ベンチャー企業に転職し、イメージセンサーを活用した電子黒板用タッチパネルの開発に携わる。開発した製品はAHAにも提供され、これをきっかけにAHAの日本法人に入社。2022年には日本法人の代表に就任し、事業の成長と発展に貢献している。
-貴社はどのような会社でしょうか?
株式会社AHAは、韓国に本社を置くAHA Co.,Ltdの日本法人です。AHAは韓国市場において電子黒板のシェアでトップを誇り、これまで63カ国以上への輸出実績を持っています。
日本ではGIGAスクール構想による教育のデジタル化の推進に伴い、電子黒板の需要が急速に拡大しています。そのような市場動向を踏まえ、私たちは日本に現地法人を設立し、主に学校向けに電子黒板の販売を行っています。
さらに、今年は日本国内に工場を設立、日本国内での組み立てを開始し、「Made in Japan」製品の製造を計画しています。これにより、品質や供給の面でもさらなる信頼性を高めていきます。
また、新規事業としてヘルスケア分野やモビリティ分野への取り組みにも力を入れています。具体的には、ストリーマプラズマ技術を活用した高い除菌力を持つ空気清浄機や、電気自動車向けの充電器の販売を行っています。
これらの製品は、私たちの技術力を駆使し、顧客のニーズに応えるべく開発されています。
-貴社のサービスは主にB2B/B2Cのどちらに提供されますか?日本でも同じビジネスモデルで進出する計画ですか?
弊社のサービスは主にB2Bビジネスモデルを採用しています。
韓国と日本では流通や販売環境が異なるため、同じビジネスモデルをそのまま適用することは困難です。例えば、韓国では各地方に100社以上の小規模な代理店を経由して販売を行っていますが、日本では主に大手販売代理店を通じて製品を供給しています。
また、韓国では新製品を迅速に市場に投入できる環境が整っていますが、日本では製品の紹介から納入までに時間がかかることが一般的です。これにより、日本市場では慎重なアプローチが求められ、導入までのプロセスが長期化することが多いです。
このような各国の違いを考慮しながら、同じB2Bではありながらもそれぞれの国の環境に合わせたビジネスモデルを適用していくことに尽力しています。
ー他社にない貴社の魅力と強みはなんですか?
弊社の魅力と強みに関しては、まず、マーケットニーズを迅速かつ的確に取り込んでいく力が挙げられます。私たちは常に市場の動向を見極め、使いやすさを重視した製品作りに注力しています。
また、そうして収集したマーケットのニーズを新製品の開発に非常に早いスピードで活用できることも弊社の強みです。迅速な開発プロセスにより、競合他社よりも早く市場に対応した新製品を提供することが可能です。
さらに、現在日本で発売されている同様の製品と比較して、弊社の製品は優れた性能を持ちながらも、価格面では非常に競争力があります。この点で多くのお客様から高い評価をいただいています。
-韓国と日本のビジネスに関する共通点はありますか?
韓国と日本のビジネスの共通点について言えば、電子黒板の購入において、両国とも国の予算を使用している点が挙げられます。教育のデジタル化を推進する中で、政府が電子黒板の導入を支援しているという点は共通しています。
-逆に各国における違いや特徴はありますか?
まず、先ほども触れたように流通チャネルの違いが顕著です。韓国では、小さな代理店が地域ごとに100社以上存在し、製品の販売を広範にサポートしていますが、日本では主に大手販売代理店を通じて流通しています。
また、日本の特徴としては製品の売り込みから採用までに時間がかかるという点があげられます。流通チャネルに関わる会社の規模の違いもありますが、韓国と比較して日本の顧客は、新しい取引先や製品に対して慎重であるという点も関係しています。
そのため、たとえ製品が良質でかつ低廉な価格であっても、それだけですぐに購入や契約に直結するわけではありません。多くの時間を費やして信頼を得ることが必要であり、顧客が信頼を寄せるようになれば、多少価格が高くても選ばれることが多いです。また、その信頼の裏付けとして日本では実績を重視する文化が根付いており、これがビジネスの決定に大きな影響を与えています。
ー日本進出の一番大きな理由はなんですか?これから日本でもっと力を入れたいのはどのような点でしょうか?
日本進出の一番大きな理由は、日本では電子黒板市場がまだ普及の途上にあり、今後大きなマーケットになる可能性が高いことです。この成長の見込みがある市場で弊社の製品や技術を広めることで、シェアを拡大していきたいと考えています。
そのために、日本市場においてはAHAのブランドイメージを確立することが重要な目標です。これにより、日本国内での認知度を高め、教育や他の産業でAHAの製品を多くの方々に知っていただきたいと考えています。
-貴社の今後のビジョンを教えてください
弊社の製品はその性能の良さが業界内でも評価されているため、代理店販売に加えて、OEM(相手先ブランド製造)やODM(設計から製造まで請け負う製造業務)による販売にも力を入れていきたいと考えています。この戦略により、より多くの企業とパートナーシップを築き、AHAの技術と品質を広く提供することを目指しています。
また、これから特に力を入れたいのはヘルスケアや電気自動車市場といった分野です。これらの分野はさらに成長していくと予測されており、弊社の技術を活かすこともできる分野であると考えております。
今後も、日本市場において高品質な製品とサービスを提供し、教育やヘルスケア、モビリティなど幅広い分野で貢献していきたいと考えています。
株式会社AHA - 高橋 貞行代表
HP(日本):https://ahatouch.jp
HP(韓国) : https://i-aha.com/
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