韓国南東部の大邱慶北(テグ・キョンブク)科学技術院(DGIST、イ・ゴンウ総長)の学内創業企業が、政府と民間の主要起業支援事業に相次いで選定され、優れた技術力と市場競争力を立証した。
9日、DGISTによると、学内創業企業が政府の代表的な技術起業支援事業「TIPS(ティップス)」に5年連続で選定される成果を上げた。中小ベンチャー企業部(省)が運営するTIPSは、民間投資会社と協力して有望な技術スタートアップを発掘し、投資、研究開発(R&D)資金などを集中支援する制度だ。
TIPSに選ばれたDGIST創業企業は、社員創業企業4PMx(フォーピーエムエックス、アン・ジヌン代表)、学生創業企業REPILL(イ・ジウン代表)とQD(キューディー、パク・ジニョン代表)の3社だ。
DGIST知能型ロボット研究部のアン・ジヌン責任研究員が創業した4PMxは、慢性疼痛(とうつう)診断及び治療ソリューションを提供する医療機器専門企業だ。疼痛多元検査機器と疼痛診断人工知能(AI)医療ソフトウェアを開発し、発売を控えている。
DGIST基礎学部を卒業したイ・ジウン氏が創業したREPILLは、中小型二酸化炭素捕集システムを開発している。二酸化炭素を環境にやさしい炭酸塩に転換する技術を有しており、エコソリューションとして注目されている。
QDはDGISTエネルギー工学科博士課程生のパク・ジニョン氏が創業した企業で、Lead Sulfide(PbS)量子ドットを活用した赤外線センサーを開発中だ。既存の素材に比べて価格を30分の1レベルに下げられる技術だ。自律走行及び赤外線カメラ市場で国産化を推進し、商用化を準備している。
これと共に、サムスン電子のスタートアップ育成プログラム「C-Lab(シーラボ)アウトサイド」には、Imsystem(アイムシステム、キム・ジニョン代表)とUNIVA(ユニバー、ナム・ミョンジン代表)が選ばれた。両社は3年連続で、当該プログラムに名を連ねた。C-Labアウトサイドは創造性と技術力を備えたスタートアップを発掘し、事業支援金、業務スペース、韓国内外での展示会の参加の機会及びサムスン電子との事業協力の可能性を提供するプログラムだ。
DGISTバイオメディカル研究部のキム・ジニョン責任研究員と、ロボット及び機械電子工学科のチェ・ホンス教授が共同で創業したImsystemは、磁場を利用した血管介入療法システムを開発している。既存の施術方式に比べ、放射線の露出を最小化でき、患者と医療スタッフの安全性を高められることが特徴だ。この技術は今年初め、「CES 2025イノベーション賞」を受賞した。
UNIVAはDGIST基礎学部を卒業したナム・ミョンジン氏が創業した企業で、オンデバイス環境で動作するマルチモーダル超巨大言語モデル(LLM)の開発を目指している。最近は韓国語特化AIモデル「DeepSeek-Blossom(ディープシーク・ブラッサム)」シリーズをオープンソースで公開し、韓国内外のAI市場で注目されている。
DGISTのイ・ゴンウ総長は「創業企業が革新的な技術力をもとに政府・民間の起業支援事業で相次いで成果を上げている」とし、「DGISTは今後も技術創業を積極的に支援し、起業エコシステムを活性化して、企業がグローバル市場で競争力が持てるよう努力していく」と話した。
<画像:左からTIPSプログラムに選ばれたDGIST学内創業企業代表(アン・ジヌン、イ・ジウン、パク・ジニョン各氏)と、C-Lab選定創業企業の代表(キム・ジニョン、ナム・ミョンジン両氏)。>