世界は変わった。昔は履歴書1枚書くのに数日かかった。今はボタン一つで千枚の履歴書ができる。それもそれぞれ違う顔をしたまま。推薦書も、自己紹介書も、技能経歴書も全てあっという間に完成する。誰もが自分自身を最大限に包み込むことができるようになったのだ。

Remote(リモート)が10ヶ国の4,126人の企業リーダーと採用担当者に調査した結果を見ると、「履歴書洪水」の波が見られる。企業は注がれる書類の流れの中を泳ぐために、平均9.24日を消費する。ただ不適格な履歴書を除外するためだけに。これは1ヶ月の勤務日のほぼ半分に相当する時間だ。採用担当者は人材を発掘する代わりに、偽物を見つけることに費やし、時間を無駄にしているわけだ。

回答者の4分の1は「こなし切れない量の履歴書」を受理していると吐露した。生成型AIの登場以降、変わった風景だ。誰でも完璧な履歴書が作れるようになり、みんなが完璧な世の中。不思議なことに、その完璧さがむしろ混乱を生んでいる。全ての応募者が同じように素晴らしく見えるため、本当に素晴らしい人材を見つけるのがより難しくなったのだ。

「あなたが一生懸命書いた履歴書が、採用担当者にとっては、ChatGPT(チャットジーピーティー)に『私の経歴を見栄え良く包んでくれ』と言った結果物に過ぎない」。

調査回答者の65%は「適格でない応募者が大幅に増えた」と感じており、73%は「過去6カ月間に生成型AIで作成された履歴書から虚偽情報を発見した」と話した。嘘も品格があるように包み込める時代が来たのだ。AIは誰かの不足した経験をもっともらしいストーリーで満たし、ない技術を持っているように表現する。それも採用担当者が好むキーワードでいっぱいになって。

妙に履歴書はあふれているのに、38%の企業は依然として適正な人材を見つけることができず、やきもきしている。まるで砂漠で喉が渇いて死んでいく人が蜃気楼(しんきろう)を見るように。数多くの履歴書が本物の人材を覆う霧になってしまった。採用担当者たちは「全てが完璧に見えて、むしろ何も信じられなくなった」と話す。

「ムッチマジウォン(手当たり次第に応募)」という新造語も生まれた。ワンクリックで数十社に同時に応募する現象だ。求職者たちはまるで宝くじを買うように履歴書を手当たり次第に送る。当選するかもしれないから。どのみちAIが各社に合った履歴書を作ってくれるので、応募するための努力はほとんどいらない。かつては、ある会社に応募するために数日悩んで準備していた時代があった。今は昼休みにコーヒーを1杯飲みながら50社に応募できる時代だ。

企業の対応は様々だ。39%は履歴書を審査する時間を短縮した。より短く、より表面的に。しかし、これは良い人材を見逃す危険性を高める。今や、おそらく多くの人事担当者は、履歴書を読むのではなくスキャンする感覚で審査しているだろう。最初の10秒以内に目に留まらなければ脱落。それが現実になっている。

29%は事前評価テストを導入し、28%は特定分野の採用に特化したソリューション企業とタッグを組んだ。言葉ではそう言っていても、実際は無能な応募者を弾くために装置を使う。27%は職務技術書を再検討するのに時間を費やしている。具体的で明確な要件を提示することで、無分別な応募を減らそうとの努力だ。

興味深いのは、4分の1の企業がAIによる問題をAIで解決しようとしている点だ。火を火で治める戦略。AIが作った履歴書をAIで選別するのだ。韓国企業の中でも、22%が人材の選考にAIを積極的に活用していると答えた。今、我々はAIが書いた履歴書をAIが読んで、AIが判断する奇妙な世界に生きている。人間はただ最終面接でのみ登場する特別ゲストになっている。

「あなたの履歴書はAIの審査に通過しました。次は、人間である私の審査も通過してください」。

Remoteのヨプ・バン・ザ・ブルトCEOは「AIの発達が採用市場に大きな変化をもたらした」とし、「幸い多くの企業がこのような問題を素早く把握し、AI技術が組み込まれたHRソリューションを導入するなどし、問題を解決している」と話した。また、「スキルの検証及び、行政業務の採用現場でも、AI技術の活用度が急速に増加している」と付け加えた。

これら全ての変化の中で、最も重要な問いが残っている。真の人材はどうしたら発見できるのか。AIが作った華やかな包みの中で、本物の能力と情熱を持った人材をどうやって見つけるのか?履歴書がもはや人を判断する基準にならないのならば、我々は何を見る必要があるのか?

おそらく、企業はすぐに履歴書自体の重要度を下げ、課題の実行や、時間をかけた面接など、他の評価方法に重きを置くだろう。生成型AIの登場は、採用市場を一変させるきっかけになるかもしれない。履歴書という古い慣行がついにその寿命が尽きる瞬間かもしれない。

今、我々はAIが作った履歴書をAIが読む時代に生きている。人間はその間に何をするのか?おそらくその答えを見つけるのに9.24日以上の時間が必要かもしれない。そして、その答えが見つかったら、我々は別の採用の時代を迎えることになるだろう。

原文:https://platum.kr/archives/255003