日常生活で人工知能(AI)の使用が普遍化したにもかかわらず、消費者の信頼度は依然として低い水準であることが分かった。特に、生成型AIサービスに対する消費者の満足度が全般的に芳しくなく、AI企業の信頼度向上が喫緊の課題として浮上した。
データ収集プラットフォームのPickply(ピックプリー)が2月13日から14日までの2日間、全国の10代以上の消費者1,002人を対象に行ったアンケート調査によると、回答者の89.7%が「AI技術やサービスを使った経験がある」と答えた。AIが既に日常の領域に深く入ってきたことを示す結果だ。
AI利用経験者の79.2%は検索および情報探索の目的でAIを活用しており、生成型AIは、回答者の84.6%が使用経験があると答えた。特に、生成型AIのサービスの中ではChatGPT(チャットジーピーティー)が93.9%と、圧倒的な使用率を記録した。
しかし、高い使用率とは異なり、消費者の満足度は期待に及ばなかった。消費者推薦指数(NPS)の調査の結果、ChatGPTすら-3点を記録し、以下、Gemini(ジェミニ、-26点)、Wrtn(リートン、-38点)、Hyper CLOVA X(ハイパークローバエックス、-40点)、DeepSeek(ディープシーク、-41点)の順となり、ほとんどのAIサービスが否定的な評価を受けた。NPSは最大100点から最低-100点まで測定できる顧客忠誠度指標だ。
企業のAI活用に対する消費者の認識も交錯している。企業のAIサービス活用の必要性については61.3%が肯定的に答えたのに対し、AIを積極的に活用する企業に対する信頼度は41.3%にとどまった。これは、AI技術の必要性は認めながらも、実際の活用については依然として不信感が存在することを示している。
特に注目すべき点は、消費者が挙げたAIサービス導入の中核要素だ。回答者は「サービスの正確性と信頼性」(43.7%)と、「個人情報保護及びセキュリティポリシー」(30.9%)を重要な要素として選択した。2つの要素が回答全体の74.6%を占めたという点で、企業のAI導入成果は結局、信頼性とセキュリティにかかっていることを示唆している。
Pickplyのリサーチチームは「現在、AIサービス全体の満足度と信頼度は低い水準だが、ChatGPTのように高い認知度と着実なサービスの改善を通じてブランドの信頼を積み重ねてきた企業は、比較的高い信頼度を確保できた」と分析した。
その上で、「今後、AI時代に、企業が消費者の信頼を得るためには、サービスの正確性と信頼性の確保、個人情報保護の強化、AI活用の透明性向上がカギとなる」とし、「企業はAI導入による革新の追求とともに倫理的運営および消費者と積極的にコミュニケーションを取ることも考えるべきだ」と提言した。
今回の調査は全国の10代以上の消費者1,002人を対象に行われ、回答者の53.9%が女性、46.1%が男性だった。年齢帯別では30代が30.1%で最も多く、以下、20代(27.2%)、40代(22.9%)の順だった。回答者の半数以上(51.4%)が会社員だった。Pickplyは、データスタートアップR2Cカンパニーが2022年に立ち上げたデータ収集プラットフォームだ。