東京メトロが日本の鉄道会社として初めて、顧客サービスと内部業務に生成型AI(人工知能)を同時導入した。韓国のLLMオールインワンソリューション企業Allganize(オルガナイズ)が開発したプラットフォーム「Alli(アリー)」を活用することを決め、今後、顧客体験の向上と業務の効率化を図る。
今回の導入で、東京メトロの顧客用チャットボット機能が大幅に強化される見通しだ。新たなAIベースのチャットボットは、既存の定型化された回答を越え、公式ウェブサイトなど社内データをリアルタイムに分析し、最適な回答を生成する。Allganize独自のRAG(Retrieval-Augmented Generation) 技術により、表や手書きの文字を含む複雑な文書まで理解できるようになった。
東京メトロの関係者は「年間約25万件の電話応対や、10万件のEメールを処理する顧客センターの業務効率が大幅に改善されるだろう」と話した。
特に注目すべき点は、紛失物の受け付けプロセスの改善だ。これまで、Eメールを通じて様々な情報を順番にやり取りしなければならなかった煩わしいプロセスが、チャットボットを通じて一度に解決できるようになった。顧客はチャットボットの案内に従って個人情報や紛失状況、物の情報、写真などを一括提出できる。
AllganizeのAlliアプリマーケットは、東京メトロの社員たちの業務の自動化にも寄与する見込みだ。このプラットフォームは、自動返答生成、Eメール作成、文書の要約、報告書の作成など、様々なLLMベースのアプリケーションを提供する。社員たちは、業務の目的に応じてChatGPT(チャットジーピーティー)、 Gemini(ジェミニ)、 Claude(クロード)など、様々なLLMモデルを選択し活用することができる。
Allganizeのイ・チャンス代表は「390社あまりの海外の取引先にサービスを提供した経験がベースとなり、東京メトロへのソリューションを無事供給できた」とし、「今後も様々な産業分野で生成型AI技術を拡大適用していく計画だ」と明らかにした。