「クジラ」型のLLMより「イルカ」型のコンセプトで対抗すべし

世界市場でのAI競争が「規模の競争」に発展する中、韓国企業は差別化されたサービスコンセプトで勝負をかけるべきだという業界の意見が少なくない。Google PlayやApple App Storeのようなプラットフォームを模倣して中途半端な韓国産のアプリマーケットを作るのではなく、そのエコシステム内で市場を攻略するための「キラーアプリ」を作ることに成功した企業の事例を参考にすべきだという指摘がある。

22日、業界関係者によると、韓国ではNAVER(ネイバー{203,000ウォン ▲2,000 +1.00%})が独自に開発した韓国語特化型のLLM(大規模言語モデル)『HyperCLOVA(ハイパークローバー)X』で海外企業に対抗しているが、今後の展望は不透明な状況である。

LLMの開発には、AIモデルの学習に必要な高品質なデータの収集、コンピューティングリソース、優秀な人材の確保など、莫大なコストがかかる。このため、資金面で余力のあるグローバルビッグテックが主要なAI事業者として台頭している。こうした中、韓国IT業界の二大巨頭の一つであるKakao(カカオ{39,700ウォン 0.00%}) は、自社のLLMである「KoGPT」で勝負するのではなく、これを一部活用したAIエージェントサービス「KANANA(カナナ)」を通じて市場への挑戦を決断した。

また、オープンソースLLMを活用したサービスで市場参入を図る韓国企業も少なくない。SK telecom(SKテレコム{56,300ウォン ▼400 -0.71%})のAIエージェント「A.(エードット)」も、自社開発のLLM「A.X(エードットエックス)」だけでなく、ChatGPTやClaude(クロード)などのさまざまな汎用LLMを基盤にしたハイブリッドモデルである。Perplexity(パープレキシティ)やMeta(メタ)のLIMA(リマ)を活用するスタートアップも増えている。

汎用LLMに挑戦せず、特定分野に特化したLLMを構築する企業の事例も多い。NCSOFT(エヌシーソフト{201,000ウォン ▼1,000 -0.50%})は韓国語・ゲームに特化した中小規模言語モデル「VARCO(バルコ)」を開発し、主力事業であるゲームとのシナジーを生み出している。NTTやソフトバンクなどの日本企業も、日本語に特化したり金融などの専門分野に活用できる「カスタム型言語モデル」やサービスを開発し、即座に実務で活用できる体制を整えている。

韓国のスタートアップの活躍も目立つ。Upstage(アップステージ)は、OCR(光学文字認識)分野で最高権威の大会において、Amazon(アマゾン)やNVIDIA(エヌビディア)などのグローバルビッグテックを抑えて1位を獲得した。今年4月のシリーズBラウンドでは1,000億ウォン(約108億円)を調達するなど、資本市場からの注目も集めている。

Wrtn Technologies(リートンテクノロジーズ)は、生産性ツール、AI検索、キャラクターサービス、自分専用のAI制作など、さまざまな機能を1つのプラットフォームで提供しており、月間アクティブユーザー数(MAU)は500万人を突破した。また、映像分野の超巨大AIモデルを開発するTwelve Labs(トゥウェルブラボ)や、産業分野に特化したAIソリューションを運営するMakinaRocks(マキナロックス)は、グローバル市場調査機関CB Insights(シービーインサイト)の「世界100大AI企業」に選ばれている。

<画像=ユン・ソンジョンデザイン記者>

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2024122216072568643

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