原子力発電所は建設だけでなく、解体も重要だ。世界の原発解体市場は約500兆ウォン(約52兆円)規模と推定されている。そんな中、ロボットによる自動化スタートアップの「PORTAL(ポータル)301」が、人の手で行われていた複雑な原発の除染作業をロボットで自動化するソリューションを実証した。天文学的な規模の原発解体市場に、韓国のスタートアップが本格参入する道が開かれるかが注目されている。
PORTAL301は、発電プラント企業のSOOSAN INDUSTRIES(スーサンインダストリー{21,350ウォン▼250 -1.16%})から極低レベル廃棄物の研磨・除染のロボット自動化ソリューションを受注し、機能検証を完了したと19日明らかにした。原発解体は、準備段階、除染・切断・撤去、廃棄物処理、環境復元など大きく4つの段階に分けられる。
原電解体時には、大量の配管やバルブなどの金属廃棄物が発生する。これを研磨・除染して、二次廃棄物の発生を最小限に抑えることが不可欠だ。しかし、今までこの過程は手作業で行われていた。均一な除染処理が難しく、作業員が放射能にさらされたまま作業しなければならなかった。

PORTAL301の除染ロボット(右)が原発部品の汚染を除去し、その様子がデジタル画面(左)にリアルタイムで表示される。/写真=PORTAL301
PORTAL301が昨年開発した表面処理自動化プログラム「SyncRo(シンクロ)」は、原発の金属放射性廃棄物の処理を効率化する技術だ。SOOSAN INDUSTRIESはPORTAL301のロボット技術をこれに適用し、金属廃棄物をワンストップで除染できる自動化ソリューションを開発した。さらに、実際の現場に適用できる商用化技術を確立した。
この技術により、原発解体の効率を高めるとともに、作業員の放射能被ばくのリスクも軽減される見込みだ。PORTAL301は、今回の納品はパイロットソリューションであり、今後、本格的な設備向け研磨・除染ソリューションを構築する予定だと発表した。
SOOSAN INDUSTRIESのリュ・ホグン主任研究員は、「PORTAL301の技術のおかげで、パイロット実証を成功させることができた。」とし、「今後は、商用化に向けた設備開発を続けていく。」と明らかにした。

PORTAL301は、「国際原子力機関(IAEA)によると、全世界で運営中の原発は、合計414基であるのに対し、寿命を迎えて停止した原発は209基にのぼる。そのうち解体を完了した原発はわずか21基。」と述べた。1基を解体するのに約15年かかるため、ロボット技術が原発解体の効率化に貢献すると期待されている。
PORTAL301は、人工知能(AI)を活用したロボットのリアルタイム制御技術の開発企業だ。WOORI FINANCIAL GROUP(ウリ金融グループ{17,370ウォン▲40+0.23%})のスタートアップ育成プログラム「DINNO Lab(ディノラボ)」の忠北センター第1期企業に選ばれている。
<研磨・除染ロボットソリューションの実証現場//写真=PORTAL301>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025021811132585999