2023年の創業以来、初の赤字を記録していたThe Pinkfong Company(ザ・ピンクフォンカンパニー{以下The  Pinkfong})が、わずか1年で黒字転換に成功した。業績不振だった海外法人の持ち分を売却し、主力事業であるコンテンツ部門に集中したことが回復の鍵となった。

10日、金融監督院によると、The  Pinkfongは昨年、連結売上高974億ウォン(約98億円)、営業利益188億ウォン(約19億円)を記録した。売上は前年比3%増加し、営業利益は32億ウォン(約3億円)の赤字から黒字に転じた。

業績回復の背景には香港の子会社「SmartPLAY(スマートプレイ)」の持ち分売却がある。SmartPLAYは、おもちゃやぬいぐるみなどのマーチャンダイズ(MD)製品を製造していたが、2022年の売上が300億ウォン(約30億円)だったのに対し、2023年には65億ウォン(約6億5,000万円)に急減した。世界的な景気低迷とインフレの影響でおもちゃの需要が縮小したことが要因だ。The  Pinkfongは昨年12月、SmartPLAYの全持ち分を売却し、持分法損失による業績悪化を防いだ。

同社の関係者は「SmartPLAYの持ち分は経営陣に売却された。」とし、「今後は自社製造ではなく、戦略的パートナーシップを通じてMD事業を続けていく予定。」と説明した。

また、主力事業であるコンテンツ部門の売上も好調だった。昨年、コンテンツ部門の売上は599億ウォン(約60億円)で、前年の489億ウォン(約49億円)に比べて、22%増加した。昨年は、「Pinkfong恐竜幼稚園」が9カ国でNETFLIXランキング1位となり、「Pinkfongとサメのかぞく」のミュージカルワールドツアーが韓国、アメリカ、日本など5カ国で行われた。

今回の実績について同社の関係者は、「YouTube・動画配信サービス(OTT)・公演・音楽配信など、さまざまなチャネルで目覚ましい成果を収めた。」とし、「利益率の高い3Dコンテンツ制作にかかる初期投資が一段落し、収益回収の基盤が整ったことも業績向上につながった。」と説明した。

為替レートの上昇も業績回復を後押しした要因のひとつだ。昨年、The Pinkfongの金融収益は133億ウォン(約13億円)で、前年の61億ウォン(約6億円)に比べて2倍以上に増加した。為替差益は38億ウォン(約4億円)から58億ウォン(約6億円)に、外貨換算益は4,700万ウォン(約470万円)から40億ウォン(約4億円)に増えた。

同社は、昨年日本法人を設立するなど海外事業の拡大にも力を入れている。昨年、日本のキッズカフェ「リトルプラネット」とポップアップストアを開き、コンビニ大手「ローソン」でも自社キャラクター商品を販売するなど、日本市場での展開を加速させた。

同社の関係者は、「2024年の重点戦略は、△日本法人の本格始動、△新しいコンテンツラインナップの公開、△B2B(企業間取引)ソリューション事業の拡大だった。」とし、「今後も、コンテンツを中心とした収益の多角化はもちろん、Kコンテンツのエコシステム拡大に注力していく。」と強調した。

<The Pinkfong Companyの業績推移/画像=イ・ジヘ>

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025040916205847308