配達の民族(以下、Baemin、ペミン)がテイクアウト注文の活性化のため、年間300億ウォン(約30億6,200万円)規模の投資とアプリケーションの全面改編を断行し、競争が激しい食品配達市場で、新たな成長動力を確保しようとする動きを本格化させている。
Baeminの運営会社、Woowa Brothers(ウーワブラザーズ)は既存の「テイクアウト」注文を「ピックアップ」にリブランディングし、顧客体験の強化のためのアプリ改編および大規模マーケティングプロモーションを通じて、サービスの活性化に乗り出す。
今回の戦略の核心は、顧客が配達ライダーを待たずに近くの食堂で直接食べ物を受け取る代わりに、様々な割引特典が受けられることだ。業界関係者らによると、ピックアップ注文はライダーの配達料が発生せず、食堂運営者の収益改善に貢献できるほか、顧客との直接のコミュニケーションを通じて、常連客の確保も有利になるという。
DoorDash(ドアダッシュ)、UberEATS(ウーバーイーツ)など海外の配達プラットフォームも、ピックアップのサービスを通じて、食堂が低コストで新規顧客を確保でき、直接コミュニケーションが取れる機会になると認識。関連サービスを積極的に提供している。
Baeminは2020年のピックアップ(テイクアウト)注文サービスの開始以来、5年間にわたって仲介利用料の無料策を維持してきた。だが、配達仲介と同じ運営・開発費用が持続的に発生する中、サービス活性化のための投資構造は整っておらず、成長が制限されていた。
これに対し、Baeminは来月14日からピックアップの注文仲介利用料(6.8%)を通常適用し、これを基にアプリのリニューアルと機能の高度化を進め、関連事業を拡大する計画だ。また、顧客への割引特典の提供、事業主の支援など、マーケティングプロモーションに年間約300億ウォン(約30億6,200万円)を投資し、注文数の拡大による事業主の売上成長とサービスの活性化を推進する。
Baeminはまずピックアップのオーダー活性化のため、サービスのリブランディングと共に大々的なアプリの改編に着手した。消費者がより直感的に認識できるよう、「テイクアウト注文」のサービス名を「ピックアップ」に変更。「ピックアップ」のタブの位置を、アプリのメイン画面駆動時に一番初めに露出される「食品配達」タブのすぐ右側に配置するなど、ユーザーインターフェースを改善した。
また、店舗の詳細ページや、ショッピングカートにも「ピックアップ」ボタンやオプションを追加し、顧客がアプリを利用する際、いつでもピックアップを選択できるようにした。これまでは、顧客がピックアップ注文をするには別途「テイクアウト」タブの画面に位置する店をクリックしなければならなかったが、今は店の詳細ページやショッピングカートでも配達とともにピックアップのオプションが選択できるようになった。
また、ピックアップ注文時に活用する地図ビューを見やすく改善し、店の検索機能も高度化した。顧客が「ピックアップ」のタブをクリックする際に表示される地図画面のサイズを拡大し、近くの店舗の位置を一目で確認できるようにしたほか、店舗検索時に「ピックアップ」のフィルターを追加して該当サービスを提供しているレストランを簡単に見つけられるようにした。
関連アプリのアップデートは4月1日から順次行われる。Baeminは今年下半期までにピックアップのサービス店を顧客がより簡単に見つけられよう、地図ビューの使いやすさを継続的に向上させていく計画だ。
Baeminはピックアップのオーダーサービスの活性化のため、顧客への割引特典の提供、事業主の支援など、関連マーケティングプロモーションにも大規模な投資を断行する。 「ピックアップ」のサービスタブに低価格で注文が可能な店を集めた「割引」アイコンを常時整え、顧客がより安くピックアップのサービスが利用でき、事業主がピックアップでの注文の比重を拡大できるよう支援する予定だ。
Baeminの関係者は「事業主にとっては、ピックアップの注文が多くなるほど、店の利益率が高くなり、顧客に直接店舗を紹介する機会が多く持てるようになるだろう」とし、「今回の変化を通じて顧客への割引特典も強化した。消費者が直接店舗を探すピックアップの注文が拡大することで、地域社会や街なか商圏全般にプラスの影響がもたらされるものと期待している」と話した。