韓国政府が民間主導の革新型研究開発(R&D)支援プログラムの「Scale-Up TIPS(スケールアップ・ティップス)」に「グローバルトラック」を新設する。韓国のスタートアップの海外進出を体系的に支援するというのが核心だ。

24日、業界によると、中小ベンチャー企業部(省)は既存のScale-Up TIPSプログラムに「グローバルトラック」を追加する案を検討中という。重点を置くのは、スタートアップがグローバル市場にアクセスしやすくするため、支援体系を拡大することだ。

Scale-Up TIPSは欧州連合(EU)の「EICアクセラレータ」と同様の方法で、民間先投資を基盤に政府のマッチング投資とR&D資金を統合支援するプログラムだ。EICアクセラレータは、技術開発水準(TRL)の6~8段階、すなわち商用化直前段階の技術を対象に最大250万ユーロ(約4億600万円)のR&D資金と1,000万ユーロ(約16億2,500万円)の投資を提供している。そのほか、専門家メンタリング、グローバルネットワークとの連結、投資家との連携などを通じてヨーロッパのスタートアップのグローバル市場進出を支援している。

韓国でもScale-Up TIPSを通じて新技術の商用化、韓国内外の資金調達、KOSDAQ(コスダック)上場など、短期間に意義ある成果を収めた事例が出た際、中小ベンチャー企業部はこれをグローバルの舞台に拡張するため、別途トラックを導入する。

グローバルトラックは、既存のプログラムと区別した別々の運営体系と支援方式を整える予定だ。具体的な詳細案はまだ確定していないが、中小ベンチャー企業部は今年中の試験運営を目指している。

該当トラックを通じて支援を受けるスタートアップは海外市場の開拓、グローバル資金調達、現地ネットワークの構築などで幅広い機会を得ることになる見込みだ。

既存のScale-Up TIPSが韓国のエコシステム内の投資と成長に焦点を当てているのに対し、グローバルトラックは海外ベンチャーキャピタル(VC)とR&D機関との協業の機会を提供する。これ以外にも、政府はグローバル市場に合ったオーダーメイド型支援を通じて民間の資金調達も強化する方針だ。

このためにグローバルトラック専任運営機関と海外のパートナーシップ体系も構築し、参加スタートアップに合わせたメンタリングとグローバルネットワーク支援も並行して行う計画だ。現在は詳細な運営方式と支援範囲などを調整中で、今後、公式発表する予定だ。

中小ベンチャー企業部の関係者は「Scale-Up TIPSグローバルトラックは既存のプログラムの枠内でグローバル進出の力を集中評価して支援する別途トラックだ」とした上で、「グローバル進出計画と能力を備えたスタートアップを中心に、運営会社と共にグローバル進出のための支援体系まで統合的に評価する予定だ」と話した。

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原文:https://www.etnews.com/20250321000203