韓国の中小ベンチャー企業部(省、中企部)が今年から本格的に施行する「跳躍(Jump-Up、ジャンプアップ)プログラム」の支援企業100社を選抜した。
「跳躍(Jump-Up)プログラム」は、中小企業の新事業・新市場の進出を総合的かつ体系的に支援し、中堅企業にスケールアップ(Scale-Up)できるよう、昨年、経済関係長官会議(24.8.7)において関係省庁が合同で発表した新規事業だ。
初めて施行する今回の事業に計620の中小企業が申請。成長潜在力に優れた企業だけを厳選するため、経営・投資・技術など分野別に最高レベルの専門家が約3ヶ月にわたって2段階で構成された評価を行った。
まず、1段階評価は、企業が提出した事業計画書に対する書面評価と企業現場の実査を通じて、申請企業の技術力と事業性などを重点審査し、力量に優れた企業を1次に選別した。
続いて、1段階評価を通過した企業を対象に新事業・新市場の進出戦略を発表してもらい、各分野の専門家が議論を深め、絶対評価方式で2段階評価を行い、成長可能性が高い100社を最終選抜した。
これらの企業は、各分野の専門家による厳格で専門的な評価を通過しただけに、優れた成長性と収益性、革新性などを備えた有望な中小企業だ。
23年末基準で100社の中小企業の平均売上高増加率は前年比13.4%、総資産増加率は9.8%、営業利益率は5.7%で、製造分野の一般中小企業と比較した場合、それぞれ13.4ポイント、6.5ポイント、1.7ポイント高くなった。
また、97%が特許を有しており、これらは23年末現在で製造分野の一般中小企業に比べ3.4倍に達する研究開発費用を投資するなど、独自の技術力を確保するため、研究開発に着実に力を注いでいる。
そして83%は、23年末現在で平均1,241万ドル(約18億5,800万円)を輸出しており、41%は民間資金調達(累積、平均159億ウォン、約16億2,400万円)、10%はKOSDAQ(コスダック)上場に成功した企業で、グローバル市場と民間投資市場でも競争力が検証された企業だ。
特に、着実な研究開発と果敢な海外市場開拓で市場シェア世界1位を記録している医療機器製造企業、斜陽産業でビジネスモデルの体質改善を通じて売上が800億ウォン(約81億7,500万円)台に急成長中の食品加工企業、人工知能(AI)修正翻訳サービスで「CESイノベーション賞」を受賞したIT企業など、様々な分野で挑戦と革新をためらわず、新たな跳躍を準備している企業を選抜した。
上記の企業のうち、医療機器製造企業は製品の生産に必要な素材の独自開発を通じて市場競争力を確保する計画で、食品加工企業は製品の差別化した機能の高度化を通じて、新たな事業領域を構築する計画が高評価を受けた。また、IT企業は革新的なサービスを通じて新市場を開拓しようとしている点が肯定的に評価された。各企業で成長目標と事業分野は異なるが、いずれも技術力と市場拡張性、成長可能性が認められたのだ。
今回最終選抜された100社については、新事業・新市場進出に果敢に挑戦し、安定的に成長していくことができるよう、今後3年間で総合的かつ体系的に支援する計画だ。
まず、専門経営者(韓国経済人協会)とグローバルコンサルティング会社(BCG、KPMG、EY)、研究機関(韓国生産技術研究院、高等技術研究院)などをワンチーム構成し、新事業・新市場の進出プロセスに必要な経営メンタリングとスケールアップ戦略の樹立、技術ロードマップの樹立などを支援するディレクティングを運営する。
続いて、「ディレクティング」を通じて樹立したスケールアップ戦略を実現し、事業化を積極的に試みることができるよう、企業あたり、毎年2.5億ウォン(約約2,500万円)、最大3年間に7.5億ウォン(約7,600万円円)のオープンバウチャーを選抜企業に発給する。
これと共に、企業の持続成長のために必要な海外進出と資金調達に効果的にアクセスできるよう、カスタマイズされた能力の強化と共に、最適なバイヤーとグローバル投資会社に出会えるネットワーキングプログラムを運営する。
さらに、融資・保証、R&D、政策ファンド、輸出金融、スマート工場など、様々な政策と連携し、選抜企業の挑戦と革新を後押しする。