超音波集束技術で、物質をナノ単位で乳化・分散させる装置を開発したスタートアップFUST Lab(ファストラボ)が、初の商用化モデル「DEBREX(ディブレックス)500」をリリースしたと27日明らかにした。界面活性剤を使わない、もしくはごく少量だけでも物質を乳化・分散させることができる装備だ。FUST Labは、製薬・バイオ、化粧品、半導体、二次電池、石油化学など、様々な産業界で製品が活用されることを期待している。
乳化・分散技術とは、水と油のように混ざりにくい様々な物質を混ぜる技術のことだ。従来の産業界では、物質の粒子表面張力を下げるために界面活性剤を入れて乳化・分散を行っていた。しかし、環境・安全性などの問題から、界面活性剤を代替しようとする需要が高まっている。
DEBREX 500は、超音波を集束させる技術により、界面活性剤を使わず、またはごく少量で物質を均一に混ぜることができる。特に、乳化・分散の均一度をナノメートル単位で微細化できるのが特長だ。これにより、高含有量、高吸収、長期保存などが可能な製品を生産することができる。
FUST Labは昨年、この技術を活用した研究用装置をリリースし、技術力を証明した。その成果として、今年初めに米国ラスベガスで開かれたCES 2025で、産業機器・機械部門のイノベーション賞を受賞した。今回のDEBREX 500は、産業用途向けに開発され、1モジュール当たり1日300~500kgほどの物質を乳化・分散できる仕様となっている。
すでに、FUST Labは三洋貿易や中山商事といった日本の商社2社と流通契約を締結しており、一部の製品を輸出済みだ。さらに、日本の大企業M社やH社も韓国のFUST Lab本社を訪れ、直接装置を確認し、現在協業を検討している。
FUST Labは、4月22日~26日まで一山KINTEX(イルサンキンテックス)で開かれる「第19回 国際研究・実験および先端分析装置展(KOREA LAB 2025)」で、DEBREX 500を公開する予定だ。
FUST Labのファンボ・ミンソン代表は、「DEBREXは、素材技術の先進国である日本に輸出されており、現在は韓国内の大企業と協業してヨーロッパ市場へも進出している。」とし、「今年をグローバル市場進出の始まりの年とする。」と意気込みを語った。
<FUST Labがリリースした乳化・分散物質の生産装置「DEBREX 500」/写真=FUST Lab>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025032615253182607