[マネー人サイド]FuturePlay クォン・オヒョン代表
「FuturePlayは、真にバリューアップを行うことができ、起業家と共に成長できるという確信が生まれてこそ投資します。単にお金だけ出す会社になりたくありません」(FuturePlay、クォン・オヒョン代表)
2013年に設立したFuturePlay(フューチャープレイ)は、2022年にVCライセンスを取得した後、積極的にベンチャーファンドを結成してきた。現在運用中のファンド13個のうち6個がベンチャーファンドである。1月末FuturePlayの総運用資産(AUM)は2768億ウォン(約291億円)。最近2年間で1700億ウォン以上(約178.7億円)増加した。
今年でFuturePlayに入社して10年になったクォン・オヒョン代表は、このようなFuturePlayの歴史の生き証人だ。2022年に代表の座に上り、カンパニービルダーでありアクセラレータ(AC)だったFuturePlayのアイデンティティを総合ベンチャーキャピタル(VC)に変貌させた。
総合VCとして生まれ変わったFuturePlay… 「成長段階のバリューアップ支援」
クォン代表はVCライセンス取得をFuturePlayの進化過程と説明した。クォン代表は「2013年の設立当時はFuturePlayは予備起業家を直接雇用し、企業を作るカンパニービルダーだった」とし「以後投資を強化しながらAC、VCライセンスを順次取得することになった」と語った。
クォン代表は「ACとして主にシード段階に投資してみると逃した企業が多かった」とし「当社が逃した優秀な企業がシリーズA以後、光を放つのを見ながら惜しい気持ちが大きかった。全ての会社の初の投資家になるのは難しいことに気づいた」と話した。
昨年「FuturePlayユニコーンファンド3号」(113億ウォン(約11.9億円))、「スタートアップコリア IBKVC-FP 2024ファンド」(500億ウォン(約52.5億円))などのベンチャーファンドを作り、より高い投資ラウンドのスタートアップを見てきたのもこのためだ。
だからといってACとしてのFuturePlayの力量が消えたわけではない。FuturePlayは内部バリューアップチームを通じてポートフォリオ社のスキル強化を積極的に支援している。クォン代表は「良い人材とつなぎ、対内外コミュニケーションを強化するというのは初期スタートアップにだけ必要なことではない」とし「シリーズAならシリーズA、シリーズBならシリーズBなど、各変化点に立つ成長段階スタートアップにとっても重要」と話した。
今年1月に投資を行った水産・養殖専門テック企業のTIDEPOOL(タイドプール)が代表的な例だ。シードラウンドを逃したFuturePlayは今回プレシリーズAで投資を進めた。クォン代表は「TIDEPOOLは創業2年目で売上高50億ウォン(約5.2億円)を達成し、急速に成長したが、流通中心の企業であるためフォームデジタル化などのための開発者採用が容易ではなかった」とし「FuturePlayが間に入り、開発者と連結、採用をサポートした」と話した。

FuturePlayの概要/グラフィック=キムダナ
「ベンチャー投資拡大タイミング…グローバル競争力かどうかに注目」
クォン代表は今がベンチャー投資を拡大する適期だと評価した。クォン代表は「2021~2022年はスタートアップの市場というほどスタートアップの企業価値が高かった」とし「しかし、ベンチャー投資氷河期を経て企業価値も安定化し、起業へのアプローチも以前よりシビアなものとなった」と話した。
投資を決定する主な要件として、クォン代表はグローバル競争力を挙げた。 「韓国だけで成功する企業ではなく、グローバル市場を攻略できる企業でなければならない」という考えだ。特にロボティクスと自動化分野に大きな期待をかけている。
クォン代表は「韓国国内のロボティクスあるいは自動化企業がSAMSUNG(サムスン電子)、HYUNDAI(現代グループ)、LGなどの大企業のプロセスにソリューションを納品すれば、それだけで強力なリファレンスになる」と話した。クォン代表は「人口構造の特性上、韓国製造企業の自動化率は隣国日本と比べても高い方」とし「韓国国内での競争力をグローバル市場にそのまま融合させることができる」と語る。
グローバル製造の大企業がある韓国がグローバル進出のためのテストベッドの役割を十分にできるという意味だ。国際ロボット連盟(IFR)が発表した「世界ロボティクス2024報告書」によると、韓国のロボット化指数は1万人当たり1012台で全世界1位だ。それだけ競争も激しく、技術水準も高い。
コンテンツ、エンターテイメント、フードテックなど韓国だけの強みを活かす分野にも注目するFuturePlayはアジア市場でポジションを拡大していく計画だ。現在、日本など様々な国で投資機会を模索している。クォン代表は「各国ごとに固有の市場特性はあるが、FuturePlayだけの強みを生かす機会は十分にある」と語った。
<画像=FuturePlayクォン・オヒョン代表/写真提供=FuturePlay>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025021503154892654