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韓国の世界最高水準のデジタルインフラ、維持・進化策の検討続けねば

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【スペシャルレポート】 韓国の世界最高水準のデジタルインフラ、維持・進化策の検討続けねば

  • 韓国、4G LTEカバレッジ100%集計、携帯電話普及率98%で他国を圧倒
  • 島しょ部・軍隊でもインターネット接続...最高水準のインフラアクセス性を実証
  • 有線・無線通信料金は中位圏も、品質考慮すれば価格は妥当
  • 品質改善・国民負担緩和のための政府・政治圏の生産的な議論が急務


国際電気通信連合(ITU)の「デジタル発展ダッシュボード」により、韓国のデジタルインフラが世界最高水準であることがデータで証明された。情報通信技術(ICT)料金の水準は欧州主要国に比べてやや高かったが、世界最高水準のインフラ競争力を考慮すれば極端に高いとは言えないというのが専門家の評価だ。

ただ、韓国のデジタルインフラの競争力は脅かされている。5世代(5G)-6世代(6G)通信など、デジタルインフラの進化と国民負担の軽減という二兎を追うために、競争活性化はもちろん、市場の「板」を大きくするための検討が継続される見通しだ。



韓国、LTEカバレッジ100%などモバイルインフラは最高

ITUは「デジタル発展ダッシュボード」を通じて200カ国以上のデジタル発展現況データを収集・公開している。ITUは2017年まで発表していた総合ランキングに代わり、個別データを集計・公開している。電子新聞は、韓国のICT発展状況を先進国と客観的に比較するため、韓国・米国・日本・ドイツ・英国・フランス・カナダ・イタリア(G7+韓国)の2021年基準の主要ICT指標を比較・分析した。

中核モバイル指標である人口ベースのLTEカバレッジはG7+韓国が類似していた。2021年現在、韓国、米国、日本、ドイツ、英国、イタリアがそれぞれ100%を記録し、フランスとカナダはそれぞれ99%だった。主要先進国が、デジタル経済・産業活性化を支える中核インフラとして無線インフラの構築に力を入れてきた成果だ。もちろん、最新の技術である5GはITUの集計対象に含まれていないため、分析には限度がある。

携帯電話の普及率も韓国は同期間98%で8カ国中1位を記録した。幼児を含め、全国民に携帯電話が日常化し、「ツーフォン族」も増加している結果だ。フランスが96%、日本は93%、イタリアは92%だった。残りの国はデータを公表していない。



有線・無線インターネットインフラも韓国が圧倒

モバイルと有線インターネット全般を合わせたアクセシビリティの分野でも、韓国がほとんど上位を占めた。有線・無線インターネットを含めてインターネットを利用する世帯を意味する「インターネット接続世帯」の割合は、韓国が8カ国中、唯一100%だった。英国が95%、カナダが94%(2020年データ)、ドイツが91%(2022年基準)、日本が88%、フランスと米国(2019年基準)がそれぞれ87%、イタリアが81%だった。LTEカバレッジに比べ、韓国と主要先進国間の格差が顕著だった。韓国はLTE以外にも全国の隅々まで光ケーブルなどの有線インフラが普及している結果だと考えられる。

有線・無線インフラ発展の尺度は、個人ユーザーのインターネット利用率に反映された。ITUはアンケートなどの方法でインターネット利用率を測定した。韓国の個人のインターネット利用率は98%で、8カ国中1位だった。これに英国97%、カナダ93%、米国とドイツがそれぞれ92%、フランス86%、日本84%、イタリア75%の順で続いた。韓国では都市部はもちろん、郊外、さらには軍隊でも有線・無線インターネットが利用できる。世界最高レベルのインターネットアクセシビリティを確保した結果と解釈される。


ITU 로고

<ITUのロゴ>


韓国の通信料金は中位圏

利用料金の面で韓国は世界で最も安いと評価するのは難しいが、有線インターネットは明らかに低いレベルだった。インターネット料金は全体的にドイツが最も安かった。

1人当たりの国民所得(GNI)に有線インターネット料金が占める割合は、8カ国中、米国とドイツが1%で同率、韓国が1.1%で続いた。カナダが1.2%、日本・英国・フランス・イタリアはいずれも1.3%を記録した。

モバイル音声・データ料金が1人当たりのGNIに占める割合は、ドイツが0.3%で最も低かった。英国・イタリアが0.6%、米国・フランスが0.7%、韓国が0.9%を記録した。日本は1.5%、カナダは1.9%だった。全体的に、韓国は欧州に比べて高く、日本、北米と比較すると類似または低い水準だ。欧州は通信品質がやや低い代わりに、格安スマホの活性化政策などでモバイル利用料金を下げたと分析される。ただ、地下鉄、高速道路で問題なく通信が可能な韓国の通信環境と品質を考慮すると、韓国の通信料金がデジタルインフラ水準に比べて高いとは言えないとの見方もある。

韓国は通信・デジタルインフラの普遍性、技術性と価格適正性まで全ての部門で最上位レベルにあると分析された。このようなデジタルインフラの品質を維持するための網投資の公正貢献と国民の通信費負担軽減の議論が続いている。通信市場の競争活性化を通じて国民の通信費負担を軽減すると同時に、膨大なデータトラフィックを発生させて利益を得ているGoogle(グーグル)やNETFLIX(ネットフリックス)などの巨大コンテンツ企業が網投資に公平に貢献するよう政策案を策定することが重要な政策課題として浮上してくるものとみられる。


原文:https://www.etnews.com/20230322000188

/media/電子新聞
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電子新聞

今年で創刊40周年を迎えた電子新聞は、電子情報分野におけるサクセスストーリーのスクープを追ってきた知識経営の専門紙です。 韓国を代表するIT専門誌である電子新聞は、産業·経済を融合したメディアとして成長していきます。

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