ベンチャー市場は冬だが… 「シリーズA」には投資金集まる
ベンチャー市場は冬だが… 「シリーズA」には投資金集まる
- KB Investment、36社に投資し「最多」
- スタートアップ418社に3.5兆ウォン集まる
- Korea Investment Partnersは30社に投資
- VC全体の60%は1社の投資にとどまる
- 「シリーズA投資競争、激しくなるだろう」
最近1年間、初期スタートアップに歴代最大規模の投資資金が集まったことが分かった。今年に入ってスタートアップ投資市場が多少縮小したが、スタートアップに対する投資熱は続いている。
最も積極的に乗り出したベンチャーキャピタル(VC)はKB Investment(KBインベストメント)、Korea Investment Partners(韓国投資パートナーズ)などだ。初期企業投資は、上場を控えて進行する後期投資に比べて収益を最大化することができるが、それだけに初期優良企業を選び抜く「先駆案」が必要な分野だ。
KB Investment、初期ベンチャーの発掘に「頭角」
7日、韓国経済新聞のスタートアップメディアプラットフォーム「韓経(ハンギョン)Geeks」がベンチャー投資情報会社「THE VC」の資料を分析した結果、最近1年間、韓国のベンチャー投資会社581社が計476のベンチャー・スタートアップのシリーズAラウンドに参加した。投資金額を公開していない58のスタートアップを除けば、418社に入った総投資金は3兆5,289億ウォン(約3,600億円)に達する。同期間で歴代最大だ。
最近1年間、シリーズAラウンドに最も多く名が挙がったVCはKB Investmentだった。36のスタートアップに投資した。ブロックチェーンベースのQRコードを利用して流通を管理する「Block Odyssey(ブロックオデッセイ)」をはじめ、仮想空間テレビ会議ソリューションの「oVice(オビス)」、オンライン課外サービスである「seoltab(ソルタブ)」の運営会社Onuii(オヌイ)などに投資した。
バイオ投資の名家に挙げられるKorea Investment Partnersがこれに続き、計30のスタートアップのシリーズAラウンドに参加した。
Capstone・TBTも「呼び水」の役割
大型VCのKB InvestmentとKorea Investment Partnersは量で勝負しているが、資金の大部分を初期スタートアップ投資に注力しているVCもある。 「マイクロVC」を目指すCapstone Partners(キャプストンパートナーズ)は、最近1年間、シリーズAラウンドに18回参加した。
TBTも初期スタートアップ投資に活発に乗り出した。Cyworld(サイワールド)とNAVER Blog・BAND(ネイバーブログ・バンド)などを企画したイ・ラム代表の経歴を反映するように、主に情報技術(IT)プラットフォームスタートアップに投資した。
新車購入情報プラットフォーム「GETCHA(ゲッチャ)」、協業ツール「Shopl(シャッフル)」の運営会社Shopl & Company(シャッフル&カンパニー)、宿泊キュレーションプラットフォームSTAYFOLIO(ステイポリオ)など11社が投資対象となった。
このほか「ユニコーン鑑別士」として定評のあるDSC Investment(DSCインベストメント)は19回参加した。Company K Partners(カンパニーケイパートナーズ)も過去1年間、企業向け人工知能(AI)ソリューションを支援するUpstage(アップステージ)、キャラクターベースのアーケードゲームMacovill(マコビル)など、12のスタートアップのシリーズA段階に投資した。
投資競争、さらに激しく
シリーズA投資市場は本格的な製品・サービス量産体制を終え、市場に参入する段階にある企業が対象だ。売上が本格化する前で、リスクは大きいが、それだけ期待収益は高い。そのため、投資家間の競争が最も激しい分野だ。
特に近年、銀行や証券会社はもちろん、企業型ベンチャーキャピタル(CVC)、一般企業、私募ファンド(PEF)までスタートアップ投資に参入し、競争がさらに激しくなった。最近1年間に10以上投資したVCは20余りだったが、投資会社全体の60%にあたる338社は投資対象が1社に過ぎなかった。
専門家たちはシリーズA投資市場に対する投資家の関心はさらに高まると見ている。新規上場(IPO)が大きく縮小したためだ。あるVC関係者は「シリーズA段階のスタートアップは上場まで通常5~7年の時間が残っているだけに、今すぐの資金回収の心配がなく、企業の成長に専念できるという利点が浮き彫りになっている」と話した。
キム・ジョンウ/ホ・ラン記者
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