初期投資誘致に成功したスタートアップの16の公式
初期投資誘致に成功したスタートアップの16の公式
- 2022 スタートアップ投資図 1部
- eコマース「お金の戦い」..勝敗を分ける公式
1992年生まれのキム・ユラは韓国の年齢で30歳(満29歳)だ。ソウル麻浦区にあるオフィステル(ワンルームマンション)に一人暮らしている。朝はクレンズジュースで簡単に済ませた。昨夜届いたヴィーガン化粧品を開けると、クールなミントの香りが鼻をつく。彼女は孔徳(コンドク)駅に位置するフィンテックスタートアップでマーケティングディレクターとして働く。
忙しいランチタイムにメニューで悩む必要はない。サブスクリプションで届いたランチはイカ墨パエリア。帰宅したら、好きな歌手のファンコミュニティアプリを見るのが日常だ。冷蔵庫から取り出したクラフトエールビールを飲みながら…最近、ファンの間では歌手をモチーフにしたアートNFT(代替不可能トークン)が話題だ。 海外ブランドショッピングアプリ「DDiRiNG(ティリング)」では30%割引クーポンが配布されたので、カートに入れておいたグッチのベルトを購入した。
読者の方々の生活にどれほど似ていますか?一日の中で、見たり使ったり食べたり楽しんだものをよく思い返してみれば、今後どんな産業や企業が成功するか推測できるでしょう。
事実、お金の流れほど賢明なものはありません。そこで、韓経Geeksがもう少し掘り下げてみました。
この1年(2021年4月~2022年3月)の間、ベンチャーキャピタル(VC)からシリーズA投資を受けた合計476社のスタートアップを詳しく分析しました。シリーズAラウンドの投資を誘致したということは、創業2~5年目のスタートアップとして事業性が検証されたことを意味します。
シリーズAに成功したスタートアップは初めから優れていました。 476社のスタートアップに流れた資金をたどってみると、eコマース市場の競争で生き残ったプラットフォームと、メタバース時代に浮上してきた技術系企業の輪郭が現れました。
418社のスタートアップに初期投資金3兆ウォン(約3,000億円)集まる
計3兆5,289億ウォン(約3,600億円)がスタートアップ418社のシリーズAラウンドに投資されました。投資額を明らかにしていない58社は除外した数値です。分析対象は、スタートアップ情報会社THE VCが提供したデータに基づきます。
「10次標準産業分類」に基づき、各会社が登録した業種と主要サービスを参考に、476社のスタートアップを10種類の業種に分類しました。サービス分野はTHE VCの分類基準に準拠します。
業種別に、ICTサービス業153社に最も多い約1兆2,302億ウォン(約1,300億円)が集まりました。総投資額の34.9%を占めます。企業数では、投資金額未公開の企業32社を含めた185社で全体の38.9%に達します。
特に、クラウドベースの企業向けソフトウェア(B2B SaaS)企業が31社と最も多い結果となりました。新型コロナウイルスで企業のデジタル転換速度が速くなり、チャットと書類作成機能を合わせた企業向け「協業ツール」に投資金が集まりました。世界では、米国ユニコーンの80%をすでにB2B SaaSが占めています。韓国でもネクスト「ビッグ・シング(Big Thing)」はSaaSから出てくるのか?
これまでビッグデータを基盤に発展してきた人工知能(AI)技術が、現実世界でどのように具現化されているかを見るのもICTサービス分野の注目すべきポイントです。物流の流通自動化、自律走行、ロボットなど、現実で人間がやっていた仕事に代わる技術が代表的です。
次に最も多くのお金が集まった業種は流通・サービスと医療・バイオです。
eコマースプラットフォームが続々と増えたことにより、流通・サービス分野の70社に6,664億ウォン(約680億円)が集まりました。法律・会計など専門サービスを行うプラットフォームも登場し、高所得専門職の「聖域」に影響を与え始めています。
バイオ‧医療76社にも6,642億ウォンの投資が行われましたが、今年は投資の熱気は冷めた様子です。インフレの懸念と金利上昇圧力で株式公開(IPO)市場に活気が無くなると、昨年活発だったバイオ・新薬への投資の勢いは衰えたが、デジタル治療剤分野への投資は引き続き行われています。
メタバースでコンテンツ市場が活発になり、ウェブ漫画と拡張現実(AR)‧仮想現実(VR)、特殊視覚効果(VFX)分野の企業価値も急速に上がっています。映像・公演・レコード分野の17社が3,023億ウォン(約310億円)規模の投資を誘致しました。特に、3D技術が基盤のソフトウェア企業が次々にファンディングを成功させ、コンテンツ市場の量と質の面で良い成果を出しています。
食料・金融・不動産・賃貸などその他の業種では、38社のスタートアップが2,361億ウォン(約240億円)投資されました。ブランドパワーと消費者直接(D2C)販売チャネルを確保した食品や家具メーカーの変身が目立っています。ブロックチェーン技術基盤の不動産分割投資プラットフォームも新しい形のフィンテックで浮上しています。
韓国の経済をリードする輸出・製造業は「スタートアップシーン」ではメインではありません。化学・素材18社(1,144億ウォン{約120億円})、電気・機械・装備19社(1,412億ウォン{約150億円})、ICT製造14社(969億ウォン{約97億円})が投資を誘致しました。生分解プラスチック(KBF)、エコ化粧品(AROMATICA{アロマティカ})、二次電池(STANDARD ENERGY{スタンダードエネルギー})など、環境にやさしい製品を前面に出したメーカーが投資をリードしています。
ゲーム産業は成熟期に入った模様です。スタートアップゲーム会社13社は773億ウォン(約78億円)の初期投資金を誘致するのにとどまりました。
これまでが、概括的な業種別のスタートアップ投資図です。本論はこれからです。 「シリーズAに成功したスタートアップの16種類の公式」をあげてみました。まず第1部ではeコマース市場の競争で生き残るプラットフォームの条件を、第2部ではメタバース時代を準備するICT業界の将来性あるスタートアップを取り上げます。
シリーズAに成功したスタートアップの16の公式
#1 オープンマーケットよりセレクトショップが人気の理由
#2 化粧品業界の「ヴィーガン」ブーム
#3 企業価値を高めた代替肉企業
#4 ペット市場、どこまで進化するか
#5 大企業に立ち向かう「個人の好み」ブランド
#6 ブランドアグリゲーターに最高額投資
#7 聖域崩壊の法律・会計など専門サービス
#8 拡大するファンテック(Fan-tech) 市場
#9 3%の選ばれしブロックチェーン技術とは
#10 コインの代わりに浮上したP2E‧NFT‧分割投資
#11 コンテンツ価値を上げるメタバース
#12 なぜ企業向け協業ツールに集中するのか
#13 AI分野 今最も熱い企業は?
#14 規制問題残るデジタル医療
#15 KAKAOを越えたモビリティ会社は?
#16 HYUNDAI(現代自動車)が目をつけた自律走行分野の最強企業
#1 オープンマーケットよりセレクトショップが人気の理由
Coupang(クーパン)対NAVER(ネイバー)、Eマート対ロッテの戦いに伏兵が現れました。Market Kurly(マーケット・カーリー)の登場後、セレクトショッピングモールが続々と登場し、消費者直接販売方式(D2C)を選ぶ中小型ブランドが増えています。
お金の流れを見ると、オープンマーケットよりセレクトショップのプラットフォームが「トレンド」だということを実感します。生活用品ブランドのSaengong(生活工作所)、生活必需品直接取引コマースのLevit(レブイット)、限定版スニーカー仲介プラットフォームのSLDTは、シリーズAラウンドで100億ウォン(約10億円)以上を調達しました。家具セレクトショップのBRUNT(ブラント)も60億ウォンの投資を誘致しました。
Saengongに投資したA Ventures(エー・ベンチャーズ)のキム・テギュ副社長は「同じ商品をどのように撮って説明するかが、セレクトショップのブランド知識財産権(IP)になる」とし「コカコーラは美味しいから飲むのではなく、『コカコーラ』だから飲むのだ」と説明しています。
もちろん、専門館のような「バーティカル」プラットフォームも規模が大きくなると、いろんな商品を販売する「ゼネラル」プラットフォームになってしまいます。中古取引ショッピングモールだったAuction(オークション)も、新商品を取り扱い始めてからその名声を失いました。総合ショッピングモールになったMarket Kurlyも解決すべき課題です。
40・50代女性向けのファッションモール「Queenit(クイーンイット)」を運営するRapport Labs(ラポートラボ)は昨年5月、設立1年で計155億ウォン(約16億円)のシリーズA投資を受けた後、今年2月にはシリーズBラウンドで360億ウォン(約36億円)のファンディングまで成功させました。1977年生まれの女優キム・ヒソンさんを前面に出して、デパートブランドの服を買う消費力のあるX世代を狙ったのが他の女性向けショッピングモールとの違いです。
ブランドeコマースプラットフォームの「ビッグ3」(BALAAN{バラン}‧MUSTIT{マストイット}‧tren:be{トレンビー})に挑むReebonz(リーボンズコリア)(105億ウォン{約11億円})とATNY(アットニー)(40億ウォン{約4億円})も初期投資を受けました。eコマース春秋戦国時代を平定する寡占プラットフォームが出てくるのでしょうか。
ニッチ市場を攻略したeコマースプラットフォームも、続々と投資を誘致しました。オンライン趣味レッスン定期購読サービスのHobbyful(ホビーフル)(41億ウォン{約4億円})、グローバルギフト券プラットフォームのSodaCrew(ソーダクルー)(57億ウォン{約6億円})、健康機能食品定期配送サービスのCAREWITH(ケアウィズ)(40億ウォン{約4億円})、業務用食材比較注文アプリのXbarX(エックス・バー・エックス)(40億ウォン{約4億円})などが、シリーズAラウンドでファンディングに成功しました。
eコマース分野の「お金の戦い」はいつ頃終わるのか? 各ネットショップにとって市場シェアの拡大が最大の課題となり、マーケティング費用が引き続き投入されている状況です。しかし、グローバルインフレの懸念と金利上昇圧力の中でベンチャー投資市場の熱気も急速に冷めています。VC業界では、どのeコマースが資金調達に苦労するのか注目している雰囲気です。
#2 化粧品業界の「ヴィーガン」ブーム
体に投資するものは「必ず」ヴィーガンと決めています。ヴィーガンとはもともと、肉食しない完全菜食を意味します。ファッション、ビューティーなど様々な分野で環境を考え、保護しようとするマーケティングとして活用されています。
ヴィーガンを前面に出したブランドが最も積極的に攻めている分野は化粧品です。AMOREPACIFIC(アモーレパシフィック)(163,500 +1.24%)とLG H&H(LG生活健康)(737,000 +2.36%)は、中国対象の売上が下がっただけでなく、MZ(ミレニアル+ Z世代)を狙った環境に優しい化粧品ブランドたちの勢いで「二重苦」に苛まれている状況です。
ヴィーガン化粧品AROMATICAはシリーズAラウンドでKeistone Partners(ケイストーンパートナーズ)から150億ウォン(約15億円)のファンディングを誘致し、CTK(9,300 -0.43%)の子会社completone(コンプリートンコリア)はビーガンスキンケアブランドのSUREBASE(シュアベース)を前面に出し、CJ ENMの戦略的投資を(SI)リードしました。
NAVER SNOW(ネイバースノー)の100%子会社であるヴィーガン化粧品ブランドのAMUSE(アミューズ)は、CJ olive young(CJオリーブヤング)などから100億ウォン(約10億円)の投資を受けました。
国内化粧品研究‧開発‧生産(ODM)分野のツートップであるCOSMAX(コスマックス)(69,700+1.75%)とHK Kolmar(韓国コルマー)(41,900+0.72%)もOMB(ブランド開発生産)に飛び込みました。
COSMAXは「laundryou(ランドリーユー)」をオープンしたBVMTに、HK Kolmarは男性も使用可能なポイントメイク用品を披露したLAKA Cosmetics(ラカコスメティクス)にそれぞれ投資しました。ビューティーテック分野では、ロボットがパーソナライズ化粧品を作るLILLYCOVER(リリーカバー)が45億ウォン(約5億円)のファンディングを誘致しました。
#3 企業価値を高めた代替肉企業
クレンズジュースメーカーからヴィーガン食品企業に変身したORGANICA(オーガニカ)は今年の1月、中国のCITIC Capital(シティックキャピタル)から430億ウォン(約45億円)規模の投資を誘致しました。代替肉企業に変身したため、企業価値が格段に上がったケースです。 ORGANICAは代替肉スタートアップのBritebelly(ブライトベリー)を分社化し、スターバックスにも代替肉ミールボックスを納品しています。
企業ごとに代替肉技術は異なり、現在製品開発が活発な植物性代替肉と、今後の高成長が期待される培養肉技術に分かれます。大豆タンパク質で代替肉を作るINNOHAS(イノハス)は、今年3月に70億ウォン(約7億円)規模の投資誘致に成功しました。韓国で唯一、海藻類で牛肉培養肉を作るSEAWITH(シーウィード)は65億ウォン(約7億円)の投資を受けました。
2020年に設立されたSpaceF(スペースエフ)は、競合他社と比べて急激な成長で注目されています。ソウル大と世宗大研究陣と協力して、筋幹細胞を活用した最適の細胞株を培養する源泉技術を開発したのです。SpaceFは昨年11月に70億ウォン(約7億円)の投資を誘致しました。DAESANG(デサン)、ロッテ、CJなどの韓国の食品大企業が代替肉市場進出のために戦略的投資家になりました。
ヴィーガンベーカリーブランド「Nuldam(ナルダム)」を作ったJoin and Join(ジョインアンドジョイン)は昨年11月に65億ウォン(約7億円)の投資を受けました。工程追加により、完成品だけでなくひよこ豆や海藻エキスなどで作ったヴィーガン食材の生産を増やす計画です。
CJ Freshway(CJフレッシュウェイ)(38,250 -0.78%)は最近、Join and Joinと協力してバター、卵、牛乳など動物性材料を全く使用していないヴィーガンパンのブランド「より健康なベーカリー(Healthy bakery)」を立ち上げました。
#4 ペット市場、どこまで進化するか
最近、犬のトッポッキと猫のトッポッキが発売されました。ペット市場の進化はどこまで続くのでしょうか?
ペットを飼う家は全世帯の30%に達します。ペット市場が毎年二桁成長を見せている背景です。すでに5年前、韓国農村経済研究院は韓国内のペット市場規模が2015年1兆9000億ウォン(約2,000億円)から2027年6兆ウォン(約6,000億円)まで成長すると見込んでいます。
GS retail(GSリテール)は、企業型ベンチャーキャピタル(CVC)事業本部を通じた「ワンニャン生態系」の育成において先頭に立っています。これまでに投資したペットのスタートアップだけでも8社です。昨年、子会社のペット用品ネットショップabout pet(アバウトペット)に、SBSと共に215億ウォン(約22億円)を投資しました。
GS retailが先に投資したペットの葬儀サービス21gram(21グラムグループ)(40億ウォン{約4億円})、ペットのためのおもちゃロボットを作るVARRAM(バレムシステム)もシリーズA投資を受けました。
このほか「子犬大統領」と「猫大統領」を運営するfun NC(ファンNC)は、We Ventures(ウィーベンチャーズ)などから80億ウォン(約8億円)を投資されました。ペット用品ネットショップのBITE ME(バイトミー)もSchmidt(シュミット)などから45億ウォン(約5億円)投資されています。また、健康食飼料を製造するBreezytail(ブリージーテール)(30億ウォン{約3億円})とfoody worm(フーディワーム)(20億ウォン{約2億円})、愛犬美容・ホテル非対面予約プラットフォームのPetEasy(ペットイージー)(20億ウォン{約2億円})がシリーズAの投資誘致に成功しました。
#5 大企業に立ち向かう「個人の好み」ブランド
読者の方は冷蔵庫を一度開いてみてください。まさかhiteやcassなどのビールが入っていますか?それとも海外ビール?韓国のクラフトエールビールが入っている場合、20‧30代の好みを理解している「若者世代」と言えるでしょう。
ビール業界は昨年の韓国内クラフトビール市場規模が前年より2倍大きくなった2,000億ウォン(約200億円)以上になると見通しています。全体5兆ウォン(約5,000億円)規模のビール市場で占める比重自体はわずかですが、成長の勢いは無視できません。大企業が寡占する「レッドオーシャン」市場で、個人の好みを反映した小さなブランドが市場に変化をもたらしている模様です。
現在、国内のクラフトビール醸造所は150以上あります。クラフトビールでは初めて、済州ビール(2,735 -0.55%)が昨年5月にコスダック市場上場に成功した後、多数の会社が上場を待っている状況です。 「コムピョビール」の会社7brau(セブンブロイビール)は、昨年7月に140億ウォン(約14億円)規模のシリーズAラウンドを終え、今年企業公開(IPO)を準備しています。
「宇宙マーケティング」を展開し、30種類余りのクラフトビールを生産・流通するTHE SATELLITE BREWING(ザ・サテライトブルーイング)も昨年10月に40億ウォン(約4億円)規模のシリーズAファンディングを終え、2024年IPOを目標にしています。先に投資誘致に乗り出したKABREW(カブルー)とAmazing brewing(アメイジング・ブルーイング・カンパニー)も、それぞれ2023年と2024年に上場を準備しています。
レッドオーシャンのマットレス市場でもスタートアップが旋風を巻き起こしています。 流通マージンが高いマットレス市場で、自社のショールームを作り、自社のネットショップで販売するD2C方式でアプローチした点が成功要因に挙げられます。
3boo1(3分の1)は昨年8月、DSCインベストメントなどから120億ウォン(約12億円)を投資されました。利用者が好む睡眠温度と湿度、騒音レベルをAIで学習した後、簡単に眠りにつくことができる「スマートマットレス」を開発したためです。
睡眠時の呼吸、動きを測定する睡眠分析管理アプリを開発したスリープテック企業、Asleep(エイスリープ)も急浮上しています。昨年5月、シリーズAラウンドでKakaoベンチャーズなどから17億5000万ウォン(約1.8億円)の投資を受けて以来、今年3月に行ったシリーズBラウンドではSamsung Venture Investment(サムスンベンチャー投資)などが合流しながら、160億ウォン(約16億円)規模の投資を受けました。
#6 ブランドアグリゲーターに最高額投資
eコマースブランドを買収する「アグリゲーター」に大金が集まったのも、小規模ブランド製品の市場影響力が大きくなっているからだと言えます。eコマースの「お金の戦い」で、どの企業が勝ってもD2Cチャネルを確保したブランド製品は生き残ると予想されます。
新アグリゲーターのKlickBrands(クリックブランズ)は、今年3月にアジア最大のアグリゲーターUNABRANDS(ウナブランズ)から1億ドル(約130億円)の投資を受け市場の注目を集めました。この1年間で行われたシリーズAラウンドの中では最高金額です。新生のKlick Brandsは、ペット、ホームリビング、健康、美容、乳児・児童分野の韓国内ブランドを買収してグローバル市場進出を支援する計画です。
2019年に設立されたブランド・アグリゲーターグループのBoosters(ブースターズ)も、先月120億ウォン(約12億円)規模のシリーズAラウンドの投資誘致を終えました。事業性がある中小型ブランドの営業権を譲受した後、ソーシャルネットワークでのインフルエンサーによるプロモーションを通じてブランドを急速に成長させる戦略です。
写真=ゲッティイメージバンク
#7 聖域崩壊の法律・会計など専門サービス
法務、会計、経営コンサルティング、広告など専門サービスを提供するプラットフォームも続々と登場しています。高所得専門職の聖域が崩れ始めているのです。低コストだということを前面に出したオンラインプラットフォームが市場のパイを大きくすると同時に、既得権を占めていた専門職たちの持ち分をある程度持っていくと予想されます。
中小事業者のための法律サービスプラットフォーム、Law&Good(ローアンドグッド)(30億ウォン{約3億円})は、弁護事業界の「Soomgo(スムゴ){多様な専門家とのマッチングアプリ}」のようなプラットフォームです。
利用者が無料で見積もり依頼書を作成すると、弁護士が費用と解決策を提案するという方法で受任が成立します。小規模事業主たち一人一人に合った会計サービスを提供する、ReadNumber(リードナンバー)も投資を誘致しました。
チャットを通じて専門心理相談を受けることができる「Trost(トロスト)」の運営会社、HU-MART(ヒューマートカンパニー)も30億ウォン(約3億円)を誘致しました。
ブロックチェーン基盤の参加者補償型Q&Aサービスを提供するThe corporation(ザ・コーポレーション)も30億ウォン(約3億円)の投資を受けています。弁護士、税務士、労務士、心理相談士、保険設計士など専門家に質問し回答を受けて、アハ(aha)トークンを報酬としてもらえるのが核心のビジネスモデルです。
人材斡旋のような専門サービスもプラットフォームによって行われています。訪問介護サービスの韓国シニア研究所は昨年9月、ソフトバンクベンチャーズとHashed(ハッシュドベンチャーズ)から200億ウォン(約20億円)のファンディングを誘致して企業価値を高めました。
訪問介護や教育仲介市場でJaranda(ジャランダ)と競争するTictoc croc(70億ウォン{約7億円})、デザイナーアウトソーシング仲介プラットフォームのSTUNNING(スタニング)(60億ウォン{約6億円})もオフライン中心の人材仲介市場をオンラインプラットフォームに持ってきました。
※「シリーズAに成功したスタートアップの16の公式」8番から16番までは、2部「ICTサービス分野のライジングスタートアップ」に続きます。
KEDGlobalは、読者たちが関心を持ちながらも接近できなかった韓国企業、資本市場、マクロ経済に関するニュースと高度な情報を海外読者の目線に合わせて伝えるプレミアムな多言語経済メディアです。 韓国のビジネスコミュニティと世界をつなぐグローバルメディアプラットフォームを目指します。
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