「アイデンティティ探求、リレーションシップ進化、確固たる願望、生きる価値」...今年のビジネスが注目する2023年トレンド

Meta（メタ、旧Facebook）が、今年注目すべきグローバルな文化トレンドを紹介する「新たに浮上する文化：2023トレンドレポート」を公開した。レポートには、Facebook、InstagramなどのMetaプラットフォームを通じてつながる全世界37億人の間の相互作用を分析し、導き出したトレンドとビジネスのための提案を盛り込んだ。

Metaは2014年から研究者、ジャーナリスト、マーケターなどで構成される「Meta Foresight（メタフォアサイト）」チームを構築し、様々な分野を網羅するトレンドの見通しとインサイトを含むレポートを発行している。今年で2回目の発行となる今回の「文化トレンドレポート」は、韓国を含む7カ国21,000人の消費のアンケート結果をもとに作成された。さらに、昨年9月から11月の間、FacebookとInstagramで発生した400万件以上のオンラインバズを分析した結果も共に反映された。

レポートは、今年と未来をリードする主要な文化トレンドとして、アイデンティティ探求、リレーションシップ進化、確固たる願望、生きる価値など、4つのキーワードを選定した。

レポートによると、自分自身と世界を眺めるレンズとなるアイデンティティについて探求する人が増えているという。特にアイデンティティを構成する主要な要素である「身体」と「年齢」について議論が活発で、ポジティブな認識が広がっていることが分かった。韓国のアンケート回答者の約4人に1人が#BodyPositivityMovementに参加したことがあると答え、Instagramでは「中年」に関する会話量が前年比2,402%増加した。中年期をポジティブな変化の時期と捉え、年齢に対する認識と議論が増えているのだ。

より積極的にアイデンティティを探求し、拡大していくほど、他の地域の文化や食べ物に興味を持ち、受け入れる人も増えていることが分かった。韓国人のアンケート回答者の57%は、自身が属していない文化を理解しようと努力していると答え、62%は他の文化の食べ物に興味を持つことで、実際に自分の世界観が変わったと答えた。実際、InstagramやFacebookでは、他国の地域の特色が強い食べ物に対する関心が、世界的に高まっている。主に中東で飲料である「ラクダ油」に関する会話がFacebookで2,682%増加し、中国のポップミュージックを指す「C-POP」への関心もInstagramで1,599%増加した。

また、レポートは個人の幸福において「関係」が占める割合は変わらず重要であるが、関係の様相や関係構築の仕方はどんどん変化していると紹介した。FacebookやInstagramで「彼氏」（4,132%）、「彼女」（3,167%）、「親密な関係」（4,078%）、「合コン」（1,249%）などの恋愛関連の用語の使用が急増し、「持ち寄りパーティー」（103%）や「カウントダウン」（90%）のように一緒にいる瞬間についての言及量も増えた。新型コロナパンデミックにより、物理的に一緒にいられないが、世界中の人々が大切な人と繋がりたいと思っていることを感じることができる。また、この愛情の対象は人だけでなく動物にも広がり、Facebookではペットの養子縁組に関する会話がなんと2,744%増加した。

そして、こうしたつながりへの欲求は、メタバースのような新しい技術に対する楽観的な見方につながる。全世界のアンケート回答者の63%が、従来の動画技術を超えるオンラインコミュニケーション方式を望んでおり、69％は対面での出会いのメリットを同じように味わいながら、遠隔で働けることを希望すると答えた。韓国人回答者の65％も、新技術によって他者とのコミュニケーション方法など、生活がより便利になることに同意した。

3つ目のキーワードである「確固たる願望」は、多くの人々が人生における確固たる目標に基づき、身体的・精神的健康を含むウェルネスやキャリアに関心を持ち始めていることを示している。「治癒」に言及するInstagramの投稿数は前年比で53倍以上増加し、グローバルアンケートの回答者の3人に1人が、カウンセリングを受けたり、アプリセラピーに参加したり、自己啓発講座を受講していると回答した。ウェルネス全般への関心が高まることにより、安らぎの場とする家と睡眠に関する会話も活発に行われている。

キャリアの場合、仕事の本質的な意味を考えている人が多いことがわかった。特に韓国では、アンケート対象の60%が、有意義で達成感を感じる仕事をすることが、これまで以上に重要になっており、35%が仕事を通じて以前より多くのことを得られると期待していると答えた。

最後に、世界的に人々は、自分だけの価値を実現することに、さらに重点を置いていることを明らかにした。価値実現の方法の一つとして、韓国人回答者の25%が、最近6ヶ月以内に新しい趣味を始めたと回答し、彼らはFacebook、Instagramを通じて趣味を共有することでコミュニティを形成している。また、社会正義や環境などの問題に声を上げる人も増えている。環境問題が生活のあらゆる面に影響を及ぼし始めたため、Instagramでは洪水や水不足などの会話が急増し、これらの変化により精神的健康（46％）、身体的健康（22％）ともに影響を受けていると回答した。また、環境問題に対する認識は高かったが、環境にやさしい製品の検討や行動の段階に進まなかった過去とは異なり、世界の消費者の74%が再生可能エネルギー源、持続可能なエネルギー源を探すことが、個人的にも重要な問題だと答えた。エコカー、生分解性ゴミ関連の会話量が急増した理由でもある。

このように自身の価値観や信念に基づいて行動する姿は、消費習慣にも反映され、多くの人は自身と共通の価値を共有するブランドとのつながりを期待していることが分かった。友達関係のように、ブランドとも密にコミュニケーションを図り、考えを共有し、共にコンテンツを作りたいということだ。

一方、今回のレポートに先立ち、Metaはこのようなグローバル文化トレンドに基づき、今年のデジタルマーケティング分野を突き抜ける世界的な技術トピックである「人工知能（AI）」、Instagram DMとチャットボットを通じてコマース転換を誘導する「ビジネスメッセージング」、国の境界をなくす「クロスボーダーショッピング」、没入型体験の根幹となる「ARとVR」技術、そして「ショートフォーム」コンテンツのトレンドに注目することを提案した。

原文：https://platum.kr/archives/205128