【インタビュー】企業価値1兆ウォンと評価されたAPRのキム・ビョンフン代表「オーダーメイドのデバイス・医療機器を発表する」

米Apple（アップル）の創業者であるスティーブ・ジョブズは、新製品を発売するたびに常に「革新」のイメージを込めた。製品に革新のイメージが込められたとき、消費者は熱狂し、iPhoneは飛ぶように売れた。革新そのものが企業のブランドになった代表的な事例だ。

「キム・ヒソンデバイス*」で有名なAPR（エイピーアール）は「ビューティーテック企業」をアイデンティティとしている。APRのキム・ビョンフン代表は「ブランドを作る構成要素の一つが技術力だと思う」とし、「デバイス分野で医療機器まで発売し、グローバル市場でビューティーテック企業としてのイメージを固めていく」と語った。

米国・日本でも人気の「キム・ヒソンデバイス」…「今後カスタマイズされたデバイスを発表予定」

最近、企業価値1兆ウォン（約1,097億6,200万円）で資金調達に成功したAPRは、今年第3~4四半期の予備審査提出を目標に上場を準備している。APRは、ビューティーデバイス「AGE-R（エイジーイー・アール）」で韓国での認知度を高めた。俳優のキム・ヒソンが宣伝して口コミで広まり、「キム・ヒソンデバイス」と呼ばれる。キム代表は、新型コロナウイルスの感染拡大期に「ホームビューティー」トレンドが広がる現象に注目し、2021年にビューティーデバイス事業に乗り出した。その年の3月に最初の製品「DRMA EMS（ダーマイーエムエス）」を公開した後、昨年3月以降「Ussera Deep Shot（ウセラディープショット）」「ATS Air Shot（エイティーエスエアショット）」、「Booster Healer（ブースターヒラー）」「Eye Shot（アイショット）」「Body Shot（ボディーショット）」を公開し、現在までに、計6つのラインナップを構築している。

APRによると、ビューティーデバイスは今年2月時点で累計販売70万台を突破し、1,500億ウォン（約164億6,000万円）の売上を達成した。昨年の売上高は3,977億ウォン（436億3,100万円）、営業利益は392億ウォン（約43億円）を記録した。それぞれ前年比53.5%、174.8%増加した。彼は「アンチエイジングは現在も未来も見逃してはならない美容業界の核心キーワード」とし、「特に海外は韓国ほど皮膚科への接近性が高くないため、高齢化社会が深まるにつれて成長はさらに爆発的になると予想する」と話した。

実際、米国や日本などで反応が良い。米国は今年に入って月平均5000台以上の安定的な販売を記録し、ビューティーデバイスの海外業績の成長を牽引（けんいん）している。日本市場では、前年比2倍増の371億ウォン（約40億7,500万円）の売上を記録した。APRは欧州などへの進出も検討しており、現在、フランス法人の運営を準備している。

キム代表は「ビューティーデバイスの場合、国別、機能別に主要企業が二分化されている」とし、「グローバル企業と競争して勝てるように自社工場を確保するなど、バリューチェーンを構築し、R&D（研究開発）分野に集中している」と強調した。

APRは今年初め、革新的なビューティー技術を研究するR&Dセンター「ADC(APR Device Center)」を開設した。勤務人員の半分である4人が医工学を専攻した専門家だ。ADCは韓国内外で約40件の技術、関連特許を取得している。下半期にはAPR独自のデバイス生産工場も完成する。こうなると、APRはデバイス開発から生産、そして流通までの全チェーンを構築することになる。

以前は家庭用美容機器の施術範囲が脱毛、メイクアップクレンジングレベルであったのに対し、最近では高周波、超音波など病院で受けられる施術まで広がっている。APRもこれに合わせ、今後はカスタマイズされたデバイスで市場の裾野を広げる計画だ。

キム代表は「カスタマイズされた化粧品は、顧客のアンケートに基づいて診断または推薦されることが多い」とし、「今後、AGRはデバイスを通じて顧客の使用パターンや肌の状態などを分析し、カスタマイズされたデバイスを出す予定」と強調した。

皮膚科など病院で使われる医療機器を発売することも今後のAPRの目標だ。キム代表は「医療機器の利点は、ホームビューティー機器に比べて出力を高めて効果を最大化できること」とし、「皮膚科などの病院にAPRが作った医療機器を普及させ、ビューティーテック企業としてのイメージを固める」と語った。

画像：APRのキム・ビョンフン代表

原文：https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023062615145860719