Superb AI(スパーブAI)は、デューク大学電子工学科を卒業したキム・ヒョンス代表が2018年に設立しました。デューク大学で学士を取得した後、同大学の博士課程で人工知能とロボティクス分野の研究をして、SK Telecom(SKテレコム)のT‐ブレインのエンジニアとして帰って来て、再び大企業を出てスタートアップを起業しました。2019年にY Combinator(ワイコンビネータ)に選定されました。当時、韓国で7番目のスタートアップでした。
Co2019年にシード25億ウォン(約2.7億円)、2021年にシリーズA110億ウォン(約12億円)、2022年にシリーズB220億ウォン(約24.1億円)の資金調達を行いました。人工知能エンジニアがいない企業でも人工知能を使えるようにするのがこのスタートアップの目標です。法人は韓国、アメリカ、日本の3か国にあります。顧客企業にはSAMSUNG(サムスン電子)、LG電子、Qualcomm(クァルコム)、HYUNDAI(現代自動車)、SK telecom(SKテレコム)、トヨタなどがあります。2026年上半期に上場を目指しています。
典型的な「スタートアップ成功モデルパス」に近いですね。噂に聞く理想的な会社とでもいいましょうか?しかし、実際、「何で稼いでいる会社」なのかは、曖昧です。NAVER(ネイバー)やGoogle(グーグル)で検索してみても分かりません。そうそう、途中でリストラもありました。誰もが自分の地獄を持って生きているように、すべてのスタートアップも他人には分からない地獄を生きているのではないでしょうか。

Superb AI キム・ヒョンス代表/Superb AI提供
目次
1.トヨタにもAIエンジニアがいない部署は少なくない。
-Superb AIのビジネスモデルというのは、実のところパっと見ではよくわかりません。
「AIを開発するソフトウェアプラットフォームです。集中分野は映像分野の人工知能です。顧客が写真や動画、ライダーデータなどの視覚的な情報をもとに、何かを認識・分析するAIを自らでうまく作れるようにするツールを提供しています。実際、世の中にはAI開発ツールがとても多いんです。ほとんどはAIエンジニア向けのものです。Superb AIは違います。AIエンジニアでない人でも簡単にAIを作れるようにすることで、産業現場にAIが急速に普及するのではないでしょうか。」
「例えば、トヨタがSuperb AIの顧客です。トヨタにはAIエンジニアがかなり多くいる部署もあれば、いない部署もあります。自動運転を開発する部署はAIエンジニアが非常に多く在籍しているでしょうが、製造・物流のような伝統産業に近いところでは、AIIエンジニアがそれほど多くないんです。AIについて全く知らない産業現場の方でも、自分に必要なAIを簡単に作れるよう、Superb AIプラットフォームを提供しています。」
-一般人がAIを作る?
「AIの開発にはデータが一番重要です。しかし、データについては産業現場で実際にデータに接している現場の方が一番よく分かっています。産業現場の方が作った方がずっと良いAIになる可能性があるのです。実際にトヨタの製造工程など、様々な分野でSuperb AIプラットフォームを使って直接AIを製作して、使用しています。」
-日本のトヨタがSuperb AIを活用して実際に作ったAIの事例を教えてください。一般人がAIを作る方法について。
「トヨタがどのようなケースに使用しているかはNDAなので言えないんです。トヨタの名前を取って説明します。製造工程で不良品検査をAIで行いたい場合。または、工場で従業員が安全帽子や安全ベスト、安全手袋などの保護具をきちんと着用しているかどうかを検出するAIが必要な場合。不良品検査は通常、生産ラインでカメラで製品を撮影し、人が写真を目で見て「不良品だ、良品だ」と判断するのですが、このような写真データを集めてSuperb AIのプラットフォームにアップロードしています。
「Superb AIのプラットフォームには3つの段階があります。最初にアップロードされたデータをラベリングします。AIの学習をする前にデータのラベリングをするわけですが、ラベリングするときも、例えば100枚でも1000枚でも、すべてのデータを人が一々ラベリングするわけではありません。全体の10%程度さえ人間がラベリングすれば、そのデータをもとにSuperb AIプラットフォームの中にある自動ラベリングAIが残りの作業を処理します。自動ラベリングAIが10%のデータを学習し、残りの90%のデータを半自動でラベリングしてくれるのです。」
「第二段階は、データの選別です。データのスクリーニングは、自分が持っているデータの中に有意義なデータが多く含まれているか、あるいは特異なケースとしてはどんなものがあるかを確認する作業です。Superb AIプラットフォームが、このデータならAIを十分に学習させられる、まだデータが足りないなどを判断します。データが不足している場合は、生成AIを使って合成データを作ることもできます。」
-存在しているデータ以外に、別途データを生成してデータを補充するということですか?
「不良品検品の事例でいうと、不良品には様々なタイプがあるはずですが、中には撮影できた数量が少ないタイプの不良品もありますよね。生成AIを利用して、このようなタイプのデータを追加で確保するのです。最後の段階は、このようなデータセットをAIモデルに学習させることです。モデルの学習にも、Superb AIが提供する様々な種類のモデルがあります。オブジェクトを検出できるモデルもあれば、オブジェクトを分類できるモデルもあり、生成のモデルもあり、色々です。顧客が好きなモデルを選んで「学習する」ボタンを押せば、自動的に4時間から8時間ほどで学習するようになっています。」
「学習されると、このAIモデルの性能はどうなのか、精度はどの程度なのか、まだ学習がうまくいっていないケースはどのようなものなのか、このような情報を利用者にお知らせします。学習後、十分に使えると判断されたら、現場に配備してAIモデルを活用します」

2.不良品検査など、あらゆる種類のAIモデルはすでに市場に出回っている…しかし、高いし、自分だけのものではない。
-今おっしゃった不良品検査のような人工知能システムは、もう数年前から出ていますよね。今更、現場スタッフが不良品検査AIを作る必要があるのでしょうか?出ているものを買って使えばいいのでは?
「はい。従来、ビジョン検収というものがありますよね。実は、ビジョン検収だけでなく、非常に様々な分野で様々な機能を持つAIモデルを提供するAIベンダーが存在しています。CCTVのAIもあります。このような既存のAIベンダーは以下の2つのうちどちらかです。1つは、ソリューションを作って、これをすべてのお客さんに同じように売る、「このタイプの不良品をキャッチするビジョン検収AI」を作って、数十~数百の顧客にこの同一の製品を売るというものです。しかし、顧客によって求めるものは少しずつ違うはずですよね。商品によって不良の種類が少しずつ違うので。100%カスタマイズができず、性能が落ちます。もう1つのタイプのベンダーは、このようなニーズを解決するために、それぞれの顧客ごとに毎回カスタマイズするビジネスをしているところです。」
「AIをカスタマイズして開発しているのですが、開発方法を考えてみてください。毎回多数のAIエンジニアが投入され、各顧客ごとにAIを作って提供するわけですよね。顧客の立場からすると、AIを提供されるまでに時間がかかり、コストもかかります。ここに生産ラインが追加されたり、新しい不良品が発生したり、新しい製品を生産したりすると、その都度アップデートを行わなければなりません。導入したAIが不良タイプabcの3つを検出できるとして、dという新しい不良タイプが発生したらアップデートする必要があるのです。外部の業者に任せると、また3ヶ月、6ヶ月と時間がかかります。」
-6ヶ月という時間は、お金よりも大きい、とてつもない損失ですね。
「はい。そのため、生産が遅れ、大きな損失が発生します。Superb AIはAI開発を自動化したのがコア技術です。外部に任せると3ヶ月かかっていたのが、Superb AIのプラットフォーム内では1週間、早ければ1日でアップデートができるんです。外部ベンダーに依存せず、自社で内在化して運営することで、必要なときにいつでもAIモデルを更新し、新たに開発することができます。最大のメリットはこれです。」
-きちんと理解できているでしょうか。ジーンズで例えると、まず既製のジーンズを作る衣料品業者が登場した。ジーンズを28、29、30インチと同じように作って、売る。もちろん私の体にぴったり、という訳ではない。次に、オーダーメイドのジーンズ。寸法を測って作ってくれるので時間がかかる。太ったらジーンズを買い換えるか、お直ししなくてはならない。Superb AIは「あなたの服はあなたが自分で作れ」というもの。あなたが持っているデータでどんなAIモデルを作れるかは、あなたが一番よく分かっているだろうから。Superb AIは衣服の縫製技術がない一般人に「衣服用3Dプリンター」を提供しているようなもの?必要な情報だけ入れれば、すぐにジーンズを作ってくれるような?
「すごくきちんと聞いてくれたのですね。そういうことです。」
-問題は、「3Dプリンター」は売れませんでしたよね。AI開発プラットフォーム」と言うのは簡単ですが、実際の現場で使えるだけの利便性を持つには、技術的な壁が高いのではないでしょうか?
「そうです。7年目の事業で、どうすればより簡単にAI開発を自動化できるかを少しずつ解決していっています。コーディングの知識が全くない方でも、単純なUIを使ってAIを作れるようにするためには、Superb AIが自動化する必要があります。自動的にデータをラベリングし、自動的にデータを選別分析し、自動的にAIモデルを学習することが技術的なハードルでした。Superb AIが積み重ねてきた、そんな技術なんです。」
-正直なところ、「コーディングができなくてもAIモデルを開発できる」というのはなかなか信じられないですね。「人工知能を導入した」という企業は多いですが、多くの場合、むしろ大変なことになっています。端的に言えば、ラベリングというのは、現場のスタッフに単純な入力労働を無限に押し付けていました。現場に役立つどころか、無駄に仕事を増やすような..
「はい。よく知っています。ラベリングも含め、AIの開発コストは非常に高いです。ラベリングもそうですが、後段のAIモデル学習やデータ分析に手が出せない企業が多いのです。なぜなら、社内にAIエンジニアやデータエンジニアがいないためです。外部ベンダーからソリューションを購入するしかないのです。逆に言えば、それがSuperb AIが捉える市場の問題であり、チャンスでもありました。実は、Superb AIが創業した翌年である2019年に最初にローンチしたのは、データラベリングを労働力で行うのではなく、できるだけ自動化する技術でした。」
-データのラベリングを自動化する?どうやって?
「一番大事なのは、最低限、データをラベリングするのに適したAIを作り、そのAIで残りのラベリングを自動的に処理することです。そして、ラベリングするデータを選別するのも技術です。例えば、1万枚の写真がある場合、ある100枚の写真をラベリングして、AIモデルを学習させれば性能が一番高いだろうか?その100枚を選び出す技術が必要です。」
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3.エンジニアのいない会社も、それぞれが持つデータで、それぞれが必要なAIモデルを作る世界を夢見て
-Superb AIプラットフォームで作られた実際のAIモデルの事例は?つまり、一般人が作ったモデルです。
-不良品検査やCCTV以外の事例は?
-人間が今まで自分でやっていた作業を代わりにやってくれるAIモデルですね。
-コストの問題が重要ではないでしょうか?例えば、おっしゃるような居眠り運転監視ソリューションも実のところ、すでに市場に出回っています。Superb AIのプラットフォームを活用する価格がこれより高ければ意味がないですよね?金額を公開できますか?
-起業直後はデータラベリングが主な事業領域でした。当時は市場競争のせいで、みんな大変だったと思いますが。

4.「今年上半期で、昨年の売上ほど稼ぎました。」
-成長の重要な指標は何ですか?現在の顧客数は?売上は?
-大変な時期、例えば社員を送り出さなければならないようなリストラはなかったのでしょうか?
-デューク大学の博士課程をあきらめ、2018年に起業されました。
-SKTは年収もそうですし、韓国ではいわゆるSクラスの会社ですよね。キャリアにもプラスになります。なぜ辞めたのですか?
5.「私はロボットのような人間と言われていた、骨の髄までの工学部生なのに…。リストラする時は感情的に辛かった」
-創業7年、順風満帆に見えますが、何かハプニングはなかったのでしょうか。
-上場も検討しているそうですね。海外市場にもすでに進出されていますよね?
-AIスタートアップですが、「AI時代はGoogleなどアメリカのビッグテックが世界を支配する」という話に同意しますか?
-AIアルゴリズムは結局、ほぼタダで手に入れることができるだろうし、重要なのは、「自分だけのAIモデルを作るときに使う学習データ」?

日本で開催されたAIイベントに参加した際、Superb AIのブースで撮影した写真/Superb AI提供