#3 韓国就職のリアル
「韓国で就職してみたい」、「韓国で働くの辛いですか?」などなど、韓国就職についてたまにご相談をいただくことがあります。実際に韓国で働いて5年目を迎える立場として、そんなご相談に少しでもヒントになりそうなお話をできればと思います。
心構え①「なんで韓国で働きたいの?」のその先へ
私は現在勤務中の韓国企業で面接官も担当しているので、韓国就職を目指す日本人の方と面接をする機会が度々あります。
その際「どうして韓国で働いてみたいんですか?」という質問をすると、ほぼ100%の確率で、しっかりとした理由や熱意を持って答えていただくケースが多いです。
ただ、「ではなぜたくさんある韓国企業の中で弊社で働きたいのですか?」と少し深ぼった質問をさせていただくと、先ほどの熱意を維持した回答が出てこない方が結構出てきます。
「韓国で働く」が最終ゴールとなっていて、どの会社で何をしてそのゴールを実現するかは二の次というケースです。これ、意外とあるあるな気がしています。
「韓国」という場所よりも「何の仕事」の方が長い人生結構大事です。韓国で働くといっても、自分に向いていなかったりワクワクできない仕事、続けられるでしょうか?
そんなことないはずです。そして意外と面接官にもその感じ伝わってきちゃいます。
ですので少し遠回りに感じるかもしれませんが、闇雲に応募する前に一度、「自分、韓国で何をしたいんだろう?」と自問しながら思考を整理して、目標をくっきりさせていくことをお勧めします。
心構え②どんどん挑戦!諦めなかった人にだけ可能性がある国
やりたい事のピントが定まったら、あとはどんどん行動するのみです。
「韓国語力がもう少し伸びるまで・・」
➡️ネイティブにはいつになっても勝てない!それより今の最大限の力で履歴書を書いてみませんか?
「日本語のできる韓国人を募集しているっぽい・・」
➡️ 要項に書いていないだけで韓国語ができる日本人も歓迎かも?応募だけしてみちゃおう!
「私は韓国のIT企業で、前職の経験を活かしアプリ関連の仕事をする」と決めて、TOPIK4級くらいの実力の時でも履歴書を送りまくっていました。いろいろなサイトに履歴書を登録したり、少しでも気になる内容があればメールで問い合わせたり。無視されて当然くらいにどっしり構えましょう!前進し続ける人にだけ、機会が回ってくる国だと思います。
心構え③自分が外国人だと言うことを忘れない
入社を迎え、少しの緊張と大きな期待。自分は上手くできるだろうか?活躍できるだろうか?ソワソワしながら出勤したことを覚えています。そしていざ仕事を始めてみると、全くの新世界。
社員同士の距離感の近さ、降り注ぐ韓国語のシャワー、意見を言う隙もない意思決定の早さ…などなど全てが新鮮で、ひたすら「早く慣れて、ネイティブの人たちに追いつかないと!」と躍起に。
「ネイティブのようになる」
これは必要な努力だと思っていましたが、自分でも気づかないうちにストレスのようなものを溜めていたようです。家にいる間も、仕事のイメージトレーニングをしたりして、休んでいるようで休まらない気持ち。そんなある日、退勤後、ひどい頭痛に襲われ、どのバスに乗れば家に帰れるのか急にわからなくなったことがありました。これはまずいと思って上司に相談したところ、
「会社は、あなたが日本人だから採用したんだよ。僕たちが知らない日本の慣習やトレンドを知っているのがエミカでしょ?それを活かせばいいんだよ」
韓国で働くのだから「韓国ネイティブのようにならなきゃ」と思い詰めていた私にとって目から鱗でした。そうか、日本人であると言うことを強みに感じてくれていたのか、と。
これ以降、私は働き方に適用できるよう努力する部分と、日本人目線での日本マーケ施策提案など外国人である部分を最大限活用する部分に分けて考えるようになり、気持ちが楽になりました。
自分が外国人であると言うことを忘れない、言葉にすると、あまりに当たり前すぎることではありますが、海外で働く上で、ぐらつかない芯になると思っています。
ネイティブと比べて自信を失いそうになったり、文化に適用できずストレスを感じてしまっている時、「自分は外国人なんだ」と言うことをまずは思い出しましょう。
そうすると克服していくべき点と、ぶらさずに貫くべき点を明確にできるはずです。
―――今回は韓国就職のリアルをテーマに、段階に分けた様々な心構えを記載してみました。
職種や内容によるので全ての方が当てはまるわけではありませんが、少しでも参考になれば幸いです。もっとこう言う話を読みたいなどあればぜひTwitterなどでリプしてくださると今後の執筆時に参考にさせていただきます!
(私は専門家ではありませんので、今回は就職ビザに関する内容は割愛いたしました。)
今後も韓国で働く日本人として、現地ならではの情報をお届けしていきます!次回もお楽しみに!
川村絵美香(かわむら・えみか)‐Spoon Radio ジャパンカントリーマネージャー
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