いつもつきまとうビザの話
こんにちは。産業用AIのMakinaRocksで日本事業を担当している永井宏志郎です。今日はどこまでいっても外国人である私たちのあとを追いかけてくるビザの話をしていこうと思います。
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私のビザ取得遍歴
出入国管理事務所(今は「出入国・外国人庁」と呼ぶらしいです)で、色んな経験をされてきた方がいると思います。私も、ビザという縛りに怯えながら、ここまで生活をしてきました。この記事を書くにあたって、私が韓国で何種類のビザを経験してきたかふと計算したところ、なんと6種類ものビザステータスを経てきたという驚愕の事実を知りました。これまでのビザ遍歴は以下の通りです。
ソウル出入国・外国人庁
2014年09月~ D2(留学)※その後帰国しビザ失効
2019年06月~ H1(ワーキングホリデー)
2019年09月~ E7(特定活動)
2020年08月~ D10(求職)
2020年11月~ E7(特定活動)
2022年09月~ F2(居住)
2023年10月~ F5(永住)
特に2019年に再渡韓してからは、1年1回以上のペースで目まぐるしくビザが変動してきました。結婚をせずにワーホリから永住権まで取得する人は相当レアケースなのではないかと思います。
特に永住権に関しては、取得までのスケジュールは下記のような形でした。
2022年09月:居住ビザを取得
2022年10月:間髪入れず永住権の申請書類を集めはじめる
2023年01月:永住権申請
2023年10月:永住権許可
居住ビザでも2~3か月のうちには出たことを考えると、1年近く待ち続けた永住権は地味にストレスでした。申請時の窓口では「通常8か月~12か月程度かかる」と言われたので、丸8か月を過ぎたころからは、許可が下りると最初に反映されると言われるHi Koreaの在留満了日照会(체류만료일 조회)ページにいたっては毎朝見ていたぐらいです。そのため、許可を知らせるショートメッセージを受け取ったときは、思わずガッツポーズをしてしまいました。
ビザに関する5つのアドバイス
ここからは、あくまで経験に基づくアドバイスにも満たない個人的な5つの考えを共有します。
一つ目は、「とにかく韓国に来よう」ということです。ビザが延長できるか、ちゃんと仕事につけるかなどが不安で韓国に行くのをためらっている方がもしいらっしゃれば、とにかく韓国に来てみることをおすすめします。ワーキングホリデービザでも語学研修ビザでも、まずはとにかく韓国に滞在しながら機会を探すことが重要だと思います。
私自身、日本から韓国現地での仕事のポジションを探したりもしましたが、やはり現地に来て色んな人と会うだけで、情報量が段違いに変わってきます。やってみないと分かりません。なので、まずは韓国に来てみることをおすすめします。最初に得たビザの期間がある種のタイムリミットだと考えて、日本にいるときに考えた目標達成のために期限を切って頑張り、だめならすっぱり諦めるというのも一つの方法だと思います。
特に私の場合、期限がないとダラダラするタイプなので、常に次を考えざるを得ないワーホリの1年というリミットは逆によかったのではないかと思います。
二つ目は、「求職ビザもうまく活用しよう」ということです。もし就職して頑張って働いたのに、その仕事を辞めざるを得なくなった時には、求職ビザを使って一息ついて、自分のやりたいことを考え直すのも吉です。一般的に転職活動においては、次の転職先を決めてから辞めるのがいいとされています。ただ、そんな余裕がない状況に追い込まれることもあります。
私自身、勤めていた会社が希望退職を募集する、退職勧奨を行うという中々ハードな局面に2度ほど遭遇したことがあります。そんな中で焦って転職を決めるよりも、一度求職ビザを取得して身の振り方を考えることも選択肢の一つと思います。私の場合、韓国で最初の会社をコロナ禍の色々な事情が重なり辞めざるを得なくなった時、求職ビザで次のステップを色んな人に相談しつつゆっくり考えながら、「まだ韓国でやり残したことがある」という結論に至りました。これは、今考えると必要なプロセスだったなと思います。
三つ目は、「社会統合プログラムを楽しもう」ということです。人によるものの、何十時間から何百時間に及ぶこのプログラムを受けるのが苦痛になる場合もあるでしょう。もちろん、TOPIKを取得して、最短距離での受講をされることをおすすめしつつも、せっかく参加するならば楽しみましょう。
私の場合、インドからの参加者の方がものすごくプロアクティブに参加されていて、かつ韓国社会の知識も広かったので、とっても刺激を受けました。あとは、ここで学んだことがあとあと意外に役に立ったりします。例えば、私の時は地域の特色やお祭りを覚える単元があったのですが、仕事で定番の出身地話になったときに、「○○ってXXが有名ですよね!」みたいな話に役立っています。
社会統合プログラムの教科書
四つ目は、「長期的に永住権を目指すなら、自分にフィットする種類を前もって見極めよう」ということです。韓国のF5ビザ(永住権)の申請カテゴリは27個あります。一般永住以外にもいくつか方法はあるので、自分が目指すビザの種類を前もって意識しておくことは一つの目標になると思います。私の場合は、運よく韓国国内の大学での文系修士号があったので、5年以上の滞在要件がある一般永住よりも早いタイミングで申請することを最初から目標にすることができました。
五つ目は、「とにかく忍耐」ということです。最後は精神論です。特に永住権については、私の場合10か月、長い人は申請から丸々1年待たされることもあるプロセスです。気になって1345に電話したところで、なしのつぶてです。じっと我慢するしかありません。意識しないようにしても、やっぱり気にはなるのですが、特にこれに対する打開策もありません。私は福島県の会津というところの出身で、郷土の偉人に野口英世先生がいるのですが、彼もこんなことを言っていました。「忍耐は苦し、されどその実は甘し。」我慢も大事ですね。
最後に、忍耐も必要なビザとのお付き合いですが、それでも皆さんのビザとのお付き合いが、少しでも楽になることをお祈りしています。(私も永住権をどう維持していくのかが今から悩みです。)
韓国で暮らすサラリーマンの生活豆知識
最近は韓国版Amazonともいうべきクーパンを使えば、日本食も大体のものは手に入るようになりました。しかしながら、簡単に手に入らない食材があるのもまた確か。私の場合は、納豆がそれでした。
韓国で売られている納豆は高くて味もいまいちと思っていたところに、美味しい手作り納豆のお店がソウルにオープン!その名も、納豆豆(낫투두)。日本でも仕事をされていたオーナーが「本質と自分らしさを語る小さな空間」にしたいと語るこの店は、納豆の販売だけでなくランチの提供、夜はバー営業もしています。ソウルで納豆が食べたくなったらぜひ納豆豆へ。お店のインスタグラムとX(旧Twitter)そして、Naver地図から詳細をご覧ください。
(左)納豆豆の入り口、(右)納豆屋さんとは思えない店内
(左)日本の雑誌もありました、(右)美味しさが詰まった納豆
永井宏志郎(ながい・こうしろう)‐MakinaRocks 日本事業開発担当
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