【#韓国VCインタビュー】日本と韓国が一つの経済圏として重要な市場になる
Kakaoinvestment - チームリーダー チェ・ヒョチャン/Mike
小学校時代を日本で過ごし、大学卒業後、Amazon Japan Asia Campus1期生として採用され、物流インダストリーでキャリアをスタート。 その後、コンサルティング業界に転向し、戦略コンサルタントとして活動。 主に日本の大企業および政府機関のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)プロジェクトを担当し、政府機関のファンド造成プロジェクトを通じてアメリカ、ヨーロッパなど多様な機関と接するようになり、ベンチャーキャピタルリストという業に注目するようになる。 現在はKakaoinvestment(以下、KI)のチームリーダーとして韓国及び日本のスタートアップ市場で活躍している。
-Kakao Investmentはどのような会社でしょうか?
弊社は自己資本で投資をしております。直近は主にAIを中心とし、B2B SaaS、Robotics、Contents、プラットフォーム領域にてグローバルで活躍を期待できるスタートアップを発掘及び支援を行っております。去年からは韓国、北米、東南アジアだけではなく、日本のスタートアップの投資を行っております。
―なぜKakao Investmentへジョインしたのですか?
大きく分けて2つの理由があります。
1つはKIが北米と東南アジアを中心に海外投資を活発に行っていることを知っていて、日本のスタートアップシーンについても韓国のVCの中で一番早く進出する可能性が高いと思ったからです。 結果論的にまだ挑戦的な部分が多いですが、日本のスタートアップ生態系に進出できることを嬉しく思っています。
もう1つは、VCは基本的にバイサイドの業務なので、ネットワークが重要なだけでなく、これまでの経験を最大限に生かせるハウスに合流できることが一番良いと考えていたところ、KIは両方に当てはまると思ったからです。
「日本市場において”DX”は外せない分野」
―Kakao Investmentは日本に投資をしていますが、日本市場をどのように見ており、日本のスタートアップへ投資することになったきっかけを教えてください。
昨年春から日本のスタートアップ市場の動向について継続的にリサーチをしました。
Amazonでも、コンサルティング業界に携わっていたときにも認知していましたが、日本で「DX」は引き続き欠かせないテーマです。 非常に遅くなっていたDXは、コロナ、東京オリンピックなどいくつかのトリガーによって、リモートワーク、キャッシュレス、ペーパーレスなど、変わらないようだったアナログ文化が急激に変化することを体感してきました。
韓国ではDXのようなキーワードに対して「今さら?」という反応を見せる方もいますが、「DX」は日本では依然として浸透率が高くなく、関連テーマは大きな市場です。
toB、toCそれぞれの機会が異なるかもしれませんが、DXの観点からAI、B2B用SaaS、Robotics、Contents、ICT/Serviceなどの領域でグローバルに活躍できる日本のスタートアップに出会えることを期待しています。
―日本のスタートアップへの投資で難しいと感じることは?
今まではソーシングだったと思います。 投資ヒストリーがないのでネットワークも新しく広げなければならなかったし、色々と大変だった記憶があります。 日本のスタートアップ投資件数が増えれば今とはまた別の困難に直面すると思いますが、着実に主体的に蓄積してきた知識とネットワークを最大限活用していきたいと思っています。
「日本市場に合わせながら、丁寧にアプローチする」
―投資判断において、特にどのような部分を見ていますか?日韓で違いはありますか?
投資判断において、本質的な部分は変わらないと思います。 技術企業を検討すると仮定したとき、大きく分けて市場(マクロ)、技術、チームをもとに判断しています。
ただし、日本のスタートアップ投資の観点から少し肉付けすると、マネタイズについて様々分析し、判断しています。
韓国と日本の一番違う部分は”Willingness to Pay”だと思います。
日本はサービス浸透が難しく、toBとtoCビジネスの違いはありますが、サービスや製品さえ良ければお金を払う傾向があり、他のサービスへの転換が相対的に少ない傾向があります。
現在日本では早いテンポでDXが進んでいますし、韓国のスタートアップにも日本市場でチャンスがあると思います。 ただ、初めて市場に参入して定着するにはかなりのハードルがあるので、慎重な判断が必要だと思います。
―韓国VCの魅力を教えてください。
韓国と日本がスタートアップシーンでも経済圏に縛られていく状況で韓国市場に詳しいこと、すでに成熟したスタートアップシーンでケーススタディが多くなっていること、グローバル投資経験を蓄積していることなどが挙げられます。
特にCVCの場合、ビジネスの観点から韓国市場進出への支援なども期待できると思います。
KIとしては些細なことかもしれませんが、日本語のホームページを用意しています。 小さなことが積み重なると新しい機会が生まれると信じていますし、今後の私どもの日本スタートアップシーンでの活躍も期待してください。
Kakaoinvestment ホームページキャプチャー
―長期的に日韓スタートアップの生態系や投資についてどのようになっていくと予想していますか?
日韓のスタートアップの真の姿は単に「日本に投資する」「韓国に投資する」ではなく、日本と韓国が一つの経済圏としてさらに重要な市場になると考え、AI、Robotics、Software、Contentsなどの領域でスタートアップの観点からより多くの協業とビジネスチャンスの拡大を期待しています。
Kakaoinvestmentが2024年に日本で投資をした会社一覧
- 株式会社Zehitomo(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000026982.html)
- エボラニ株式会社(https://evolany.com/en/news/835/)
- ONIGO株式会社(https://onigo.co.jp/)
Kakaoinvestment(カカオインベストメント)ーチームリーダー チェ・ヒョチャン