「NVIDIAを超えてAI半導体1位の国に」…パンギョにR&Dのハブを構築
「NVIDIAを超えてAI半導体1位の国に」…パンギョにR&Dのハブを構築
- 水原・平沢も半導体拠点化…海外の優秀人材500人を確保
- 半導体産業を支える学士級の実務人材を毎年3万人育成
韓国政府が、「AI(人工知能)半導体1位の国」というビジョンを達成するため、板橋(パンギョ)・水原(スウォン)・平沢(ピョンテク)をR&D(研究開発)および教育の拠点として発展させる。世界のAI半導体市場をリードするNVIDIA(エヌビディア)よりも、低い電力消費と高いAI学習効率を備えた半導体技術を確保し、それに伴う人材育成にも取り組む。
科学技術情報通信部と産業通商資源部は15日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が参加した「国民と共にする民生(国民生活)討論会」で、「生活を豊かにする半導体産業」をテーマに、半導体メガクラスターの構築案を公開した。
低電力の韓国産AI半導体を開発…「メモリと同様に世界1位が目標」
科学技術情報通信部と産業通商資源部は15日、「AI(人工知能)半導体1位の国」のビジョンを達成するため、板橋・水原・平沢をR&D(研究開発)および教育拠点として発展させると明らかにした。昨年5月の「半導体未来技術のロードマップ発表会および半導体未来技術の官民協議会発足式」で開会の挨拶をするイ・ジョンホ科学技術情報通信部長官の様子。/写真=News1
政府はAI半導体の超格差技術を確保するため、板橋をAI半導体R&Dの拠点に、水原を化合物半導体技術の拠点に、平沢を半導体人材育成の拠点に、それぞれ整備する。
まず、ファブレス(半導体設計の専門企業)企業が密集している板橋を中心にAI半導体R&Dを強化し、2030年までに世界最高水準の低消費電力・高性能の韓国産AI半導体を開発するという目標を提示した。
現在AI半導体市場を席巻しているNVIDIAのGPU(グラフィック処理装置)はエネルギー消費が大きいため、韓国産AI半導体を、NPU(ニューラルネットワーク処理装置)→低電力PIM(知能型半導体)→超低電力PIMに高度化すれば、NVIDIAとも競り合えるというのが科学技術情報通信部の考えだ。
特に、韓国産AI半導体に特化したクラウドデータセンターの技術を確保し、世界最高レベルのエコシステムを完成させるため、1兆ウォン(約1,100億円)規模の技術開発実現性調査「K-クラウド」も推進している。これにより、グローバル最高水準のGPUに比べて消費電力は10分の1、AI学習効率は2倍というスペックを達成する計画だ。
イ・ジョンホ長官は12日の事前ブリーフィングで、「韓国は低電力AI半導体分野で、最低でも5位以内に入る。」とし、「メモリ半導体を世界で最も得意とする韓国の環境をうまく活用すれば、(AI半導体分野で)世界1位になることも可能だ。」と強調した。
水原は化合物半導体、平沢は新素子・先端パッケージング研究などに特化した地区に形成
水原には成均館大学・慶煕大学・亜洲大学など半導体関連の大学と韓国ナノ技術院が位置しているため、化合物半導体技術の拠点として選ばれた。化合物半導体は2種類以上の元素で構成された半導体だ。電力効率と耐久性に優れ、高温・高電流・超高速を必要とする技術分野での需要が高い。グローバル市場の調査機関であるPrecedence Research(プレシデンスリサーチ)によると、化合物半導体市場は2022年の432億ドル(約6兆3,000億円)から2032年には1,191億ドル(約17兆4,000億円)規模に成長する見通しだ。
政府は京畿地域の産学研究会と協業しながら、現在技術参入段階にある化合物半導体のR&D、実証、分析など全段階において支援する計画だ。また、大田(通信・国防半導体)、光州(光半導体)、釜山・浦項(電力半導体)などの地域別拠点と協業し、宇宙・国防、次世代通信、電力、センサーなど4大戦略分野を中心に、化合物半導体の開発に取り組む。また、成均館大学の近くには「R&Dサイエンスパーク」が設立され、京畿道のシリコンバレーとして半導体産学研究会と連携しながら、中心的役割を果たすことが期待されている。
政府はさらに、平沢に5,000億ウォン(約550億円)を投資してKAIST(韓国科学技術院)平沢キャンパスを2029年までに完成させる予定だ。ここに、「次世代設計研究センター」と「素子研究センター」を構築し、毎年1,000人の「リーダー級」半導体人材を育成する。また、他地域のR&D機関と連携して、次世代素子(強誘電体、磁性体)と先端パッケージング(垂直積層、異種接合)などの新技術も開発する。
これに加えて、全国に散在する公共半導体研究インフラ(ナノファブ)をオンラインによって連携・統合する「モアファブ」を構築し、研究者がいつでも安全に実験できる環境を提供する。年内には、韓国ナノ技術院、ナノ総合技術院、ナノ融合技術院、韓国電子通信研究院、大邱慶北科学技術院、ソウル大学半導体共同研究所など6つのファブを優先的に連携する予定だ。来年からは、対象を民間大学や研究機関ファブに広げる。
半導体大学院数を2倍に増やし修士・博士3,700人を輩出…海外人材も確保する予定
政府は「半導体強国」を支える人材育成にも力を入れている。まず、半導体契約学科、契約定員制、半導体特化型大学、半導体アカデミーなどの過程を通じて、今年、学士級の実務人材を約3万人輩出する計画だ。また、AI半導体大学院、半導体特化型大学院、BK21教育研究団など、R&Dの人材育成プログラムを通じて、修士・博士級の優秀人材も約3,700人育成する予定だ。
このために、AI半導体大学院3校は募集人数を、昨年の41人から今年は90人に増やし、半導体特化型大学院は3校から6校に増える。また、半導体特化型大学は8校から18校に増え、現場に適した人材を育成する半導体アカデミーは募集人数を昨年の520人から今年は800人に増やす。また、3つの科学技術院に学・修士統合課程の半導体契約学科を作り、先端分野大学の定員および産業専門家の教員資格規制を改善する。
これに伴い、政府は今年、海外から研究者88人を新しく招き、2027年までに合計500人の海外の優秀人材を確保する予定だ。このため、「サイエンスカード」ビザの期間を現行の1年から最大10年までに延長する。また、3年以内に韓国内の研究者2,060人(今年560人)を海外研究機関に派遣するなど、国際協力の強化策も検討されている。
イ長官は、「半導体はAI・デジタル、通信、量子、バイオなどに適用される重要な技術であり、韓国経済の支えだ。」とし、「半導体超格差技術と優秀な専門人材の確保を通じて、国家間の半導体競争を確実にリードする基盤を構築する。」と明らかにした。
<画像=政府が準備している半導体メガクラスター。/ 写真=科学技術情報通信部>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2024011423144317991
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