「旬の山菜が1年中食べられる」…日本・アメリカに進出した農家兄弟の「乾燥ミールキット」
「旬の山菜が1年中食べられる」…日本・アメリカに進出した農家兄弟の「乾燥ミールキット」
父の農家を継いだユン・ヒョクスンとユン・ヒョクジェ兄弟のHMR製造への挑戦
大企業も参入したHMR市場で品質・価格で勝負
年間40トン。毎年消費されずに捨てられる山菜の量だ。山菜の特性上、旬の時期に集中して生産されるため、このようなことが起こる。フードテック(食品技術)スタートアップHomsrang(ホームスラン)は、このような問題を解決するために山菜を中心とした「乾燥ミールキット」「冷凍ビビンバ」などのHMR(簡易調理食品)の開発に取り組んでいる。過剰供給される山菜を1年中食べられる製品を作ろうとの思いだった。
大企業も熾烈(しれつ)な競争を繰り広げているHMR市場だが、創業者のユン・ヒョクスンとユン・ヒョクジェ兄弟は自信を持っていた。まず、大企業よりも高品質な原材料の確保に自信があった。二人の代表は、江原道(北東部)の横城(フェンソン)郡で父の農場を引き継いで運営している。直接山菜を栽培し、不足している原材料は近くの農家から調達し、高品質な原材料を確保するために努力している。
さらに、山菜食品の名人をCOO(最高運営責任者)に迎え、独自のレシピを研究する一方、農業技術の実用化財団などから野菜を乾燥させても色や香り、味がそのまま保たれる技術の特許も譲り受け、差別化した味と品質を確保した。生産施設も直接整備し、最高の品質レベルを維持できるよう努めている。
これが功を奏し、Homsrangの製品は特別なマーケティングなしでも口コミで広がった。代表製品の「ナムルご飯ミールキット」は、ご飯を炊くときに米の上に振りかけるだけの簡単な方法がウケ、人気を集めた。現在、Homsrangが製造している製品は、乾燥ミールキット10種類、冷凍ビビンバ6種類、冷凍チャプチェ4種類だ。
Homsrangは今年、本格的な技術・事業の高度化のため、韓国農村公社と韓国社会投資が運営する農村複合産業アクセラレーティングプログラム「Agri-Grow」(アフリグロー)で、販路拡大と事業の高度化の支援を受けた。
Homsrangの概要
韓国社会投資のペ・ジュング審査役は「Homsrangはオンライン通信販売業者、ホームショッピング、江原道の休憩所など販売チャネルを拡大し、売上が毎年20%以上増加した」とし、シード投資を実行した背景を説明した。Homsrangによると、昨年の年間売り上げは18億7,000万ウォン(約2億円)で、前年比24%増加した。今年はこうした支援を受けて24億ウォン(約2億6,400万円)に増え、損益分岐点を超える見込みだ。
ホームスランはグローバル進出にも拍車をかけている。現在、日本の吉開や、アメリカの大型デパートであるトレーダーズジョーと流通契約を結んでいる。カナダやフランスの企業とも協議を進めている。ユン・ヒョクスン、ユン・ヒョクジェ両代表は、「今年は約3億8,000万ウォン(約4,100万円)の輸出額を記録する見込みだ」と述べ、「地域の農産物を消費できるさまざまな製品を開発し、輸出して地域経済と共生する企業になる」と語った。
<画像=(左から)Homsrangのユン・ヒョクスン、ユン・ヒョクジェ創業者/写真提供=Homsrang>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2024111412294989770
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