ニュース 2023.09.22

地方企業の「強制上京」を防ぐために人脈・金脈を「つなぐ」…地域の起業生態系に変化

UNICORN FACTORY スタートアップイベントグローバル進出ユニコーン企業

地方企業の「強制上京」を防ぐために人脈・金脈を「つなぐ」…地域の起業生態系に変化

[これからは地方の時代！-グローカルユニコーンを育てよう] 銀行青年創業財団 D.CAMP

#先月6日、大田のTIPSタウンで、スタートアップとベンチャーキャピタル(VC)の社員約50人が、同じ場所で一日共に働くD.CAMPの「Work Nect（ワークネクト）」が行われた。Webクローリングソリューションを開発したスタートアップUPENNSOLUTION （ユーペンソリューション）のキム・ジェフン代表もイベントに参加した。ベトナムの金融業界を対象にした事業拡大に向けて、協力できるフィンテック企業を見つけるためだ。

Work Nectを通じてUPENNSOLUTION を知ったD.CAMP側は、キム代表に保険の比較・加入プラットフォームを運営するOpenplan（オープンプラン）を紹介した。Openplan（オープンプラン）はD.CAMPのデモデーである「D.DAY」に参加したスタートアップで、ちょうど東南アジア進出を計画していたところだった。その後、両社は「保険商品のオンライン販売ソリューション」を共同開発し、ベトナムに進出することになった。

D.CAMPが運営する地域の起業支援プログラムは、地方スタートアップの心強い支えとなっている。プログラム後にも成果が出続けており、参加申し込みも増えている。D.CAMPも期待以上の反響に、それだけ地域スタートアップの人的・物的ネットワークの需要が大きいと判断し、プログラムを強化する計画だ。

全国の起業生態系がすべての資源を共有できるように「つなぐ」

D.CAMPの地域支援プログラムの中で最も反響があったのは、地域と首都圏のスタートアップ・VCに一つの空間で働く機会を提供するWork Nectだ。一か所に集まって仕事をすることが果たしてネットワーキングになるのかという懸念もあったが、初回から40人のスタートアップ・VC社員が集まり、「満員御礼」となった。現場の雰囲気も熱気で包まれていたという。

また、ネットワーキングの成果も出た。アプリ制作ソリューションを開発したoh my app（クロギスビデ）は、今年2月にWork Nectで忠北創造経済革新センターと出会い、1億5,000万ウォン（約 1,658万円）の資金を調達した。化粧品の素材開発スタートアップであるCOCOBERRY（ココベリー）とcurioso（キュリオーソ）も7月に、Work Nectをきっかけに両社間で協定を締結した。

D.CAMPの事業チーム長であるホン・ウンジン氏は、「D.CAMPは、参加者の事前マッチングや当日のプログラム運営など潤滑油の役割を果たすが、何よりも参加者全員にネットワーキングという明確な目的があるため、現場の雰囲気は活気に溢れ、成果も出ている。」と話した。

地方でも起業ブーム…ソウルの資源を地方へ

D.CAMPが開催したWork Nectの現場/写真=D.CAMP

D.CAMPの事業チームによると、地方スタートアップは人的・物的資源を渇望しているという。韓国内の起業ブームは非首都圏も例外ではない。中小ベンチャー企業部によると、2021年基準で非首都圏のベンチャー企業の割合は40.1%だ。しかし、地域の起業生態系は、このブームを支えるには不十分なのが現状だ。ベンチャー投資においても、今年上半期における非首都圏企業の割合は31.3%にとどまった。

ホンチーム長は「多くの地域のスタートアップが成長するにつれて、投資家や大企業、他のスタートアップに会うためにソウルに移転する。」とし「D.CAMPは地域でもソウルの資源を活用できるようにし、『強制上京』する必要がないように支援する。」と話した。

そのため、D.CAMPの支援事業のほとんどは、ソウルの資源を地域でも使えるように人的・物的資源を「つなぐ」ことに集中している。役割は「つなぐ」ことだが、満足度は数十億ウォンの予算が投入される支援事業より高い。

ホンチーム長は「D.CAMPの役割は、プラットフォームを通じてすべてのスタートアップとVC、支援機関をつなぎ、資源を効率化することだ。」とし「これにより、地域の起業生態系もソウルと同様に不足のないものにしたい。」と強調した。