電気自動車充電ソリューション「EVAR」のイ・フン代表、充電ソリューションを越え電気自動車時代を先導していく
電気自動車充電ソリューション「EVAR」のイ・フン代表、充電ソリューションを越え電気自動車時代を先導していく
パンデミックや地球温暖化による異常気象が世界的に発生し、環境問題の解決策を誰もが注目している。自動車業界も環境問題解決のための変化が急速に進んでいる。化石燃料で走っていた自動車も、化石燃料の依存度を下げるために代替エネルギーで走れる自動車の需要が高まり、水素、電気など新しいエネルギーで走る自動車技術が登場し始めた。その中で、世界的に電気自動車の普及率が急速に伸びている傾向にある。
これに伴い、電気自動車の充電インフラ市場の成長もこれに合わせて成長している。ドイツのコンサルティング会社ローランド・ベルガーによると、世界の電気自動車の充電市場規模が2023年には550億ドル(約8兆1,234億5,000万円)、2030年には6倍の3,250億ドル(約47兆8,327億4,000万円)規模に成長すると予測した。
電気自動車の充電技術関連の資金調達も活発化している。このうち、2023年7月に220億ウォン(約24億4,600万円)規模のシリーズB資金調達に成功し、成長性が認められた電気自動車充電ソリューション「EVAR(エヴァー)」がある。
EVARは「充電の心配のない電気自動車ライフ」をモットーに、消費者が安心して電気自動車を運行できるよう、充電の不便さを解消するソリューション開発に注力している。電気自動車の緩速充電器から自動運転充電ロボットParky(パーキー)など、電気自動車の充電総合ソリューションを提供しているスタートアップだ。
EVARはグローバル市場でその技術が認められている。米ラスベガスで開かれる世界最大のIT展示会CES(Consumer Electronics Show)で2022年と2023年の2年連続でCES革新賞5つを受賞した初の電気自動車充電器製造企業という記録を樹立した。
2018年の設立後、急速な成長で今や世界を舞台に活躍中のEVARのイ・フン代表に話を聞いてみよう。
急成長する電気自動車市場、電気自動車充電ソリューションの機会発見
(左から)装着型緩速充電器Smart EV Charger 2023、緩速充電器Smart EV Charger 2.0、イ・フン代表(写真=beSUCCESS)
Q.電気自動車市場が急速に拡大し、ソフトウェア、バッテリーなど、様々な関連技術の開発が世界中で活発に行われています。その中で電気自動車の充電ソリューションを選んだのはなぜでしょうか。
EVARはもともとサムスン電子の社内ベンチャーとしてスタートしました。当時、社内ベンチャーの課題として世界初の電気自動車自動充電ロボットを提案して開発し、これを本格的に商品化・事業化するために2018年にスピンオフで起業しました。
電気自動車市場は世界の他の産業よりも急速に成長している市場であり、それに伴い電気自動車の充電分野にも多くのチャンスがあるだろうという期待もありました。
板橋(パンギョ)には人材が密集しており、採用が容易 支援機関の多様なプログラムでグローバル進出の機会多く
第2板橋テクノバレー企業成長センターの地下駐車場にはEVARの充電ソリューションがある(写真=beSUCCESS)
Q.板橋テクノバレーには未来の自動車技術である自動運転センサー、AIデータ、バッテリー、半導体など様々な企業が密集していますが、充電ソリューションのスタートアップはEVAのみです。板橋を選んだ理由を教えてください。
スピンオフ後、サムスン電子の本社がある水原(スウォン)に初めて事務所を構えました。その後、従業員が6人に増え、板橋に引っ越しましたが、今は従業員が60人ですから、10倍以上の規模に成長しましたね。
韓国の優秀な人材が集まっている板橋は、優秀な人材を採用するのに役立ちました。また、従業員の満足度においても、板橋のインフラは多様に活用できる面があるので、板橋への移転は非常に良い決断だったと思います。
Q.韓国内だけでなく、グローバル進出にも拍車をかけておられます。板橋はスタートアップのグローバル進出を多く支援していると聞きました。グローバル進出にあたり、どのような支援を受けましたか?
昨年から今年まで2年連続でCESイノベーション賞を受賞しました。このようなグローバル市場で競争するためには、板橋にある様々な起業支援機関の助けが必要でした。
CES展示場のブースも支援するプログラムがあり、おかげで2021年と2022年にブースで参加しました。スタートアップの立場からすると、どうしても費用の面で自社費用で参加するのは難しい部分が多いのですが、このような支援プログラムを通じて、グローバル進出において多くの助けを得ることができました。
充電ソリューションを越え、電気自動車時代をリードする企業が目標
EVARが受賞したCESトロフィーをはじめ、韓国内外で受賞した賞牌とイ・フン代表(写真=beSUCCESS)
Q.グローバルイベントへの参加で、海外でもEVARの技術力が知られているようです。今回のシリーズBの資金調達に日本のオリックスが参加したことが印象的でした。グローバル市場におけるEVARの目標は何ですか?
韓国市場でも当社が先行していますが、今回の日本からの資金調達で、グローバル市場でも対外的な信用度を獲得したと考えています。これを足掛かりに海外市場への進出を加速させる予定です。
長期的に韓国内だけでなく、世界でも有数の充電ソリューション企業となり、電気自動車時代をリードする企業としての地位を確立させたいです。
Q.海外市場進出において、現在注力している市場はどこですか?
まず最初に攻略したい国は、米国とカナダ、そして日本です。
この3つの国は、韓国と電気自動車の充電の規格が似ており、韓国で検証された当社の製品を輸出しやすいからです。
Q.2018年分社化後、短期間でグローバル市場まで急速に成長していますね。成功した先輩起業家として、未来の後輩起業家に一言お願いします。
起業する上で最も重要なのはアイテムだと思います。どんなアイテムをやるかが結局は半分以上を左右するほど、最も重要な部分だと思います。あとは、良い人材と一緒にいられるかどうかだと思います。
板橋というインフラが良い人材を発掘する上で、韓国で最適な場所だと思います。政府、自治体の支援プログラムは様々なので、一生懸命探せばかなり良い条件で起業できるチャンスにめぐり合えると思います。
Q.EVARは良いアイテムと良い人材までそろいましたね。代表の最終目標を伺いたいです。
会社代表としての個人的な意気込みが会社の成長につながるようです。会社がうまく成長して、より広くグローバル市場に進出し、さらに上場まで進めて、一緒に努力した社員がやりがいを感じられる会社にしたいと思っています。
< 画像:ソウル近郊の京畿(キョンギ)道城南(ソンナム)市の板橋(パンギョ)テクノバレー京畿企業成長センターの地下駐車場に設置されたEVARの緩速充電器Smart EV Charger 2.0。世界初の火災検知ソリューションを搭載。(写真=beSUCCESS)>
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