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NCが超巨大AI「VARCO」をリリース…「ゲーム分野を超え、AI企業へと飛躍」

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NCが超巨大AI「VARCO」をリリース…「ゲーム分野を超え、AI企業へと飛躍」

(詳報)NCSOFTが「VARCO」の商標権を出願…B2B事業の新たな展開

NCSOFT(284,000ウォン ▲3,000 +1.07%)が、LLM(巨大言語モデル)をはじめとするAI事業のブランド名を「VARCO」(バルコ)に決定した。過去12年間、内部で研究してきたAIを外部に公開し、商品化するための新たなスタートだ。ゲーム企業を超え、AI企業への飛躍を意味するものでもある。

10日、特許庁によると、NCSOFTは「VARCO」の商標権を出願したという。VARCOは、NCSOFTが独自に開発したLLM(巨大言語モデル)だけでなく、AI事業を総称するブランドとなる見通しだ。早ければ今月、VARCOブランドは公式発表される。現在約70億・130億パラメーター(媒介変数)のLLMを年内に最大520億パラメーターにまで拡大し、大・中・小の規模別に順次公開する方針だ。

イタリア語で「突破口」という意味のVARCOは、NCSOFT AIセンター傘下のビジョンAIラボが、科学技術情報通信部主管の「人工知能グランドチャレンジ」に参加したときのチーム名だ。VARCOは2019~2022年の4年間行われた大会で最終優勝し、世界的に名を轟かせた。当時はビジョン(Vision)・人工知能(AI)・認識(Recognition)の略語だったが、今ではNCSOFT AIの代名詞となった。

「NC VARCOは未来の成長エンジン」

今回の商標権出願は、NCSOFTのAI技術が研究室の枠を超え、生態系の拡大に乗り出すという点で重要な意味を持っている。2011年に韓国のゲーム会社の中で初めてAIセンターを設立したNCSOFTは、短期的な成果よりも中核技術の研究に注力してきた。今後は12年間培ったAI技術をAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)の形で外部に公開し、B2B事業に取り組む。韓国語だけでなく、英語など多言語をサポートし、グローバル展開まで推進する予定だ。

ただし、GPT-3(1750億)やNAVERのHyperCLOVA(ハイパークローバ{2040億})より規模が小さいため、バーティカルサービスに集中するという。最初のプロジェクトとして、DRIMAES(ドリムエース)の自動車用ソリューションに独自のLLMを搭載したサービスを発表する予定だ。AIが運転手に合ったニュースを口語体で要約し、リアルタイムで読み上げてくれるのだ。2020年に「AI簡単投資証券会社」発足のためKB証券と提携した、December & Company(ディセンバー&カンパニー)との協業も予想される。

社内のゲーム開発にもLLMは活用される。社員がゲーム開発に活用できるAIプラットフォームを年内に自社で開発する予定なのだ。NCSOFTのイ・ジャンウクIR室長は、5月の決算発表時に、「AI技術がゲームと結合すれば、会社と顧客の両方に新しい価値を提供することができる。」とし「AIゲーム開発によってコンテンツの没入感を高め、質的な向上をもたらし、将来の成長機会を広げる。」と述べた。

マルチモーダルAIも研究中…「年内にデジタルヒューマンを公開」

NCSOFTが今年3月に「GDC 2023」で公開したデジタルヒューマン「TJ Kim」 /写真=NCSOFT

NCSOFTは昨年、ソウル大学コンピュータ工学部のイ・ジェヒ教授を最高研究責任者(CRO・副社長)として迎え入れた後、AI事業を加速させている。イ・ジェヒCROは、年内に人と対話できるデジタルヒューマンの公開を目指し、社内のAI技術を結集している。AIとNLP(自然言語処理)センターに分かれていた研究組織も「NC AI R&D」に統合された。今年初めにGDCで公開されたキム・テクジン代表のデジタルヒューマンもイ・ジェヒCROの作品だ。

単純に外見が似ているだけでなく、人とリアルタイムで対話できるデジタルヒューマンを具現化するには、自然な言語表現だけでなく、相手の音声・動作なども認識させる必要がある。このため、NCSOFTはLLMだけでなく、映像・音声・文字など異なる形式のデータを理解・変換できるマルチモーダルAIも研究している。その点で、デジタルヒューマンは、NCSOFTのAI技術力の集大成といえる。業界関係者は「NCSOFTはゲーム会社というよりソフトウェア会社という認識が強かった」とし「AIでB2B事業に乗り出したのは、それだけ技術力に自信がある証拠」と述べた。

イ・ジェヒCROは、「高度化されたデジタルヒューマンを作り出すということは、NCが作るすべてのサービスのクオリティが向上し、コストと労力が削減されるということを意味する」とし「デジタルヒューマン技術はNCのビジョンであり、重要な基盤技術になるだろう」と述べた。



<グラフィック=チェ・ヒョンジョンデザイン記者>

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023071016425838815

/media/UNICORN FACTORY
記事を書いた人
UNICORN FACTORY

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