ニュース 2023.11.06

2030年までに超格差技術確保・グローバル先導… 「AI・先端バイオ戦略ロードマップ」樹立

2030年までに超格差技術確保・グローバル先導… 「AI・先端バイオ戦略ロードマップ」樹立

半導体・ディスプレイ、二次電池、先端モビリティの戦略ロードマップに続き、人工知能(AI)および先端バイオ分野の戦略ロードマップが整った。従来比データや電力消費量を50%以上削減できる高効率学習モデルの開発など、源泉技術の確保を通じて、2030年までに2つの分野のグローバル先導グループへの参入を推進する。

韓国の科学技術情報通信部（省）は先月31日、国家科学技術諮問会議の国家戦略技術特別委員会第4次会議を開き、AI、先端バイオなど、未来革新分野の任務中心の戦略ロードマップを審議・議決した。

国政課題レベルで推進されている国家戦略技術の任務中心の戦略ロードマップは、戦略技術分野別国家最上位技術戦略で、8月に半導体・ディスプレイ、二次電池、先端モビリティなど、技術覇権競争の3つの分野のロードマップが優先的に発表された。

今回の戦略ロードマップは、未来イノベーションの中核となる2つの分野に対して、2030年までに達成すべき国家任務と中核技術の目標及び投資・政策の方向性を示した。

まずAI分野はChatGPT、LLaMA（ラマ）など、超巨大AIが普遍化されているが、AI学習の過程で消費されるデータ・資源規模が増加し、ビッグテック企業の偏重も強まっている。これに伴い、既存の量的競争を覆す次世代技術の先取りとAI中核技術及び産業活用基盤の確保を目標に△効率的な学習及びAIインフラの高度化△先端モデリング・意思決定△産業活用・革新AI△安全・信頼AIなど、4つの重点技術別任務を具体化した。

AI学習に必要なデータ・コンピューティング・電力負担を50%以上軽量化できる非定型データ基盤、分散・並列型学習およびクラウド最適化技術などを開発する。特に、既存のAIの難題である超少量データ学習、AIモデル相互間コラボレーション、常識推論、マルチモーダル技術、脳神経網の模倣など、人間志向的な人工一般知能(AGI)の源泉技術の確保を通じてグローバル先導グループへの参入を推進する。

また、欧州連合のAI法を筆頭とした主要国中心のAI規範の技術ブロック化に対応するAI信頼性の高度化を中核任務として識別した。このため、AI生成コンテンツ権利侵害自動検出（検出率90％以上）、偏向・汚染されたデータに対するモデルの堅牢（けんろう）性確保とともに、AIモデルが結論を導く過程・意味および内在の脆弱（ぜいじゃく）性などを判断・提示できる説明可能なAI (XAI)技術の確保に集中する。

先端バイオ分野はデジタル・バイオの融合先制対応及びバイオ製造強国への跳躍を目標に△合成生物学△遺伝子・細胞治療△感染病ワクチン・治療△デジタルヘルスデータの分析・活用など、4つの重点技術中心のロードマップを樹立した。

合成生物学の場合、AI・ロボットを適用し、誘電体・タンパク質などのバイオ部品の設計・生産効率を10倍まで自動化・高速化・低コスト化する革新的技術の確保に集中する。タンパク質・誘電体などバイオ部品の超高速発掘（スクリーニング）、培養・精製など工程技術の開発と同時に、これを裏付ける中核機器・ソフトウェア(SW)の確保及びバイオ製造工程のデジタルツインの搭載などを識別した。

これとともに、2030年までに遺伝物質伝達（RNAプラットフォームなど）と安全性が確保された次世代細胞治療剤の開発を推進し、ワクチンプラットフォームの中で他分野で波及効果の高いmRNAを中心に感染病対応も高度化する。

また、バイオデジタル転換を推進する韓国人バイオビッグデータの構築及びクラウドベースの分析インフラの構築とともに、生成型AIを適用した新薬候補分析・疾病診断などの難題解決にも挑戦する。

樹立したロードマップ内の任務及び目標は、政府の研究開発(R&D)投資・評価間の主要基準として活用する計画だ。2030年を基準に設定した目標を技術・産業動向の変化に伴い持続検討・調整過程も経る。

科学技術情報通信部のチュ・ヨンチャン革新本部長（国家戦略技術特位委員長）は「AI・先端バイオ分野は任務中心的R&D及び超格差技術の確保が何より重要だ」とし、「国家戦略技術育成特別法の本格施行に合わせて戦略ロードマップが提示する中核目標を中心に、世界最高水準の研究を集中的に支援していく」と話した。