韓国・尹大統領は「規制改革」を叫ぶが...与党議員は国政監査で「スタートアップ叩き」
韓国・尹大統領は「規制改革」を叫ぶが...与党議員は国政監査で「スタートアップ叩き」
第21代韓国国会最後の国政監査が終盤を迎える中、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の規制改革の取り組みとは全く異なる主張が与党議員から出され、政策に一貫性がないとの指摘が上っている。これに関して与党「国民の力」は、個々の議員の主張に過ぎないとの立場だ。
同党のキム・ヒゴン議員は、個人情報保護委員会などを対象にした国政監査で「重大な違反行為であることを認めながらも、強力な行政制裁はなく、新興企業のミスとして見るべきだとして、行政処分だけで調査を終結した」と批判した。
これは今年6月、個人情報の収集・保管違反を理由に3.3(サンテンサン)の運営会社であるJOBIS&Villains(ジョビスアンドビランズ)に対して、是正命令と共に課徴金8億5,410万ウォン(約9,400万円)と罰金1,200万ウォン(約133万円)を科した個人情報保護委員会の処分を指摘したものだ。スタートアップを守るのではなく、検察告発など、より強力な行政制裁が下せるよう、再検討すべきとの主張だ。
しかし、3.3に対して個人情報保護委員会が課徴金を賦課した際、政界は政府がスタートアップの新規事業を事実上認めたとして、むしろ歓迎の意向を示していた。スタートアップ・ベンチャー企業の成長を支援するための与野党の国会議員の集まりである国会ユニコーンファームは、当時、個人情報保護委員会が住民番号の保管問題だけを制裁し、税務代行のための住民番号処理を禁止行為と判断しなかった点に注目した。職域団体との摩擦が起きた発端である機密情報処理の部分で、事実上、スタートアップを擁護したためだ。行政制裁を再検討する場合、これに対する判断も再度受ける必要がありそうだ。
キム議員は質疑の過程で、むしろ単純な個人情報保管を越え、「個人情報流出」が起きた大企業のLGユープラスに対する処分の軽重については特に言及しなかった。個人情報保護委員会は昨年7月、19万人の個人情報を流出させたLGユープラスに課徴金68億ウォン(約7億5,400万円)と罰金2,700万ウォン(約299万円)を科したことがある。与党議員が比較的重い処罰を受けた大企業の事例はそのままにしておきながら、比較的軽い制裁を受けたスタートアップにだけ言及したという批判が出たのはこのためだ。
与党議員の「スタートアップ叩き」は、企画財政委員会の国政監査でも出た。「国民の力」のキム・ヨンソン議員も3.3をターゲットに「既存の課税資料は納税者の機密情報が含まれており、課税当局が情報の第三者提供や漏洩(ろうえい)を禁止し、国会も個別課税情報へのアクセスを拒否されるほど厳格に管理されている。しかし、3.3の税務プラットフォームのホームタックスアクセスに対しては、国税庁の取り締まりの根拠が不十分だ」と指摘した。
3.3のAIプラットフォームと事務職員の税務資格の実態が不明確だとして、彼らが機密情報を活用する過程での監視体系を求めたのだ。
しかし、機密情報の監視は事実上、国防委員会の管轄であり、監視体系の作動で昨年6月に是正措置が行われたことを考慮すると、与党議員が国税庁に過度な規制を要求したものとの指摘が出ている。これまで政界は、スタートアップ・ベンチャー企業の育成の要求が出るたびに事実上、職域団体などを代弁するなど、イノベーションを妨げてきたとの批判を受け続けてきた。今回の国政監査でも事実上、同様の場面が再現したことになる。
一部の与党議員のこうした発言は、尹政権の「規制改革」ドライブとも合致しないとの指摘も出ている。
尹大統領は就任以来、新産業の育成のための規制改革を着実に推進してきた。今年初め、公正取引委員会(公取委)は、Law&Company(ローアンドカンパニー)が運営するLawTalk(ロートークサービス)の利用を禁止し、弁護士の脱退を求めた大韓弁護士協会(以下、弁協)及びソウル地方弁護士会に対して、課徴金それぞれ10億ウォン(約1億1,000万円)、計20億ウォン(約2億2,000万円)を科すことを決定した。法務部(省)も先月26日、政府のカチョン庁舎で弁護士懲戒委員会を開き、LawTalkを利用して弁協から懲戒処分を受けた弁護士123人が出した異議申請を受け入れた。尹政権が職域団体の代わりにイノベーションサービス業者を擁護したと指摘される理由だ。与党も規制改革推進本部を設置するなど、政府に歩調を合わせてきた。
しかし、一部の与党議員の国政監査での発言は、LawTalk・3.3・dr.now(ドクターナウ)など、イノベーション企業と対立関係にある職域団体の主張と同じという点で、スタートアップの育成政策に対する与党の立場が一貫していないとの批判が出ている。実際、3.3と対極にある韓国税理士会は、キム・ヒゴン、キム・ヨンソン議員の国政監査での発言が掲載されたメディアの記事をホームページ内の「言論の中の税理士会」コーナーに紹介するなど、これを世論戦に活用した。与党議員が職域団体の主張に加担したと誤解されかねない。
「国民の力」は、これは個々の議員の見解に過ぎないと線を引いている。規制改革に対する与党の立場は変わっていないことを強調した。
「国民の力」規制改革推進団のホン・ソクジュン団長は電子新聞の取材に、「国会議員はすべて憲法機関なので、立場の違いはある」としつつ、「LawTalkの問題なども与党と法務部などが難しい部分をうまく解決した。産業団地の規制や外国人労働者など、かなりの部分の規制を撤廃した」と話した。また、「前政権とは異なり、尹政権の規制改革に対する立場は明確だ」と説明した。
<画像=10日、国会で政務委員会の国政監査が行われた。=聨合ニュース>
原文:https://www.etnews.com/20231026000585
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