【ET視線】道のりは遠い自動運転の商用化
【ET視線】道のりは遠い自動運転の商用化
未来モビリティ時代の稼ぎ分野として浮上した自動運転車の商用化が暗礁(あんしょう)に乗り上げた。
昨年末、米ゼネラルモーターズ(GM)の自動運転子会社であるcruise(クルーズ)は、全従業員の24%である900人余りの解雇を含む大規模なリストラ策を発表した。cruiseはサンフランシスコでロボタクシーサービスが承認されたが、人身事故が発生し、安全性への懸念高まった。結局、GMはクルーズへの投資を当初の計画より10億ドル(約1,474億7,000万ウォン)削減すると明らかにした。cruiseは空中分解の危機に直面した。
1日、米国の技術会社Aptiv(アプティブ)は、現代自動車グループと設立した自動運転合弁会社Motional(モーショナル)の有償増資に参加しないと発表した。Aptivのケビン・クラーク最高経営責任者(CEO)は「Motionalが技術と商用化の面で発展を続けているが、投資範囲を中核事業分野に縮小することにした」と明らかにした。
フォードやフォルクスワーゲンなどグローバル主要完成車メーカーも自動運転の研究開発(R&D)を縮小したり、完全に中断している。彼らは技術開発の難しさを訴え、共同設立した自動運転スタートアップArgo AI(アルゴエイアイ)への投資を撤回した。自動運転技術の開発には天文学的な費用が投入されているが、商用化が市場の見通しより遅れており、当面は利益を出すことが難しいとの判断からだ。
米国、欧州、韓国メーカーが開発と投資を躊躇(ちゅうちょ)している間、中国は巨大な資本力を基に自動運転技術の確保を加速化させている。中国は自動運転車の中核部品であるLiDAR(ライダー)技術分野で米国、日本を抜き、地位を強化している。中国企業の関連特許出願件数は2万5957件で、米国(1万8821件)と日本(1万3939件)を抜いた。ホサイ、ロボセンスなどの中国企業はすでに事業実績でも業界1~2位のドイツのボッシュ、日本のデンソーを抜いた。車両用LiDAR市場におけるホサイのシェアは47%で、世界1位だ。
<電子新聞のチョン・チヨン電子モビリティ部記者>
自動車産業は韓国製造業の中核だ。現代自動車は昨年、グローバルビッグ3、韓国の上場企業で営業利益1位になった。しかし、政府と企業の自動運転の開発と準備状況は2~3年前と大きく変わったことはない。2022年、韓国は競合国よりレベル3の自動運転車の安全基準を整備したが、技術的・社会的受容性の問題で、実際のレベル3以上の量産車は1種類も発売できなかった。自動運転シャトルバスのような実証事業も、決められたルートを走行する路線型にとどまっているのが現実だ。
収益性を理由に自動運転の開発と商用化の準備を怠れば、市場先取りに遅れをとらざるを得ない。自動運転の実証事業に参加したスタートアップの代表は「自動運転シャトルの利用金額だけでは収益創出が難しく、投資金に頼らなければならない状況だ」とし、「政府と民間の投資が減れば、今後、事業を継続して運営することはできなくなるだろう」と話した。
専門家らは、自動運転車の商用化のために企業はもちろん、政府、関係機関が協力してR&D投資と制度の整備を急ぐべきだと口をそろえる。先進国との差を縮めるためのR&D支援の拡大と走行データの蓄積のための規制緩和、制度整備が急がれる。
業界の懸案事項である法と制度を改編して安全問題を解決し、企業が収益性を確保できる方策を整えなければならない。倫理的な問題や歩行者の保護、個人情報保護など、安全性と信頼性、収益性の確保などに対する全面的な見直しが行われることを望む。
<画像=ソウルの清渓川(チョンゲチョン)で運行中の42dotの自動運転シャトル>
原文:https://www.etnews.com/20240202000192
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