ベンチャー・スタートアップに10.5兆ウォン...成長段階別のオーダーメイド支援

初期スタートアップ6.1兆ウォン「最高」
セカンダリーファンド1.5兆ウォン...3倍↑。
小規模M&A 1,000億ウォン融資

韓国政府が氷河期を迎えたベンチャー・スタートアップのエコシステムを支援するため、成長段階別に計10兆5,000億ウォン（約1兆581億4,000万円）規模の新規政策資金を投入する。金利引き上げによる流動性の低下などで新規投資を躊躇（ちゅうちょ）するベンチャー投資家のための規制改革と回収市場支援策も実施する。

中小ベンチャー企業部（省）と金融委員会は20日、国務総理主宰の国政懸案関係閣僚会議で「経済危機克服、未来成長力確保のための革新ベンチャー・スタートアップ資金支援及び競争力強化案」を発表した。今年1月のベンチャー支援対策発表から3ヶ月で追加対策を打ち出した。

対策の中心はベンチャースタートアップのライフサイクル別のオーダーメイド支援策で、新規資金として計10兆5,000億ウォン（約1兆581億4,000万円）を支援する。

1~3年未満の初期スタートアップには最も多い約6兆1,000億ウォン（約6,146億3,800万円）を支援する。技術保証基金と信用保証基金がそれぞれ5,500億ウォン（約554億1,400万円）、6,000億ウォン（約605億3,100万円）の保証を追加供給する。投資疎外領域であるエンジェル投資や地方改革企業に対する保証機関の投資も600億ウォン（約60億5,300万円）に拡大する。特に、極初期スタートアップが技術だけでは資金調達が難しいことを考慮し、企業銀行が極初期企業の起業の育成を担当する子会社を設立する。

3~7年未満の中小企業には、その後の資金調達が困難となり、成長が遅れることを考慮し、1兆9,000億ウォン（約1,916億9,800万円）を投入する。成長・運転資金の供給を拡大する。信用保証基金と技術保証基金がそれぞれ成長資金政策保証2,000億ウォン（約201億8,000万円）、運転資金政策保証1,000億ウォン（約100億9,100万円）を加えるなどし、計3,500億ウォン（約353億2,100万円）を追加する。

回収活性化のためにセカンダリーファンドも既存の5,000億ウォン（約504億3,800万円）から1兆5,000億ウォン（約1,513億5,900万円）に3倍拡大する。満期ファンドへの再投資による後続投資を促進するためだ。ベンチャー技術企業に対して銀行が融資した実績は、今後銀行の改革性を評価するテック評価指標で優遇し、銀行がより積極的に供給できるように誘導する。

7年以上の後期企業には4,000億ウォン（約403億6,100万円）を投入する。合併・買収(M&A) 、株式公開(IPO)、海外進出などが主な案件であることを考慮した。産業銀行が3,000億ウォン（約302億5,600万円）規模でグローバル進出の支援ファンドを新規造成する。企業銀行は、小規模M&Aを活性化できるよう、1件当たり300億ウォン（約30億2,500万円）など計1,000億ウォン（約100億8,400万円）の融資費用を支援する。来年はその金額をさらに拡大する。

民間ベンチャー投資の促進のため、金融業界と企業型ベンチャーキャピタル(CVC)の投資規制も改善した。銀行のベンチャーファンドの出資限度額は、既存の自己資本の0.5%から1%に引き上げる。コネックススケールアップファンドは、既存の1,000億ウォン（約100億8,400万円）にさらに1,000億ウォン追加する。これにより、技術企業などが上場して投資資金を回収できるように支援する。CVCが韓国の創業企業の海外子会社（株式50%以上）対象の投資を韓国内の企業と同じように投資できるよう、規制も緩和する。

キム・ジュヒョン金融委員長は「経済主体が縮小している状況で、ベンチャー投資が容易ではないだけに、不安心理を緩和するためのつなぎを設けることが今回の対策の中核だ」とし、「既存の投資額とM&Aのための買収資金などを優先的に回収できるように支援し、雰囲気を転換させたい」と話した。

トップキャプチャー：<キム・ジュヒョン金融委員長とイ・ヨン中小ベンチャー企業部長官が20日、政府ソウル庁舎で改革ベンチャースタートアップの資金支援と競争力強化策を発表している>

原文：https://www.etnews.com/20230420000209