韓国のエドテック市場、2025年に10兆ウォン規模の成長見通し
韓国のエドテック市場、2025年に10兆ウォン規模の成長見通し
韓国内のエドテック市場が2025年に約10兆ウォン(約1兆464億円)規模に達するとの見通しが示された。
6月30日、韓国エドテック産業協会の主催で開かれた「2022エドテックセミナー」で、エドテック研究院は韓国内のエドテック市場の現況と展望を盛り込んだ「エドテックグローバルトレンド」の調査結果を公表した。
調査によると、2021年の韓国内のエドテック市場の売上額は約7兆3,250億ウォン(約7,659億7,400万円)で、年平均8.5%成長し、2025年には9兆9,833億ウォン(約1兆434億6,100万円)を記録する見通しだ。
これは1,099社のエドテック専門企業とeラーニング産業実態調査の対象に含まれなかったハードウェア、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)、出版業など、エドテック関連企業の売上額を基に推定・予測した資料だ。
韓国のエドテック産業は新興企業とサービス提供企業が主導してきた。売上額10億ウォン(約1億円)未満(40%)または従事者10人未満(48.4%)の中小零細企業が調査企業の大多数を占めた。エドテック産業が全般的にスタートアップの成長率と中小企業の雇用創出効果が高いという評価だ。
エドテック産業の主力分野は、サービス(71.9%)、プラットフォーム(13.1%)、コンテンツ(8.4%)、デバイス(6.4%)、ネットワーク(0.3%)であることがわかった。市場の成長はサービス分野が主導した。
100億ウォン(10億4,500万円)以上の投資を受けた企業22社のうち、大多数の21社が語学、数学、コミュニケーション、職務、コーディング、幼児などのサービス企業だった。
写真:ゲッティイメージバンク
サービス分野では職業訓練の割合が高く、コンテンツ市場では幼児とK-12(小・中・高教育)に集中した。人工知能(AI)ベースのサービスとコンテンツが融合する傾向があるが、メタバースのような未来技術の確保と設計・運営・評価からまだ統合システムに発展していないことが浮き彫りとなった。
プラットフォーム分野では学習管理システム(LMS)や著作ツールなどに強みがあるが、学校統合システムや学生情報システムなどに特化されていないため、グローバル競争力はやや不十分だと指摘された。
ネットワーク分野では、単純なクラウド提供を中心に、Google(グーグル)やMicrosoft(マイクロソフト、MS)のような教育管理システムが搭載されたクラウドがまだ不足していることがわかった。
NAVER(ネイバー)やKT、SK telecom(SKテレコム)などでエドテックへの関心と投資が増加しているが、海外企業が韓国市場を浸食し、教育関連データを蓄積されてしまうとの懸念が出された。
学習用デバイス分野では韓国企業と中国、台湾企業間の競争が激しく、融合教育(STEAM)や教育用ロボット企業の発掘・育成が必要だとの指摘が出た。
この日、セミナーの参加者は、エドテックの競争力強化のために、△企業間の協業の基盤造成△エドテック産業のロードマップの開発△エドテックのスタートアップ育成のためのファンド造成が必要だと口をそろえた。
インド、インドネシア、ベトナムなど開発途上国に進出するための案の一つとして、該当国の需要が高い職業訓練市場への進出に向けた大学-企業間パートナーシップ開発(案)が提案された。
エドテック研究院のイ・ホゴン院長は「海外進出など、戦略的意思決定に参考になる海外市場情報が不足しているというのが企業の共通の悩み」とし「主要国の動向情報とバイヤーネットワークに対する情報の強化、融複合商品の開発のための環境整備が必要だ」と強調した。
〈表〉韓国のエドテック市場の推定及び展望(資料:エドテック研究院)
〈表〉エドテック分野別シェア(単位:%)
写真:ゲッティイメージバンク
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